2013年1月12日土曜日

ドイツ放射線防護協会.会長 セバスティアン・プフルークバイル(博士)より. http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/111127_j.pdf 【プレスリリース】 ドイツ放射線防護協会より: 放射線防護の基本規則は、福島原発事故後も無視されてはならない ドイツ放射線防護協会は問う: 原子力利用と引きかえにどれだけの死亡と疾病を許容するのか? 放射線防護の国際的合意として、特殊措置をとることを避けるために、汚染された食品や 廃棄物を、汚染されていないものと混ぜて「危険でない」とすることは禁止されている。日 本政府は現在、食品について、および地震・原発事故・津波被災地からのがれき処理につい て、この希釈禁止合意に違反している。ドイツ放射線防護協会はこの「希釈政策」を至急撤 回するよう勧告する。撤回されない場合、すべての日本の市民が、知らぬ間に東京電力福島 第一原子力発電所事故の「二次汚染」にさらされることになるだろう。空間的に隔離し、安 全を確保し、管理された廃棄物集積所でなければ、防護策は困難である。「汚染を希釈され た」食品についても同様である。現在の汚染がれきおよび食品への対応では、日本市民に健 康被害が広がってしまうだろう。 日本ですでに始まっている汚染がれきの各県への配分、焼却、および焼却灰の海岸埋め立 て等への利用は、放射線防護の観点から言えば重大な過ちである。焼却場の煙突から、ある いは海洋投棄される汚染焼却灰から、がれき中の放射性物質は必然的に環境に放出される。 ドイツ放射線防護協会は、この計画の至急撤回を勧告する。 チェルノブイリ事故後ドイツでの数々の研究により、胎児や乳幼児が以前の想定よりはる かに放射線影響を受けやすいことが明らかとなっている。乳幼児の死亡率、先天障害、女児 出生率の低下など、チェルノブイリ後の西ヨーロッパで明らかな変化が確認されている、す なわち、低量あるいはごく微量の追加放射線によって数万人の子どもが影響を受けているの である。さらに、ドイツの原発周辺における幼児のがんや白血病についての研究でも、微量 の追加放射線でも子どもたちに健康被害を与えうることが示されている。ドイツ放射線防護 協会は、少なくとも妊婦と子どものいる家庭について、現在の避難地域より広い範囲で至急 の避難・疎開が支援されなければならないと強く警告する。われわれは同時に、子どもに年 間20 ミリシーベルトの被曝を強要することは悲劇的な過ちであると考える。日本政府は、 現在の避難基準になっている年20 ミリシーベルトを直ちに撤回するべきである. 日本での現行の食品中放射性物質暫定基準値は、商業と農業を損失から守るためのもので あり、人々を被曝から防護するためのものではない。ドイツ放射線防御協会は、この基準値 が、日本政府ががん死亡者数、がん発症者数の甚大な増加、およびその他のあらゆる健康障 害の著しい蔓延を許容する姿勢であることを意味するとして、厳しく指摘する。 このようなやり方で自国民の健康を踏みにじることは、いかなる政府にも許されない。当 協会は、原子力エネルギー利用のもたらす利益と引き換えに、果たして日本社会がどれだけ の死者と病人を受容できる準備があるのかについて、全国民参加による公開の議論が絶対不 可欠であると考える。このような議論が必要なのは、日本だけではない、これまで原子力ビ ジネスと政治的思惑によって阻まれてきた、世界のすべての国々において必要なのである。 ドイツ放射線防護協会は、日本の皆さんに強く訴える: できるだけ、専門知識を身につけるよう努めてください。そして、食品における基準値の大 幅な低減と、厳密な食品検査を要求するのです。すでに各地に開設されている市民測定所を 支援してください。 ドイツ放射線防護協会は、日本の専門家の皆さんに訴える: 日本の市民のサイドに立ち、放射能とはどんなものか、どのような障害をもたらしうるもの であるかを、市民に説明してください。 ドイツ放射線防護協会 会長 セバスティアン・プフルークバイル(博士)

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