とめよう!六ヶ所再処理工場
再処理工場の危険性について、「核燃料サイクル」の問題も含め具体的にご説明しています。
『原子力資料情報室通信』に掲載されている最新の記事はCNICトピックス>核燃料サイクルからご覧ください。
http://www.cnic.jp/knowledgeidx/rokkasho
「ウ ラン濃縮工場」は天然のウランを濃縮する施設です。天然のウランは約99.3%の核分裂しにくいウラン、約0.7%の核分裂を起こしやすいウランでできて います。この核分裂しやすいウランを約4~5%に濃度を高めた濃度ウランを作り出す施設です。「低レベル放射性廃棄物埋設センター」は、原発の運転によっ て発生する低レベル廃棄物(黄色いドラム缶など)を埋め捨てて最終処分する施設です。「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」は、フランスやイギリスに 委託した海外再処理(全体で約7100トン)によって発生した廃棄物を一時的に貯蔵する施設です。現在はフランスから日本に返還輸送された高レベルガラス 固化体を保管しています。
① 剪断・溶解工程:
工場ではまず使用済み燃料を燃料の鞘ごとブツブツと切断し、それを高温の硝酸に溶かして、ウラン・プルトニウム・死の灰の混ざった硝酸溶液が作られます。以降の工程は溶液の状態で作業が進められます。
② 分離工程:
最初に硝酸溶液から死の灰を分離します。死の灰の部分は濃縮され高温のガラス原料と混 ぜ、ステンレスの容器にいれて冷やし固められます。これが高レベルガラス固化体で、専用の貯蔵建屋で30~50年間貯蔵されます。人間が近づけば即死して しまうような非常に強力な放射線と熱を出す危険なものです。
③ 精製工程:
さらにウラン溶液とプルトニウム溶液を分離します。
④ ウランは硝酸を抜き、酸化ウラン粉末の状態で貯蔵されます。
⑤ プルトニウム溶液は、一度分離したウラン溶液と1:1の割合で混合され、硝酸を抜き、ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末の状態で貯蔵されます。これが 六ヶ所再処理工場の製品です。このプルトニウム(ウラン・プルトニウム混合酸化物)を、再び原発の燃料として利用しようというのがプルサーマルです。
下の図は再処理工程の簡略図です。これらの工程全体でたとえ事故が起きなくても、「原発1年分の放射能を1日で出す」といわれるほど、大量の放射能が環境中へ放出されます。またひとたび大事故が起これば、放射能の被害は日本全体におよぶ可能性があります。
六ヶ 所再処理工場でも設備の設計ミスが隠ぺいされていたことが4月18日発覚しました。使用済み燃料貯蔵プールに設置されている第1チャンネルボックス切断装 置、燃料取扱装置が安全審査で想定された強い地震によって破壊される可能性があるというのです。これらの設備の耐震補強工事が実施されることになりまし た。
再処理工場は、危険な放射能を垂れ流す最悪の核施設です。ヨーロッパでは、再処理工場周辺にまき散らされた プルトニウムなどの放射能が、鳥や魚、植物、そして人体からも確認されています。また再処理工場で大事故が起これば、放射能は日本中に広がります。青森の 豊かな自然を放射能で汚す前に、工場の稼働をストップしましょう!
全国から、「プルトニウムいらない!」「再処理いらない!」という声を集め、六ヶ所再処理工場をストップしましょう!
『原子力資料情報室通信』に掲載されている最新の記事はCNICトピックス>核燃料サイクルからご覧ください。
http://www.cnic.jp/knowledgeidx/rokkasho
再処理工場ってなに?
日本では現在、50基の原子力発電所が運転しています。原発で発電を終えた核燃料(使用済み燃料)には燃え残りのウラン、プルトニウム、そして「死 の灰(核分裂生成物)」が含まれています。日本政府や電力会社は、この使用済み燃料の中にあるプルトニウムを再び原子力発電で再利用する「核燃料サイク ル」を、原子力政策の基本としています。そのため使用済み燃料からプルトニウムを取りだすための施設、核燃料再処理工場を青森県六ヶ所村に建設中です。プ ルトニウムは使用済み燃料に約1%含まれています。六ヶ所再処理工場は1年間で約800トンの使用済み燃料を処理し、約8トンものプルトニウムを分離しま す。核燃料サイクル基地
六ヶ所村は本州の一番北、青森県の太平洋側、下北半島の付け根に位置しています。南方約30キロメートルには三沢市があります。六ヶ所村には再処理工場も含めて核燃料サイクル基地と呼ばれる4つの核施設があります。「ウ ラン濃縮工場」は天然のウランを濃縮する施設です。天然のウランは約99.3%の核分裂しにくいウラン、約0.7%の核分裂を起こしやすいウランでできて います。この核分裂しやすいウランを約4~5%に濃度を高めた濃度ウランを作り出す施設です。「低レベル放射性廃棄物埋設センター」は、原発の運転によっ て発生する低レベル廃棄物(黄色いドラム缶など)を埋め捨てて最終処分する施設です。「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」は、フランスやイギリスに 委託した海外再処理(全体で約7100トン)によって発生した廃棄物を一時的に貯蔵する施設です。現在はフランスから日本に返還輸送された高レベルガラス 固化体を保管しています。
再処理工場
再処理工場は、原発で発電を終えた使用済み核燃料を化学的に処理して、プルトニウムとウランを取り出す施設です。放射能を原料とした巨大な化学プラ ントですから、核施設として臨界事故、放射能漏れ、被ばく事故などの危険性と、化学工場として火災・爆発事故などの危険性を合わせ持つことになります。① 剪断・溶解工程:
工場ではまず使用済み燃料を燃料の鞘ごとブツブツと切断し、それを高温の硝酸に溶かして、ウラン・プルトニウム・死の灰の混ざった硝酸溶液が作られます。以降の工程は溶液の状態で作業が進められます。
② 分離工程:
最初に硝酸溶液から死の灰を分離します。死の灰の部分は濃縮され高温のガラス原料と混 ぜ、ステンレスの容器にいれて冷やし固められます。これが高レベルガラス固化体で、専用の貯蔵建屋で30~50年間貯蔵されます。人間が近づけば即死して しまうような非常に強力な放射線と熱を出す危険なものです。
③ 精製工程:
さらにウラン溶液とプルトニウム溶液を分離します。
④ ウランは硝酸を抜き、酸化ウラン粉末の状態で貯蔵されます。
⑤ プルトニウム溶液は、一度分離したウラン溶液と1:1の割合で混合され、硝酸を抜き、ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末の状態で貯蔵されます。これが 六ヶ所再処理工場の製品です。このプルトニウム(ウラン・プルトニウム混合酸化物)を、再び原発の燃料として利用しようというのがプルサーマルです。
下の図は再処理工程の簡略図です。これらの工程全体でたとえ事故が起きなくても、「原発1年分の放射能を1日で出す」といわれるほど、大量の放射能が環境中へ放出されます。またひとたび大事故が起これば、放射能の被害は日本全体におよぶ可能性があります。
続発するトラブル
2007年3月末、東京電力をはじめとするすべての電力会社で、1万件以上におよぶ原子力発電所や火力発電所等の事故・トラブル隠しが明らかになりました。六ヶ 所再処理工場でも設備の設計ミスが隠ぺいされていたことが4月18日発覚しました。使用済み燃料貯蔵プールに設置されている第1チャンネルボックス切断装 置、燃料取扱装置が安全審査で想定された強い地震によって破壊される可能性があるというのです。これらの設備の耐震補強工事が実施されることになりまし た。
六ヶ所再処理工場のコストは11兆円!!
六ヶ所工場の費用について、当初公表されていたのは建設費だけです。工場は1993年から建設されていますが、この時は約7600億円でした。それ が96年には1兆8800億円、99年には2兆1400億円と、2倍、3倍と高騰してきました。 ところが建設開始10年後の2003年、突然、電気事業連合会は「六ヶ所再処理工場の総費用は約11兆円」と公表しました。公表された内訳は、建設費約3 兆3700億円、運転・保守費約6兆800億円、工場の解体・廃棄物処理費約2兆2000億円です。建設費だけでも当初計画の4.5倍になっています。そ してそれまで一切説明されなかった運転・保守費、工場の解体・廃棄物処理にも膨大な費用のかかることが明らかになりました。この試算は工場が40年間 100%フル稼働、無事故で動くという、ありえないような前提で試算されていますから、実際はこれ以上の額になることは確実です。これは使い道のないプル トニウムのための費用であるにもかかわらず、数世代にわたって国民一人ひとりが負担することになります。バックエンド費用19兆円
六ヶ所再処理工場でトラブルが続発し計画が遅延する一方、六ヶ所再処理工場にかかるコストが今後電力会社の経営を圧迫することは確実です。電気事業 連合会の試算によると、今後の増設分を含んだ建設費が約3兆3700億円、工場の運転・保守費に約6兆800億円、施設の解体・廃棄物処分費用が1兆 5500億円、総額約11兆円もの経費がかかるというのです。さらに六ヶ所工場の費用を含めたバックエンド費用の総額が約19兆円にも達することが明らか にされました。核燃料サイクルにこんな経費がかかることを一度も国民に説明せず、工場を作ってしまったのだからと国民に負担をおしつけているのです。しか しいまこの六ヶ所再処理計画を中止すれば、工場の運転費用、解体費用、MOX燃料工場やTRU廃棄物の処分費用の必要はなく、19兆円のうちの実に7割の 削減が可能になります。再処理は廃棄物を増やす!
政府や電力会社は、「再処理によって廃棄物の量が減る」と宣伝しています。これは大きなウソです。確かに高レベルの使用済み燃料はガラス固化体にす れば小さくなりますが、それと同時に膨大な低レベルの放射性廃棄物が発生します。その量はフランスのラ・アーグ再処理工場では元の使用済み燃料に比べて約 15倍、日本の東海再処理工場では約40倍となっています。六ヶ所再処理工場でも、事業申請書から試算すると約7倍の放射性廃棄物の発生が見込まれていま す。また廃棄物とは見なされない空や海への日常的な放射能の垂れ流しもあります。さらに工場の操業後は、施設全体が放射性廃棄物となってしまいます。これ らを含めると再処理工場は、元の使用済み燃料に比べて約200倍もの廃棄物を生み出すという試算値もあります。これらはすべて、再処理を行わなければ発生 しない廃棄物です。再処理工場は「原発1年分の放射能を1日で出す」
使用済み燃料は膨大な放射能の塊で、人間が近づけば即死してしまうような非常に強力な放射線と高い熱を出し続けます。再処理工場はこんな危険な使用 済み燃料をブツ切りにし、大量の化学薬品を使ってプルトニウム、燃え残りのウラン、死の灰(核分裂生成物)に分離する巨大な化学工場です。そのためたとえ 事故でなくても、日常的に大量の放射能を放出しなければ運転できません。高さ150メートルの巨大な排気筒からは、クリプトンをはじめとしてトリチウム、 ヨウ素、炭素などの気体状放射能が大気中に放出されます。しかし国は、これらの放射能が「空気によって拡散するので問題はない」といっています。また六ヶ 所村沖合3kmの海洋放出管の放出口からは、トリチウム、ヨウ素、コバルト、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムなど、あらゆる種類の放射能が廃液に 混ざって海に捨てられます。これについても国や日本原燃は「大量の海水によって希釈されるので安全」と説明しています。また六ヶ所工場の当初計画ではクリ プトンとトリチウムの除去が計画されていましたが、経済的な理由から放棄され全量が放出されます。再処理工場は、危険な放射能を垂れ流す最悪の核施設です。ヨーロッパでは、再処理工場周辺にまき散らされた プルトニウムなどの放射能が、鳥や魚、植物、そして人体からも確認されています。また再処理工場で大事故が起これば、放射能は日本中に広がります。青森の 豊かな自然を放射能で汚す前に、工場の稼働をストップしましょう!
英・仏の再処理工場周辺で小児白血病が多発
すでに再処理工場が30年以上運転されているヨーロッパからは、膨大な放射能放出による環境汚染、人体への影響が報告されています。フランスのラ・ アーグ再処理工場周辺では、小児白血病の発症率がフランス平均の約3倍にのぼるというレポートが発表され、再処理工場の運転や放射能放出を規制する動きが 出ています。イギリスのセラフィールド再処理工場からの放射能によって汚染されたアイリッシュ海をめぐっては、対岸のアイルランド政府がイギリス政府を訴 える事態に発展しています。ヨーロッパ西部の多くの国の政府は、これ以上の放射能汚染を防ぐために英・仏の再処理工場の運転を停止するよう求めています。 青森県でも六ヶ所再処理工場周辺での環境汚染および人体への影響が懸念され、1999年から「青森県小児ガン等のガン調査」が実施されています。止めよう!六ヶ所再処理工場!
使い道のないプルトニウムのために、大量の放射能をまき散らし、大事故の可能性を抱え、11兆円以上のコストを必要とする六ヶ所再処理工場を正当化 する理由は、何もありません。それでも日本が再処理計画に固執するならば、東アジア地域の平和にとって、大きな混乱要因となる可能性があります。広島・長 崎を原点に持つ私たちにとって、六ヶ所再処理計画は絶対に許してはいけないものです。全国から、「プルトニウムいらない!」「再処理いらない!」という声を集め、六ヶ所再処理工場をストップしましょう!
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