2013年6月30日日曜日

ドイツテレビのドキュメンタリーフィルム 「福島原発事故は現在も毎日が緊急状態である」 Fukushima nach der Katastrophe – Alltag im Ausnahmezustand http://youtu.be/r109U5-uRvI http://doku.cc/fukushima-katastrophe-alltag-im-ausnahmezustand.html ワタナベ・フミマサ議員は「ここは死の街である。すべてが破壊され、多くの食物が汚染され、牛が汚染され、全てが放射線により汚染されホラー映画のようであり、緊急状態である」と話した。 さらに「私は強制避難地域に行くときは、セルロース製の洗えるスーツを着用し、防護メガネ・手袋・ゴム長靴とマスクをつけ,袖とズボンのスソはテープで止めて行きます」と話してくれた。 福島原発事故で数千人の難民は、今も避難所に住んでいる。今後数ヶ月の間に、放射線により汚染された被災者の家は除染される予定である。 それが役立つかどうか、誰も分からない状態である。 福島の破壊された原子炉は、東電が補修作業を保証をしているが、まだ時限爆弾のような状態である。 「私達はこれからどのように生きていけば良いか分からない。広島も原爆で多くの人が病気になり癌で死亡した。福島も同じ状態になります。私達は一緒に支えあい、強く生きていくしか方法はないのです」 「政府による被災者に対しての支援は少なく、政府は今すぐ原発を止めなければならないのです」 とある女性は話した。 1945年に広島で被爆者を救助して被曝した経験を持つ、福島に住む老人は、福島の学校で、広島での原爆降下された当時の悲惨な状態を子供たちに話して伝えている。 ある生徒が 「僕達はこれから,どのように生きていけば良いのですか?何を学ぶ事ができるのですか?教えてください」 と質問したが、その老人は何も返答できなかった。 老人は心が苦しくて、生徒に返答できなかったのである。 「原発事故後、日本国民は政治を諦めている状態である」とワタナベ・フミマサ議員は話した。 子供達に汚染された食品で給食を与えている,又,汚染されたわらを牛にも与えている,考えられない状態である。 農民は被害者である.農品が汚染されていなくても,売れない状態である。 また、福島原発から100km離れた農家でも、売り上げが3分の2に減少したので、収入が激減している。 牛肉や食品も汚染されているのに、日本の当局はいつも住民に情報を流すのが遅れている状態である. 横浜市では,食品の放射線検査を無視していたが、現在では検査するようになった。 「汚染された牛肉が市売されていることを横浜の住民が知ったら、どんなに怒るでしょう」 「このような有様では、日本もチェルノブイリのようになる。政府に訴えていかなければならない」 と議員は話した。 南相馬の住民を支援して,助けている救援センターの三浦万尚さんが南相馬の住民の庭の土壌の放射線測定をしたら,毎時20から40マイクロSVの高い放射線量を検出した。三浦さんは「このような場所から,住民は避難しなければならないと」われわれテレビクルーに話した。 プルトニウムや他の核種が検出され,原爆が落とされたような地域で,人々は生きている。 このような汚染地域で生きている子供達は,まるでモルモットである。 三浦氏は「今までに17人が自殺しました。被災者の精神ケアが必要です」とドイツテレビの記者に話した。 三浦万尚さんは、南相馬の住民の住宅の屋根の除染を行ない住民を助けている。 彼はその除染で、原発労働者の年間被曝量を1日で被曝している状態である。 福島は、今日明日に何が起きるか分からない状態であるとわれわれドイツテレビのクルーは思った。 避難地域で放射線測定をしたら24マイクロSV/hの放射線量を検出した. 東電の本社を訪ねて,ドイツテレビの記者がインタビューをした。 東電は「私達は,福島第1原発をコントロールしているので,心配は無い状態です」と返答した。 本当にそうなのかと思った。 東京都の石原慎太郎都知事(当時)は国民の前で汚染水を飲み、枝野官房長官(当時)は福島のトマトを食べ「何も心配いりません」と国民に説明しているのである。 電力会社(中部電力?)は 「浜岡原発は世界一安全な原発なのであるから再稼動しても心配はありません」 と、ドイツテレビのクルーにコメントした。 日本政府は,破壊された福島原発の解決方法がないのに、住民を自宅に帰そうとしている. 福島原発事故があったにもかかわらず、日本政府は、原発ロビー団体、原発企業、政治家、マスコミと一緒になり、海外に原発を売り、原発推進を進めている. 日本政府は、3月11日に放射線降下量の情報を得ていたのに、無視をして国民には一切知らせなかった。 われわれドイツ人には理解できないことである。 福島では、子供たちの尿検査で、2人に1人はセシウムが発見されている状態である。

2013年6月27日木曜日

福島県住民の甲状腺被ばく量は大したことないというが、実際は甲状腺被ばく量測定は行われていない.(放射線テレックス) http://www.strahlentelex.de/Stx_13_626-627_S06-07.pdf 2013年1月27日に東京で行われたシンポジウムで、日本の学者たちは、福島原発事故直後に行われた甲状腺検診の評価を通して、福島原発事故により大気中に飛散されたヨウ素による住民への危険性はないという結論を出した。日本の環境省は2012年に千葉県にある国立の放射線総合医学研究所(放医研、独立行政法人)に、福島原発事故後の放射線被爆の実態を科学的に検証するよう依頼した。朝日新聞の報告によれば(注1: http://apital.asahi.com/article/news/2013012700002.html)、放医研でこのプロジェクトを代表する栗原治氏は、放医研の内部被ばく評価につき、甲状腺検査を受けた児童1,080人、および放射性セシウムによる内部被ばく検査を受けた成人300人のデータから、体内の放射性ヨウ素の濃度はセシウム137の3倍だと仮定した。 線量がとりわけ高い双葉町、飯舘村、川俣町、浪江町の住民約3000人のセシウム内部被ばく線量から、甲状腺被ばく線量を推計したと栗原氏は語っている。この推計によれば、飯舘村に住む1歳児が30ミリシーベルトと最も高い被ばく量を示している。双葉町での最高の被ばく量は27ミリシーベルト、そしてその他の地方では18ミリシーベルトと2ミリシーベルトの間だったという。国際基準では限界値は50ミリシーベルトなので、この値を超える被ばくがなければ、ヨウ素剤を予防薬として飲む必要はない、ということだ。 甲状腺被ばくが証明できなくても(放射性ヨウ素131は半減期が8日である)、福島原発事故で許容量以上の被ばくを受けた住民はいないであろう、とのことだ。なお、この研究結果は中間結果であり、最終結果とみなしてはいけないそうだ。 シンポジウムの討論会では「ヨウ素とセシウムの比率はもっと高い可能性もある」などの意見が出たと朝日新聞は報告している。 デアゼーのコメント:この日本の学者たちによる結論はかなり大胆である。チェルノブイリ事故後のソ連と同じように、ここでも甲状腺の被ばく線量は実際には測量されていず、単に推計したに過ぎない。広島大学の原爆放射線医科学研究所で仕事をする小児科医の田代聡教授は、原発事故の後、広島で2012年3月9日に行われた講演会で、甲状腺被ばく線量の測定に関する方法または状況について以下のように述べている(注:http://www.hiroshima.med.or.jp/ippnw/sokuho/docs/2151_006.pdf)。 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が事故当初から充分に活用されていれば、住民の避難はスムーズに実施されていたはずだが(http://ma.med.or.jp/ippnw/sokuho/docs/)、実際の発表は2011年3月23日になってからだった。そして大きな問題はここにある。つまり、子供が一日中部屋の外で過ごしたら、100ミリシーベルトの被ばくを受けたことになる地方が、避難地域に指定された半径30キロメートル以外のところにもあることで、たとえば飯舘村、川俣町、いわき市などはそうした例で、これらの地方は避難勧告を受けなかったのである。 放射性ヨウ素の半減期は短いため、検査は早急に行われなければならない。原子力安全委員会の助言のもとに、なるべく多くの人たちの甲状腺被爆調査を行い、スクリーニングレベルを0.2マイクロシーベルト/毎時とした。これは、甲状腺等価線量で100ミリシーベルトに相当するという試験結果が放影研より出ているためである。まず、バックグラウンドが毎時0.2マイクロシーベルト以下の場所を探し、そこにスクリーニング会場を設置した。本来なら専門施設での計測が望ましいが、当時は震災の混乱が収まっておらず、またNaIサーベイメータが被ばく検査のために福島に集められていたので、このような形で簡易検査が実施された。 実際には現地でスクリーニングすることが可能な会場を探すのも大変だった。例えば、飯舘村では屋外は平均毎時8マイクロシーベルト、屋内でも3〜7マイクロシーベルト、土の上1cmだと約20マイクロシーベルトであり、唯一バックグラウンドの低い場所は、村議会の議長席裏のスペースだった。川俣町では立派な公民館の2階の一角が0.2マイクロシーベルト以下だった。人の出入りやドアの開閉でも線量が上がるので、建物に入る前に身体の汚染を検査し、玄関でも靴を脱ぎ、問診し、測定場所の前で集まってもらった後に、一人ずつ測定場所に入れて、やっとサーベイメータを子供の前頸部にあてることが出来た。 いわき市、川俣町、飯舘村の3市町村で合計約1,000名の子供を計測することが出来た。最高で毎時0.1マイクロシーベルトの子供が1名いたが、この子供は4歳という年齢を考慮すると35ミリシーベルト程度になるとされている。99%が毎時0.04マイクロシーベルト以下、半分以上の子供からは検出されず、全体的に見ると重篤な甲状腺被害を受けた子供は限定的であると推定される。実際には子供の被ばくを防ぐために、母親が子供を2週間外出させなかったり、水は自治体が用意したりと、集団で子供を守ったのがよい結果につながったと思われる… 以上が田代教授の報告内容である。よく考えてほしい。ここに挙げた毎時マイクロシーベルト単位での測定結果をミリシーベルトの甲状腺等価線量に算出しなおした値は、実際に子供の前頸部で測定された値と、高くなっているバックグラウンドの線量との差から出てくるものだ。甲状腺の被ばく量とバックグラウンドの線量が同じ値である場合には、この方法は使えないのである。甲状腺という臓器の等価線を出すには、甲状腺における放射性ヨウ素の放射能レベルを突き止めなければいけないはずである。ということは、実際には本当の意味での甲状腺測定は行われなかったということだ。これは福島の住民にも知られている事実である。福島で甲状腺スクリーニング検査を行っている鈴木眞一教授は、2012年11月10日に福島市で行われた一般説明会ですでに、実際に測定を行っていないのに、どうしてチェルノブイリよりずっと値が低いなどと主張できるのか、と非難されている。
【報道と事実は違います】 いわき市からの避難者mikoさんのお話 【日本中のお母さんへ】 http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/83fe2a0fbdccaffadad382d2e0b914fd?fm=rss 糸島「ひなん者お話会」から、mikoさんのお話 3.11福島原発事故で、故郷いわき市から、昨年1月に北九州市に自主避難してきました。 今日は、主に北九州市に来るまでの9ヶ月、私が見てきたこと、体験したこと、感じたこと、そして今を話します。 福島原発から42kmのいわき市に住んでいました。私は、そこで、ピアノ教室の主宰として、夫は市職員、子供2人と生徒たちに囲まれて、毎日、楽しい時間を過ごしていました。 さて、3.11後私たちの生活は一変しました。いわき市の北のほうは、30km圏内だったのに、市長が「風評被害」という言葉をつくり、圏内からはずしました。事故前は1時間あたり、0.05マイクロシーベルトだった放射線量は、23マイクロシーベルト。460倍に。 当時、長崎大学の山下俊一教授が100ミリシーベルトまで安全だと大キャンペーンを、テレビ、新聞、ラジオ、学校、講演会で行き渡ったころには、学校で0.5マイクロシーベルト、通常値の10倍でも、外の活動を安全だとして行いました。 100ミリシーベルトが安全ですので、当然、給食は最初(事故1ヶ月後)地産地消ということになり、私たちは署名活動を根気よく続けて地産池消をすぐにやめさせました。尚、教育委員会が給食を食べない自由を認めたのは、2学期になってからです。 ですから、安全説を信じた人の子供たちは、給食を食べさせていました。先生や学校に言っても無駄でした。 外の放射線量は同じではありません10cm違っても、2.3マイクロ、5マイクロ、普段の46倍、100倍、と様々です。 私が、疑問に思ったのは、市の職員、学校の教員が放射能汚染から子供を守らなかったことです。 さて、原発が爆発したときのことを、話しましょう。 3月11日の大地震での被害は、私の家は殆どありませんでした。ただ、いわき市の水道が20日間とまりました。 水道が止まったので、次の日、給水車に2時間ほど子供と一緒に並びました。 3月12日1回目の爆発がありました。あとで測定データを見ると、23マイクロ普段の460倍でした。 この時、「危ないから屋内退避しなさい」 という広報車もなく、私たちは、爆発したことも知らず、2時間外にいました。 日本は安全といっていましたが、今現在、私達母子3人ともに、甲状腺に異常有りの血液検査の結果と、息子には、5mmののう胞があります。 今、報道をみると、甲状腺がんは生活習慣病になりました。たとえ癌になっても自己管理のせいといわれ、放射能の影響と国はいわないと思います。 私は、子供たちのホールボディカウンターを事故後すぐにうけようとしました。しかし、どこに問い合わせても受けられませんでした。東京まで行って、受けてきた人がいましたが、データーを渡してもらえませんでした。私も、何箇所か電話で確認しましたが、データーを渡してくれるところはありませんでした。 では、甲状腺の血液検査と思い、電話しましたが、いわき市内一斉に甲状腺の検査はしないと、耳を疑う結果になりました。 どこで被曝した証拠を残せるかと福島県に聞きましたが、「ない」と回答されました。 私の主人は市の職員です。何かあったら、1番に連絡があるはずだと主人は言ってましたが、結果は爆発も知らされず、母子ともに外で被曝しました。 また、私の主人(市職員)は放射能の知識はゼロですが、国から与えられた文書を丸暗記するほど、電話対応に追われていました。 事故から5か月後、いわき市発表の放射線量は0.12μsv/hでした。私が市役所からガイガーカウンターを借りて測ると、0.24~ 22.14μsv/h。 また、有志で土壌検査や剪定した木の測定をすると、20000bq/kgありました。 「行政は私たちを守らない」と、主人と放射能の測定結果を見てそう感じました。 例えば、水道水NDといわき市のホームページで発表されています。 それで、ストロンチウムやプルトニウムなどの核種の測定値を見たいというと、「市民が混乱する」という理由で詳細なデーターを出さず、ヨードとセシウムNDの文書を出されました。 私たちの無知に付け込んで、本当に腹が立ちます。 私の避難の選択は、放射能を怖がるというよりは、行政、学校、の対応と自分たちの目でみた測定値と家族におこった体の異変で判断しました。 毎日続く下痢、鼻血、口内炎、鼻の中のできもの。これらは、原発事故後に家族、友人に、実際おきた体の変化です。 放射能の影響は癌だけではないと知ったのも後になってです。 国の発表と事実はちがう。 国は明らかに法律違反を市民に強要しているのに、職員は国の言いなりにしか動きません。 文書公開制度すら、嘘にならない嘘で市民を騙し、出させない、書かせない、時間をかせぎます。 学校は生徒、児童を守らない。放射能に気をつける父兄を許さない。 放射能をなるべくさけようと、お弁当にすると、他のクラスメートからいじめられ、暴力をうけても、いじめた児童父兄を指導せず、放射能を怖がらないように私が指導をうけました。 私が、避難を決意したのは、娘の登校拒否でした。放射能を防御することを周りの空気が許しませんでした。 私は、それでも、いわき市で暮らせる方法をたくさん探し、行政に文書で色々請求しましたが、のらりくらりとかわされました。 年老いた両親と共に避難を説得しましたが、今更ふるさとから離れたくない。と言われ、夫は安全論。夫の母には、「立場をわきまえなさい」と避難することを許してもらえませんでした。 結局、行政と格闘しながら、悩み、私の両親から子供を1番に考えなさいと言われ、夫を捨て、年老いた両親を福島に残し、北九州に避難しました。 今、話したように、報道と事実は違います。 先日、産廃の中間報告書を文書公開したら、福岡県のある企業では、福島、茨城、山形、神奈川からも汚泥、ばいじんを受け入れ、北九州市瓦礫受け入れ以前から今も処理しています。 瓦礫受け入れ騒動のかげで、粛々と放射性物質の焼却をバグフィルターのない状態で処分しています。 今報道では、PM2.5は中国からやってくると、大キャンペーン中ですが、本当にこのPMは中国産でしょうか? 九州の産廃、セメント工場では、福島の石炭の焼却灰を受け入れ、リサイクルしています。 北九州の公文書を見ると、PM2.5が昨年4月に230超え、他の月でも100超えがよくありました。国産、九州産PM2.5で間違いありません。 これからは、福島県民におきたことが、日本国民におこるでしょう。 それは、呼吸と食品からになると思います。先日も、北九州の「ドンナマンマ」という情報誌で、大学の教授や講師、行政職員が、放射能安全と言ってました。放射能安全説が完全に全国に行き渡ってしまいました。 「放射能が薄めて安全」という一方で、実際に福島では人が死んでいます。 私の従兄弟が亡くなった次の日に、友人の夫が死にました。 私はなんでもかんでも放射能のせいとは言いません。 チェルノブイリの教訓があるだけです。 国は、認めません。 でも、私たちは安全論、危険論、両方聞き、見たこと、聞いたことで 「選ぶ権利」 があります。 私が、今このような状況にあるのは、原発の危険性を知らなかったからです。 放射能が消えないということを知らないで、家の前をひとりで除染し、放射能を吸い込みました。 今、福島には人が住んでいます。 みんな、 「どうせ、わたしら、モルモットだし、補償がないから逃げても貧乏、生活できない」 「今の生活レベルを落としたくない」 「国が安全といってるから安全だっぺよ」 「死ぬ人多いねー」 「でも、何もできない、変わらない、やっても無駄」 「楽しいことだけ考える」  と言いながら、 除染し、生活排水は、汚泥、焼却灰となって、高濃度の放射性廃棄物を毎日排出しています。 それが自分に帰ってくる事実と向き合うことはありません。 除染は無駄です。自分でやったので知っています。 0.5が0.2にさがり、2週間後には、0.5に戻ります。ということです。 大量の除染後の汚染土壌はどこへいくのでしょうか? 国が責任をもって処理するとは、産廃に出すということだと思うのですが..... 産廃に出したものは、セメントや鍋、腐葉土になって、全部自分に帰ってきます。 保養を否定はしませんが、根本的な救いにはなりません。 私は、測定、事実の公表、十分な補償を約束して、福島県民に選んでもらうことが唯一の復興だと思っています。 放射能は拡散させず、福島に閉じ込める。 私の先祖の墓は福島原発から2kmです。放射性廃棄物を置いてください。 お墓どころか、家、広大な土地の所有者であっても、そう思っている福島県民は沢山いますが、その声は消されています。 実は、今年の3月、福島県の鮫川村で8000bqの稲わら焼却の実験炉の建設を止めに行きました。 あと一歩、書類の提出と記者会見を予定していましたが、なんと、反対していた本人に邪魔され止められませんでした。 反対派が賛成派である事実。わたしは体験しました。 北九州の瓦礫反対運動の中でも、「瓦礫反対」の署名はOKで、「公害防止協定の締結を求める署名」はNG。 北九州で「漁協の反対が最後の砦」という話を聞きましたが、実際に公文書請求したら、漁協からの「反対声明文」の提出はありませんでした。 明確に「反対」とかいてないのです。 瓦礫焼却されてからも、反対派がテント村に集まっている頃、私は「反対声明文」を出してくれるよう漁協にお願いして回りましたが、会って下さったのは2箇所で、どちらも反対声明を出してくださいませんでした。 あの時、どこか1つの漁協で反対声明文、焼却炉周辺住民2人以上の「公害防止協定書の締結を求める声明文」を出せれば....それらをさせないため、数々の妨害を受け、フクシマからの避難者である私だけが陥れられました。  反対運動の実態を見て、「フクシマが救われることは無理」と絶望しました。 さて、これから、バグフィルターをほぼ100%セシウムを取るという嘘を通したように、まず、福島ではヘパフィルターを付け安全といって、全国に8000bqの焼却炉建設、また、福島の森林を使ったバイオマス発電所が全国に建つのではないでしょうか。 国はお金持ちなので、テレビで考えることを止めさせ、殆ど嘘の報道で国民に一定の空気を作り、そこから漏れた人たちを、様々な運動で取り込み、 「私たちは、またも、うっかり、同じ方向を向くようにされています。」 私の考える本当の繋がりは、トップの言うことに従うのではなく、わからないことを教え合い、 一人一人の知識レベルをあげて、事実の共有をして、それを、身近なところへ伝える。 もう少し勇気があれば、企業、行政が1番に抱き込む漁協、清掃工場や産廃、セメント工場の周辺住民へ事実を伝える。 北九州市が瓦礫受け入れの時に、清掃工場周辺自治会長へ、「お一人様説明会」をしたように、 私たちも、周辺住民に、「お一人様勉強会」をしていくことが、子供たちを守っていくことに繋がると思います。 私は報道に騙され、子供たちを被曝させてしまいました。 無知でうわべだけしか知らなかったので、避難しても、子供たちを守ることができませんでした。 私にできることは、経験した事実を話すことだけです。知って選んでください。できれば、知って伝えてください。 事実を見誤ってはいけません。 「勇気」を持って「自分で考えて行動」すれば、事実が見えるはずです。 私達の最後の盾は地方自治体です。 地道に「住民教育」からはじまり、知識を持った住民が教師、職員を教育していくしかありません。 やっぱり、面倒でも自分が動かないと自分の子供を守ることはできないことがわかりました。 忙しくても、おいしいごはんを作りながら、出来ることをできる範囲で続けていきます。

2013年6月26日水曜日

(書き起こし】<チェルノブイリからフクシマへ- 原発事故の実情と教訓>アレクセイ・V・ヤブロコフ博士  http://homepage3.nifty.com/gatayann/130519YAbUlec.pdf
ドイツ.反原発団体から.政府の原子力発電の再稼動に反対して,東京で6万人が抗議した. http://japandailypress.com/60000-in-tokyo-protest-government-plans-to-restart-nuclear-power-0329890 60,000 in Tokyo protest government plans to restart nuclear power 約60,000人が国が原発の再稼動をする政府計画に抗議するために、6月2日(日曜日)に東京の首都に結集した。 人々は、芝公園に集まり、その後国会の建物に向かって行進した.大江健三郎、ノーベル文学賞受賞者は原子力発電所を残すことは,国民は,安全の為にも,恐怖であると日本政府に抗議し,呼びかけた. 日本政府は,原発に対する新安全指針が7月に採択される予定であり,原子力規制庁(NRA)によって承認されば,原発を再稼動することは可能であると述べている. 日本史上において最大の抗議の一つは17万の日本国民が,当時の総理大臣野田佳彦対して福島原発事故後,最初に二つの原発の再稼動を決めたことに対して,日本の国民たちは結集し,抗議した。 反原発組織は,現時点で、日本の国民たちが原発の再稼動に反対して、800万人の署名を集めたと述べている. 抗議者たちは,"原発は要らない!進化していない猿は、原子力が欲しい!などと抗議してデモ行進した. 現時点では、日本にある原発50基の内、福井県の大井原発の2基の原発が去年の夏に再稼動されている. 日曜日の反原発集会は、3つの異なるグループで組織されたが、共同通信は,警視庁の発表した20,000人から30,000人であると報告した。(実際は6万人である) 以前の記事. ➀阿部の公約に、日本において原子炉の再稼動の復帰. ② 茨城県の原子力研究所事故で放射線漏れで放射線被曝30人. ➂日本の自民党議員は、原子炉の再起動のためにプッシュ圧力を与えるグループを形成した. ④原子炉を、停止すると電力会社は160億ドルの損失だと発表している.

2013年6月24日月曜日

「甲状腺がん大量罹病が始まるのは今から2年後」ヤブロコフ博士 http://takumiuna.makusta.jp/ 「甲状腺の癌についてですが、大量の罹病が始まるのは 今から2年後と予想されます。では予防に相当するものですが、これはエコーによる診断を 頻繁に行う必要があります。つまり小さな結節が大きくなって、ガンに転化していないかを 早く知るために絶えず観察してゆく必要があります」 「現時点で福島周辺地域では約40%の人々の甲状腺に結節や嚢胞があるといいます。 同様な状況がチェルノブイリ事故の後もベラルーシやウクライナ、ポーランド、チェコ スロバキアなどにありました。つまり癌ではないけれども癌の前の状態の小さな傷が 40%の人に見られていたのです。この40%の人たちがその後癌に発展しうるのは1 ~2%の人ということになります。そして先程言いましたように定期的にエコーによる 診断を受けていますと、癌に転化した場合でもごく早期の段階で癌になったということ がわかるのです。そうしますとその早期の甲状腺癌は、初期の場合は手術をする必要 が無く、例えばホルモンによる治療が可能ということもあります」 「甲状腺癌は実は、こういったチェルノブイリの、そして福島の場合の恐ろしい影響、 後遺症の10%から15%に過ぎません。つまり90~85%は何かというと、他の病 気ということになります。その中でも特に心臓系統、血管系統の病気とか、神経系統の 病気がより多く深刻になると思います・・・・」 《日本人自身の緊急調査が待たれる》 ◇ヤブロコフ博士 チェルノブイリと福島の比較というのは皆様日本で行うべきということです。そもそ も福島以降の幼児の死亡率について、日本全体と福島県、その周辺での数字を発表した のはドイツの疫学者であります。それは日本の人々、日本の専門家にとっては恥ずべき 事態であると私は思います。つまり福島の事故以降でありますが、日本全体の幼児死亡 率は若干上がりました。そして福島周辺に関しては3倍に幼児死亡率が上がったわけで あります。これは単なる統計上の数字でありますから、日本に住んでいる日本の研究者 の方がよりやりやすかったはずだと思います。けれども、日本人がこういった学術論文 を書いたということを、少なくとも私は知りません。ですから、こういった数字が統計 上出ているということを日本の政府につきつけて、「説明してください」、「より詳しく 研究をするための政府の資金を供与するべきだ」と求めるべきなのは、日本のみなさん であると私は思います。ロシア人である私からではなく、研究者からの何かを待つので はなく、みなさん自らが究明して行くべきです。 チェルノブイリ事故からほぼ30年が経ったのですがチェルノブイリの事故の影響 というものは大惨事であったと私は思います。福島の事故の影響というものが今後どう なるかということでありますが、チェルノブイリの事故の影響よりも少し小さいものに なるかもしれないし、もしかするともっと大きいものになるかもしれません。 どういうことかというと、確かに事故後の放射性物質による汚染というものはチェル ノブイリ原発の事故の方が著しかったわけですが、しかしチェルノブイリに関してはそ の周辺に住んでいる人の数は福島周辺に住んでいる人の数より遥かに少なかったわけ ですから。ということで、それぞれが共通する懸念があるのですから、なすべきことが らについて、力を合わせ結集し、きちんと起きた事実を把握して、予想というものを出 して行くべきと思います。 《「平均線量シーベルト」よりも、「直接実際に測ったベクレル」を》 ◆ヤブロコフ博士 複数の質問を出して頂きましたが私の答えも複数になります。 まず第1点目でありますが、機密性あるいは秘密というものはどこのケースでも存在 しています。スリーマイル島の事件の後でも、セラフィールドのあとでも、チェルノブ イリのあとでも、福島のあとでも、まず真実というものは述べられません。そして何年 か経って突然明らかになるのは、実は遥かに汚染度が酷かった、放射線は多かったとい うことであります。 チェルノブイリに関しては放出された量、度合いは、当初発表された数字よりもその 後発表された数字では数倍になりました。日本に於いても同じようになると警告します。 何年か後に「ごめんなさい。間違っていました。最初に言った数字よりももうちょっ と多い放射性物質が放出されていたんです」と。 そして第2点目でありますが、原子力関係者たちが数字としてあげる放射性核種です が、それはヨウ素とセシウムとストロンチウムのこの3つに限定されるといっても過言 ではないと思います。しかし、放射性核種というのは、そもそも何十種類もあるのであ り、それらの何がどれだけ出たということを、当局は計算して把握しているのでしょう か。といいますのは、飛び出してしまった放射性核種の全てを迅速にそして確実にとら えるという方法論がそもそも現時点では確立されていないのです。だからこそ人々が被 曝してしまった放射線量を正確に測るということが不可能であるという現状がありま す。 そして公に発表されている線量ですが、例えば5ミリシーベルト、20ミリシーベル トといった数字、これはあくまでも計算によって出された数字であります。実際のもの を測ったというものでは決してないのです。 ではどうやって計算しているのかといいますと、平均的な人間はどれだけ水を飲むの か、平均的な人間はどれだけ葉物の野菜を食べるのか、平均的な人間はどれだけ牛乳を 飲むのか、ということで、平均的な人間の線量というものが算出されるのです。これは いわば、この病院の平均気温が何度ですという数字を発表することに等しいのです。こ ういった平均的な線量は、私たちを守ってはくれません。平均的な線量が何を守るのか というと、これは原子力産業界を守るのです。世論から与論から原子力産業を守るので す。 そこで私が主張するのは直接実際に測るということであります。「体重1㌔グラム あたり20ベクレル」を越せば、これは子供の場合ですが、危ない。何かをしなければ ならないということです。成人に関しては「体重1㌔グラムあたり50ベクレル」を超 えると何か処置をとらなければならない危険な数字ということになります。もちろんこ れも完璧ではありません。しかし何らかの意味は持つわけです。 ◇青森県から来た女性 再処理工場を有する青森県から来ました。内科医です。日本の御用学者達が「原子力 災害専門家グループ」というものを作りまして、「20ミリシーベルト以下は安全」と いうふうなことを言って歩いています。「20ミリシーベルト以下でも危ない」という 研究者を全部排除して、今福島県内の汚染地で住民を避難させずに住民を置きっぱなし にし、あるいは避難していた人も汚染地にもう一度戻そうとしています。こういう御用 学者たちとヤブロコフさんたちのような立場の方たちと話し合うことはあるのでしょ うか? 「福島事故の放射能は安全」と言って回った山下俊一氏のような人たちをきち んと批判出来る場というのはあるのでしょうか。ヤブロコフさんは山下氏にお会いにな ったことがありますか? もしお会いになったとして、きちんと批判するには、どうし たらよいか教えて頂きたい。 ◆ヤブロコフ博士 私たちはこれまでの10年間でありますが、原子力発電推進派の人たちと公開の場で きちんと一対一で会って意見をたたかわせるという場を設けようと彼らに働きかけて きたんです。けれども原発推進派は、絶えず常にそういった場からは逃れようとし、そ ういった場を設けないようにしています。 ◇岩手町の女性 私は岩手町というところから来まして、ここから北に約20㌔ですが、写真など持っ て来ればよかったのですが、昨日、タンポポの奇形をたくさん見まして、2~3日前に は、1本の茎に2本の花が出ているのを見ましたが、枯葉剤などの影響もありうるとは 思っているのですが、昨日、見たタンポポは、6個か9個かもうわからないくらいでし た。茎が弾けてグルグルになって、たくさん花がくっついているのをたくさん見たので す。 私には、放射線の影響でしかないと思えるのですが、奇形ですね。ものすごく恐ろしい 感じがして、人もたくさん亡くなっているし、白血病という病名もつい最近耳にしまし た。私の身近な若いお母さんも亡くなったり、強く影響を感じています。マイコプラズ マ肺炎であるとか、わからない病原体で子供が隔離入院したとか、そういう心配につい てお聞きしたい。 《例えば学校の先生や生徒、大学の学生達がデータを集めるという作業》 ◆ヤブロコフ博士 お気持ちについて私は同意致します。日本においても福島の事故の影響でありますが、 「チョウチョウに相当な奇形が発生していると日本の研究者が発表した」というニュー スを聞きました。しかし、その後その研究は資金がなくて途絶えてしまいました。しか し、かなり最近でありますが、アメリカの南カロライナ大学のチムソーという先生が発 表した内容がありまして、それはチェルノブイリと福島における鳥と昆虫の比較をした というものです。その結果としていくつかの生き物に関しては福島の方がより恐ろしい 結果が出てきているということであります。 広島と長崎に原子爆弾が落ちたあと、占領当局はそれから4年間「いかなる調査もし てはならない」という禁止を行いました。しかし自分の身の危険も顧みず白血病のケー スが増えたという調査をした複数の医師がいました。その結果を見てアメリカ側も研究 をするべきだと考えを変えざるを得なかったのです。 今の世の中ですが、もっと民主的であって、そういった研究活動をしたから投獄をさ れるということはないかと思います。そしてこういった異常現象ですが、これは例えば 学校の先生や生徒、大学の学生達がデータを集めるという作業は決して難しい作業では ありません。ですからこういった異常というものが、県別あるいはどこかの市でどれだ けの頻度で鑑別されるかということを、例えば虫などに関してもどういった突然変異が 起きているのか、葉っぱなどにどういった突然変異が起きているのかのデータを集める ことは決して難しいことではありません。日本の社会は教育水準がとても高いレベルで す。チェルノブイリ事故の時のデータを集めるということよりも遥かにデータを集めや すい社会になっていると思います。力を結集してそういったデータ集めが出来たら良い と思いますがいかがでしょうか。 ◇岩手大学学生 チェルノブイリではカエルに異常が見られたと言いますが、それは具体的にどんな異 常だったのか? それから、セシウムとマウスを使って実験をやっているのですが、免 疫系の異常、神経系の異常、循環器系の異常などいろいろな異常があると思うのですが、 いちばん異常が出やすいだろう変動ポイントについて、どこに異常が起こりやすいのか、 お考えがあったらお話ください。 ◆ヤブロコフ博士 岩波から出された今回の日本語の本には、具体的なカエルの異常が説明されています し、ロシアも含めて各国の研究者のモノグラフ(研究論文)が出版されています。 チェルノブイリの種の異常ということですが、一番目についたのは、アシメトリー(不 釣り合い)です。色に関しても構造に関しても非対称というものが著しいし、また染色 体の異常というものもありました。こういったことに関するテーマはこの講演会として は専門的なので、講演後にでも喜んでお話したいと思いますので、この場ではこのくら いに致します。 ◇盛岡市の男性 福島、チェルノブイリの教訓として「我々はどのように行動すべきか」という問題に ついて、科学者の責任について考えさせられました。科学が人間を滅ぼすのか、科学が 人間に幸せを及ぼすのか。科学者や一般市民として今何を行うべきなのかお聞きしたい。 《必要な情報を確実に集めてゆくことが大切》 ◆ヤブロコフ博士 まず、科学、サイエンスでありますが、それが可能とするものはとても大きなものが あると思います。そのサイエンスが何かを成し遂げるには相当のお金が必要です。必要 なお金はいつでも誰かが出してくれるわけではありません。 ロシアのことわざですが「溺れる者を助けるのは溺れる者自らのみである」というの があります。例えば、体内にどれだけ放射性核種が取り込まれているのかということで すが、それを判定する方法がいくつかあります。例えば「歯のエナメル質」ですがその サンプルを検査してもらうだけで、どれだけの放射性核種が体を通過したかがわかりま す。 また、染色体に関しましても安定した染色体というものをこれも検査することによっ て、その人がどれだけの放射線の影響を受けてきたのかがわかります。そしてまた「髪 の毛、つめ」などを検査してもらうことによって、どれだけあなたに放射性核種が含ま れているのかがわかります。こうした検査によって自分の体内の放射性核種の状況を明 らかにすることによって、ではそれを恐れる必要があるのか、恐れる必要がないのかと いうことがわかります。 そして放射性核種の体内の含有量が憂慮すべきレベルにあることがわかった場合、で は何に由来してこのような放射性核種が体内に蓄積されているのかを探る必要があり ます。例えばきのこです。きのこは種類によっては放射性物質を集約する力が他の種類 よりも何十倍も高いという場合があります。そういった種類のきのこを食べるのをやめ て、他の種類のきのこに切り替えると良いわけです。 また放射性核種が体内にあるということが、特に子供であればそれを体外に排出する という方法をとる必要があります。体から排出するということには、いろいろな手段が ありまして、例えば一ヶ月そういった方法を取れば、30%排出出来るという技術もあ るわけです。また放射線による汚染の地域においてもどうすればより安全な形での農業 を営みうるのか、林業を続けることが出来るのか、また漁業を行うことが出来るのか、 いわば手引書、教科書というようなものが数十、書かれ出版されています。そういった ものを入手して勉強する必要があります。もちろんそういったことを行いますとそうい ったことをしない生活よりもより高く生活費がかかるわけです。そのためには政治家た ちに国民がこういった安全な生活のために必要なお金を支給するべきだという要求を するべきです。また放射線による汚染がより弱い地域においてもより弱いという形で放 射線が存在し続けているのですから、一度強い被曝を受けるよりもむしろ悪い影響があ る場合も大いにあります。 我が国に関してはチェルノブイリという大変恐ろしい惨事があったわけですし、皆様 には福島という大惨事が降りかかりました。ですからその事態の中で、落ち着き払って 漫然と暮らしてゆくということは正しいことではありません。必要な情報を確実に集め てゆくことが大切です。 ◇男性 ひとつだけお聞きします。いまウクライナとかベラルーシの人口は減少し続けている と思いますがそこを確認したい。 ◆ヤコブロフ博士 はい確かに人口は減少しております。 人口動態ということに関しましては、つねに複数の予測があるのですが、昨年の12 月に国連が発表した将来の人口動態ということでは、現在ロシアは1億4000万人の 人口ですが、50年後のロシアは6000万人になっているかもしれないという予測も ありえます。 ◇女性(母親) 今日は。夏に2歳になる娘の母親です。胎児被曝について、訳本によると103~ 4ページの内容ですが、胎児被曝は時期によるでしょうが、16週から25週にかけて 全ての子供には知的発達において問題が起こると書いてあります。私の妊娠に重なるの でちょっと気になるのですが、知的発達というのは具体的にどういうことが子供に起こ りうるのかお伺いしたいです。日常的に影響ある障害なのか、あるいは、発達の遅れと いう程度なのか等を知りたい。 《適齢期には染色体検査や精子の検査を薦める》 ◆ヤブロコフ博士 まず大前提として、この場で、あなたの子供さんがこうなりますということは私には 出来ないということですが、ただお生まれになって今まで成長して来られて、見た目で いわゆる正常と違うところがない、というのであれば、それだけで幸せなことと思いま す。胎内で被曝を受けた子供のリスクで特に顕著なものは、免疫に関してと、ホルモ ンに関してということになります。 免疫に関しては常に免疫の働きを高めるということをしてゆかねばなりません。五体 に関して絶えず注意を払って、何らかの措置を図ってゆくことが大切です。ホルモンに 関しては二次性徴が出るのが早くなる場合もあるし、遅くなる場合もあります。その性 的な行動がいわゆる一般的な子とは違う形になることもあります。出てくる幅というも のは極めて広いものになります。これに関しても、常に詳しく見ていって、必要によっ てはどんどん処置を行ってゆくのがよいと思います。免疫とホルモンについて注目をし てください。そしてお嬢さんが結婚というものを考える年齢になったなら、必ず染色 体の検査を受けてほしいと思います。 ◇盛岡市の男性 福島県では、この冬期間の3ヶ月に、心筋梗塞で、事故前の同じ時期よりも120人 も余計に死んでいます。この心臓死ですが、チェルノブイリ周辺国で、心臓疾患で突然 死する事例がどのようになっているのか教えてください。もう一つは甲状腺癌ですが、 女性の方が男性よりも数倍多く罹患するというようなことがわかったとされています が、なぜそうなのか、生物学的に説明がなされうるのか、お分かりなら教えてください。 さらに、今後2年後、事故から4年後の甲状腺癌の大発生といいますか、非常に心配し ておりますが、予防方法などもお願いします。 《癌以外にも放射線障害の病気が多発する可能性がある》 ◆ヤブロコフ博士 まず甲状腺の癌についてですが、大量の罹病が始まるのは今から2年後と予想されま す。では予防に相当するものですが、これはエコーによる診断を頻繁に行う必要があり ます。つまり小さな結節が大きくなって、ガンに転化していないかを早く知るために絶 えず観察してゆく必要があります。 現時点で福島周辺地域では約40%の人々の甲状腺に結節や嚢胞があるといいます。 同様な状況がチェルノブイリ事故の後もベラルーシやウクライナ、ポーランド、チェコ スロバキアなどにありました。つまり癌ではないけれども癌の前の状態の小さな傷が 40%の人に見られていたのです。この40%の人たちがその後癌に発展しうるのは1 ~2%の人ということになります。そして先程言いましたように定期的にエコーによる 診断を受けていますと、癌に転化した場合でもごく早期の段階で癌になったということ がわかるのです。そうしますとその早期の甲状腺癌は、初期の場合は手術をする必要 が無く、例えばホルモンによる治療が可能ということもあります。 そして癌は実は、こういったチェルノブイリの、そして福島の場合の恐ろしい影響、 後遺症の10%から15%に過ぎません。つまり90~85%は何かというと、他の病 気ということになります。その中でも特に心臓系統、血管系統の病気とか、神経系統の 病気がより多く深刻になると思います。例えば皮膚の細胞は1ヶ月で入れ替わりますが、 血管などの体の中の管の細胞は、放射性物質などを吸収してしまうと、その物質を長く 抱え込んだままであり、また細胞が生まれ変わる速度が遅いからであります。 これから時間が経って起きる影響では、性の分野での障害が大きくなると思います。 女性に関しての月経の困難、あるいは更年期(メノポーズ)などがより困難になると思 います。また、男子の場合であると精子の数が減るし、また質も悪化する。ですから 男の子が結婚年齢になる時には精子の検査を必ずする必要があると思います。つまり異 常な子供というものを産むのか産まないのかということも、それで判断が出来るという ことであるし、精子の内容、質を改善する策というものもありますので、精子の検査を して必要であれば対策を取ってゆけば良いわけです。 もちろん万人に当てはめることが出来る処方箋ということはないわけですが、ただ知 識を蓄えた専門家たち、そして専門的なことが書かれた、実績に基づいて書かれた本も たくさんあります。チェルノブイリの事故の後ですが、例えば『チェルノブイリの子供 たち』、『チェルノブイリの母親たち』、『チェルノブイリの医師たち』といったような名 前がついた組織がいくつも生まれました。これらは専門家の組織であったり、また自分 は専門家ではないけれどもこういった問題に興味を持っていて内容を深く知るという 人達の団体であります。そういったところでまとめた資料によって学習したり、あるい は皆様のような関心のある人たちが自分たちでまとめて、より深く勉強してゆくことが 必要であり可能なことであります。 ◇司会者. あのちょっと聞き漏らしたのですが、甲状腺の癌の罹患率が男女によって違うのはな ぜか、お願いします。 ◆ヤブロコフ博士. 甲状腺癌に関しては、確かにチェルノブイリのあとは、女性の方が数倍の確率で男性 よりも罹病率が上がりました。それはホルモンで説明されておりまして、女性のホルモ ン系統の方が男性よりもより甲状腺癌になり易いと思われます。 ◇盛岡市の男性. 盛岡市内で内科の医師をやっています。『ウクライナ政府報告書』というのが数年前 に出されました。ウクライナ国立放射線医学研究所の35人ほどの医師たちが中心に なり、被曝後約230万人の人たちを追跡調査し、その結果を報告したものをNHKが ドキュメンタリーとして放送していました。その中で白血病とか甲状腺癌とか、それだ けでなく心臓の病気、脳血管障害、気管支喘息といった病気が非常に多く出ていると報 告していました。 ところがそれを、ヤブロコフ博士がおっしゃったように、国連としては認めないわけ ですね。白血病とか甲状腺癌以外は、放射線との関連はないのだとして、認めないので す。その理由が、その調査の対象とした人たちの放射線被曝量が4割ぐらいの人しか明 らかにされていない。あとの6割の人たちはどのくらいの放射線を受けたかは出されて いない。ということで、学問的にはそれは放射線被曝によるとは認められないというこ となんです。私は、ヤブロコフ博士が今説明されたことを、非常に納得しております。 と同時にこれから日本では同じような紛争というか闘いというか、繰り返されてゆくの だと思います。そういう意味で、一つは、いわゆる我々はこういうところに留意してゆ かねばならない、例えば、被曝地にいた人達は正確に日誌をつけてくださいとか、何処 に自分は何日間居たとか、どうしていたとか、そういうことで実際の線量は測れなかっ たとしても、いろいろやり方があるといわれますが、そういった世界的な原発を擁護す る人たちの論理を、統計学とか実際の中から批判し明らかにしてゆくためにはどういっ た方法があるのか、お聞きしたい。 それから食べ物もいろいろ気をつけるべきとしましたが、これもNHKのドキュメ ンタリーの中で、日本では有名な鎌田實さんというお医者さんが講演会をやったり、現 地のベラルーシの女医のナーシャさんという産婦人科のお医者さんを同伴しながら、被 災地を巡って、住民と話し合っているのですが、「ベラルーシでは、放射線で汚染され た食べ物に注意して食べていると、半年後にかなり放射線が減り障害も出ていない」と いうことを一生懸命話されていました。それは被曝地の人々を安心させようとして言っ ているのか、ちょっとわかりませんが、そういったことがベラルーシで起きているのだ ろうか、その辺をお聞きしたい。 《チェルノブイリ事故後の放射線被害を過小評価し続けた公的機関》 ◆ヤブロコフ博士 大変幅の広い質問ですが、全部にお答えする時間がありませんが、研究的なこと、つ まり、チェルノブイリの事故であれ、福島の事故であれ、どういうことになるのかとい うことについて、公の、当局の発表は「緊急の危険、差し迫った危険はありません」と いうのが常です。 例えば甲状腺の癌についてチェルノブイリの事故から3年後には甲状腺癌の罹病率 が高まったという明らかな数字が出ていたわけですが、しかしそれからの3年間の間、 WHOは「いやそんなことはないでしょう、十分な根拠がないではないですか」といい ました。しかし事故が起きて6年経って始めてWHOは、「確かにチェルノブイリ事故 によって罹病率がいくらか高まったといった事実があります」と述べました。現在では 既にチェルノブイリの影響として、例えば白内障がいくらか増えた、または白血病の罹 病率が高まったということを認めました。しかしそれを公の機関が認めるには事故発生 から15年もかかったのです。それ以前は毎年のようにそれを裏付ける十分なデータが ありませんとして認めておりませんでした。 そして今の時点でもIAEA(国際原子力機関)の発表と予想というものはチェル ノブイリの事故由来の死者はチェルノブイリ世代、つまり事故の発生から70年までの 期間で、「その死者としては9000人であり、病気になった(なる)人は20万人」 という予測しか出していません。 しかし私達などが出している結果や予測は、それの10倍、そして100倍という単 位の、桁の違うものなのであります。確かにこれから20年後に公の機関も「かつて の私たちの予測は間違いでした」というかもしれません。しかしそれは今から20年経 ってからです。 そして私たちがチェルノブイリの事故の教訓として何を理解したかというと、「社会 は、自分たちを放射線から守る術を持っていなかった。持っていたとしても大変弱いこ とであった」ということであります。そして国家というものは、放射線による汚染や損 害について認めることは国家にとって有利ではない、不利なのだということ、そして企 業、電力会社も含めて企業にとってもそういった放射線汚染による損害というものをき ちんと認めることは不利である、ということを私たちは認識せざるを得なかったのであ ります。 心配をする、懸念をする市民たちが取れる行動として何があるかということでありま すが、そういった心配や関心を同じくする人たちがまとまって、何か目立っていた事実 を掴んでそれを政治家につきつけて、政府がより詳しい調査をするための国のお金をき ちんと措置しなさい、とさせることだと思います。つまり、はっきりとした根拠という ものを探し出して、掴んで、それを提示しなければならないわけです。すなわち誰の目 にもこれははっきりとした証拠であるという、明らかな事実を掴んでそれを提示するべ きであります。 例えば、福島の原発の事故から1年後の幼児の死亡率が上がりました。日本全体でも 少し上がりましたし、特に福島とその周辺では幼児の死亡率が上がったという事実、こ れは統計的な数字が出ているのです。それを当局に提示し、追加的な調査をしなさいと いうことを認めさせるということが必要だと思います。また先ほどのタンポポでありま すが、それも特に汚染度の高いところでそんなタンポポが発生しているというデータを しっかりと掴んで、ローカルな政府、県や市町村に提示して、植物の心配をするよりも、 もっと必要なのは人の心配をする必要があるとして、調査を含めた、何らかの処置を行 うための資金を出すよう求めることが必要です。尚且つ可能と思います。 ◇司会者 食べ物についてベラルーシではどういう実例があるのか? ということもお願い します。 《放射線被害から身を守るには、市民の独立したモニタリング組織が必要》 ◆ヤコブロフ博士 確かにベラルーシ、ウクライナそしてチェルノブイリの汚染が目立った形で及んだロ シアの地域に関しましては、現在では、例えば牛乳を取りましても、クリーンな牛乳の 割合が相当増えたわけです。大部分の牛乳はクリーンなものになっています。ただ、公 式の測定結果と、独立した市民の測定結果と比較しますと、なぜか独立した市民の測定 結果の方が汚れたサンプルが検出される頻度が、公式のものに比べて2倍~3倍多い、 ということが今でも現象として存在しています。 つまり私が最初言ったように、政府から独立してモニタリングをする体制を確立する 必要があるのです。チェルノブイリの事故後の状況に比べますと、みなさんは例えば、 放射線の測定器をたくさん持っているわけであります。そして日本の社会というものは 技術的にとても進んだ社会なのでそういった測定というものを行うことは決して難し いことではないと思います。つまり当局に関しましては、事故後の嘘のゾーンというも のがとても大きかったわけです。チェルノブイリの事故の後に発した当局の嘘のゾーン はとても膨大でありました。福島事故以降の当局側の嘘というものも、とても範囲が大 きかったのですが、嘘の範囲を狭めるという技術的なことも含めた日本のみなさんの能 力はとても大きいものがあります。 そしてチェルノブイリの事故にせよ、福島の事故にせよ、難しい問題になっているの は汚染がスポットになっていることです。斑状になっていることです。ここは雨が降っ てあそこは雨が降らなかったということも含めて、汚染の程度が部分部分で大変違うと いうことです。強度に、重度の汚染がなされているのが、この会場ホールの面積という こともありますし、このホールの5倍の面積という場合もあります。この部屋の面積よ りも小さいという場合もあります。ホットパーティクル、微粒子というのは、強度の汚 染をしてしまうというものでありますので、その汚染のスポットを除去しないで、例え ばあなたの家の隣にあるんだという場合は、癌になってしまうこともあるのです。 そういったホットスポットを探し出すことが出来るのは政府ではありません。あなた 方一人ひとりが探し出して、みんなの力で探し出して初めて見つけることができます。 チェルノブイリの事故からは約30年経っているわけですが、例えばドイツの場合、 ハンティングをする人がたくさんいますが、イノシシとかシカなどをハンティングした ら必ず放射線測定を致します。そしてハンティングスポットが全国に90近くあるので すが、汚染されていることがわかった場合には、その場所に政府は補償を出さねばなり ません。確か200万ユーロだったと思います。またスイスでもそういった制度が存在 しています。つまり事故から30年近く経ってもそういった状況があり、いま名前を上 げた国の政府はきちんと補助金を出すことになっています。日本に関しては、魚に関し て、こうした状況がこれからどんどん出てくると思います。 ◇女性 食品の安全のことと年齢についてですが、年齢の低いほど放射能の影響を受けると聞 いていますが、じゃあ私など、今年65歳以上の人なら、汚染したものを食べて、被災 地の風評被害で苦しんでいる人がいるんですから積極的に食べようと個人的には思っ ています。それをどこで買えばいいかわからない。友人と話してもわからない。そうい う年を取っている人は食べていいんですよ、どうせ影響が出てくるのはずうっと先なん だからと。しかし誰もそういうことを言わない、これって本当なのでしょうか? ◆ヤブロコフ博士 確かに子供の体の方が放射能に数倍感受性が高いということが事実としてあります。 そして65歳を超えた人ということになりますと、これから生まれてくる自分の子供の 心配はしなくてもよろしい。そして若干汚染された食品を食べ続けるということに関し てでありますが、自分の寿命が少し縮むということは予測しなければいけません。半年 かもしれず1年かもしれません。 ◇秋田県の男性 秋田からまいりました。今日は大変勉強になりありがとうございます。私は福島に住 んでいまして、今回の放射線の事故で秋田に家族で避難しました。娘が2歳になります。 質問は、被曝線量の限度を、1ミリシーベルトが一年間の基準ということでありますが、 それは本当に信じて良いものなのかどうか、あるいは、とりあえず、というものなのか、 お聞きしたいんです。 《年間1ミリシーベルトでも子供には危険》 ◆ヤブロコフ博士 「1年あたり1ミリシーベルト」という数字でありますが、これは、こう説明した方 が良いと思います。「大人であれば、それほど危なくはない」です。しかしこれが「子 供であればそれは危険な数字である」と思います。「0.1ミリシーベルト/年」を私 自身は基準としたいと思います。そして20ミリシーベルトなどになってしまいます と、これは正気の沙汰ではないと私は思っています。 では、「1ミリシーベルト」に戻りましょう。「1ミリシーベルト」のもとでどれだけ の期間を生活してゆくのかということなのですが、1ミリシーベルトのもとで5年から 6年ということであるならば、危険ではないとは言えませんがリスクは少ないです。し かし1ミリシーベルトのもとで一生住み続けようと思うのであればそれは危険です。 ◇女性 福島県から秋田に避難しております。今後郡山で講演があるみたいなので、その時に 福島県民にヤブロコフ博士から、放射能の危険のお話をして頂きたいと思うのですが、 それに先駆けて、ヤブロコフ博士から一言、頂きたいと思うのですが、福島県民を、そ こに住んでいる人たちを、自分の息子だと娘だと孫だと思って、ひとことお願いします。 《日本全国の経済・産業を動員し、福島の被災者の支援体制を》 ◆ヤブロコフ博士 福島で生活していく、生きていくということは、可能ではありますが、とても難しい ことです。福島で生活していくうえで、安全な生活を確保するためには、追加的な資金 を投入するということが絶対に必要です。 つまり例えば農業や林業を営むということに関して追加的な資金を投入することな しには、安全に運営するということは出来ません。ですから地元の政府に対して、安全 な生活を確保するために追加的な措置、資金が必要だということを求めて実現に繋げて ゆくことが必要です。これは産業と同じだと思います。どのような産業であってもき ちんとした資金、設備その他の資金を投入すればクリーンな形で産業は運営できます。 それと同じでありまして例えば食品によっては安全なものを外から移入する、外から 入れてくることが必要かもしれません。また医者にかかる、検査を受けるということも 項目によっては毎月、項目によっては半年に一回受けてゆくということが必要になるか と思います。 それにしても福島に対しては日本全体の資金、援助が第一です。そういった資金投入 といったことなしには、安全を確保できないということを認識し、訴えてゆくことが大 切と思います。

2013年6月21日金曜日

グリーンピース「偽りの安心感」~日本政府モニタリングポスト数値に疑問. http://vogelgarten.blogspot.jp/2012/10/blog-post_23.html 福島地方に設けられたモニタリングポストが、計画的に住民に対して放射能の危険を過小化して見せていることを、グリーンピースの国際放射線専門家チームが最新の放射線測定によって確証した。また日本政府の進める除染作業は相変わらず欠陥だらけのうえ、誤った方法で行われており、満足できるものではない。 「原発事故から一年半が経過していると言うのに、未だに数多くの子供の遊び場が除染されていないとは驚いた」とグリーンピースの核物理学者及び原子力専門家であるハインツ・スミタルは言う。 「日本政府は避難区域の除染にばかり一生懸命だ。なるべく損害賠償責任を減らせる見込みの方が、子供達の健康よりもどうやら重要らしい。」 グリーンピースの放射線専門家達は先週、汚染の激しい飯舘村も含む福島市周辺地域を再調査した。その結果、四十の政府モニタリングポストのうち75%が、ポスト周辺で計測された数値に比べて明確に低い線量を表示していることを確認した。モニタリングポスト25メートル周囲の線量は、ポスト自身の数値に比べて最高で6倍も高かった。 「モニタリングポストは、既に行政によって除染の行われた場所に設置されています。しかし数歩離れただけで線量が非常に上がることを私達の測定は示しています。 」とハインツ・スミタルは語る。「こうしたモニタリングポストが人々に誤った安心感を与えていることを私達は危惧しています。」 平常を装うための線量が売り込まれている・・・しかし危険は実在する 測定チームはまた、放射能ホットスポット(放射能汚染された場所)も多数発見した。例えば丈の低い果樹の潅木や子供の遊び場だ。飯館村では、住宅街で最高毎時5マイクロシーベルト の線量を測定した。比較すると、事故前の線量は毎時0.04マイクロシーベルトだった。100倍の数値と言うことだ。また2012年9月に再開が許可されたある工場では、最高毎時13マイクロシーベルトのホットスポットが確認された。またその近くでは毎時9マイクロシーベルトが計測された。 放射線研究所内ならば、このような線量に対しては即刻対応措置が取られる。こんな線量の汚染場所には18歳以上の人間にしか立ち入りしか許可されない。子供や妊婦にとっては健康被害の危険が高い。 しかし飯舘村では、子供達は除染の行われていない遊び場で遊んでいるのだ。 一般市民の健康を守るための財源が必要 「福島市に比べて飯舘村では除染作業員の姿をたくさん見かけました。しかしこの地方は傾斜や森林が多い地勢のため、除染努力は無駄骨になりかねません。除染するのが困難な上に、新たな汚染の可能性が高いからです。」と語るのはグリーンピース・ジャパンの原子力専門家鈴木かずえだ。 グリーンピースは日本政府に対して、国民の健康を守るための資金源を即刻増やすことを要求する。また除染作業は、避難の行われた汚染の激しい地域ではないく、福島市のような人口密度の高い地域に集中させるべきである。福島市の除染作業が十分でないことは確証された。
バンダジェフスキー博士訪日を語る. フランスの大きな反原発組織 Sortir du nucléaire (脱原発)2012年夏号に掲載されたインタビューです。 http://vogelgarten.blogspot.jp/2012/10/blog-post_16.html (日本人は今回の事故に対してどのように反応しましたか?) 日本人が政府の沈黙に対して行動を起こさなければいけないと理解したのは明らかです。何千もの日本人が自分達の未来、そして特に自分の子供たちの未来を心配しています。彼らはもっと情報を欲しがっており、信頼出来る情報を得るには政府は常に当てになるわけではないこともわかっています。例えば東京の住民達は力を合わせて、かなり精度の高いガイガーカウンターを入手することに成功しました。この機械は非常に高い線量を記録し、彼らは大変気を揉んでいます。その結果、多くの人々が東京を去り、家はずっと簡素でも、汚染の比較的少ない地方に移り住みました。滞在中、私は一年間放棄したままの家を見に戻ってきた家族にいくつも会いました。胸の張り裂けるような光景でした。 日本人達は反対運動を起こしたのでしょうか? はい。私は滞在中に信じられない数の反対者を見ました。チェルノブイリ事故後のベラルーシ、ウクライナ、あるいはロシアでの汚染地帯の住民よりもずっと大きな運動を起こしています。日本人はとてもやさしく教養のある民族ですが、原発事故に対して怒っています。その上日本人は連帯感が強く、前進するためには力を合わせるしかないことをわかっています。これは非常に大切なことです。このような運動が、健康を守るために効果的なプログラムを実現させることを可能にしてくれると願っています。 (何故政府は沈黙したままなのでしょう?) これは真のパラドックスです。日本は何千年と続いてきた文化を持ち、幾つかの分野においてはヨーロッパよりも進んでいます。強い経済力や在外邦人共同体の発達は、福島事故に対応するにあたって様々なことを可能にし得ると思うのです。例えば汚染していない食物の提供など。ところが原発事故に関する国民の情報は十分ではないことを私達は見てきました。チェルノブイリ事故の時と同じです。当時ソ連政府の中には強力な原発ロビーの存在があり、情報は封印されてしまいました。当時のソ連のような独裁体制下と、現在の日本のような現代民主主義体制下と、情報隠蔽のプロセスは酷似しています。 (低線量の被曝は問題なのでしょうか?) 私達の研究では、低線量の放射能、非常に低線量の放射能でさえが、人体組織に取り込まれると、健康にとって大変大きなリスクを持つ要素であることを確認しています。それに対してウクライナ、ロシア、そしてベラルーシ政府は、閾値(しきいち)があると主張し、閾値以下ではまったく危険がないとしています。私達の研究はそれとは逆の結果を示しています。特に深刻なのはセシウム137です。脳も含めたすべての組織に侵入するからです。放射性セシウムは細胞エネルギーのバランスをかく乱します。そして人体組織のバランスが崩れるのです。 (つまり汚染地域に住む人々の健康は脅かされていると言うことですね?) 残念ながらそう言うことです。子供達は心臓や血管の問題を起こしています。汚染地域に住む人々が放射性物質に汚染された食品を消費しているのならば(それは毎日起こっていることですが)、特に子供たちは絶対に医療検診を受け続けなければなりません。これは医者達にはよく知られている基本の病理プロセスです。このグラフを見れば何故子供たちが病気なのかわかるでしょう。 先ほど心臓と血管の問題の重要性を強調されましたが そうなのです。放射能汚染にさらされると、子供の心臓・血管体系が障害を受けるリスクが高まり、成人してからの心臓病のベースとなります。このことは Yves Michel 社から出版した私の本にも説明したとおりです。またチェルノブイリの汚染地帯ではその他の癌性や非癌性の数々の病理が非常に広がっていることもわかっています。日本の汚染地帯に住む人々も放射能にさらされています。 (現在されている仕事の内容を教えていただけますか?) 汚染地帯に住む人々の健康問題を総合的に把握しようとしているところです。実際、人々の健康に関する決定的要素が慢性被曝である一方、その他の化学的、生物学的な要素もこの地域の人々健康を冒していると考えられます。放射性物質と化学的・生物的汚染物質との間の相互作用がもたらす結果については研究が不足しています。汚染地帯に住む人々の間に蔓延している免疫機能・内分泌機能の障害を引き起こしているものが何なのかをもっとよく理解したいと思っているのです。例えば、牛の飼育には、屠殺するまで牛の健康を維持するために抗生物質が多く使用されます。抗生物質を多量に吸収した牛肉を消費すると、その抗生物質は人体組織の中で、慢性被曝のために変容してしまった肝臓や免疫体系が原因で、さらに複雑な影響をもたらす可能性があります。科学と医学はこう言った疑問に関心を寄せ、もっと深い研究を進めていかなければなりません。 (状況を進展させるために具体的に私達は何ができますか?) まずは客観的な情報へのアクセスが必要です。そしてその情報を得るには、様々な異なる汚染地域での住民の被曝量、食物の汚染量を測定し、伝達するための道具が必要です。このようなインフラ設備を設置するための知識は既に存在し、日本の人々にはそれを実現させる力があります。次には、そうした放射性物質の源を遮蔽するためにあらゆる手段を尽くさなければなりません。例えば肉や牛乳、チーズ、レタスなどの汚染食品は決して食べてはいけませんし、破棄しなければいけません。日本人の大きな利点は、非常に強力な社会組織のネットワーク力です。これは汚染地域に”清潔な食品”の供給を実施することを可能に出来るでしょう。汚染地域産の食品が論外であることは言うまでもありません。 (日本に対して楽観的ですか?) 状況は悲劇的ですが、日本人は社会的に非常によく組織されています。みなでよく考え、人の話によく耳を傾け、習得が速いです。特にセミナーでは医師達の聴講レベルや彼らが私にする質問のレベルの高さに驚きました。

2013年6月11日火曜日

【子どもの甲状腺癌】アレクセイ・V・ヤブロコフ博士のメッセージ ・ Eメール、ありがとうございます。甲状腺癌の増加――これは、チェルノブイリの経験からして不可避のなりゆきです。チェルノブイリでも、やはり3年以内にそのような増加がはじまり、5年目にはWHO(世界保健機関)・IAEA(国際原子力機関)さえも認めなければなりませんでした。これからの歳月――わたしは確信しておりますが――わたしたちは(福島県にとどまらず)日本でそのような増加を目に見える形で目撃することになるでしょう。 当局側の見解を予期するのは簡単――甲状腺癌は治癒可能である、というはず。わたしの見解をいうなら、確かに治癒可能――だが、人びとは一生を高価な薬品に縁切りがたく頼ることになる。 また、わたしたちは甲状腺癌の進行に留意しなければなりません――最も重要な点として、甲状腺癌がいくつか他の癌を進行させます。いつ、どこで、どのような頻度でそれが起こるか――これは、放射性降下物、食物連鎖、各個人の放射線感受性、人口密度など、などに依存します。 この見解をあなたがたのサイトに投稿してください。 http://fukusima-sokai.blogspot.de/2013/06/v.html 【子どもの甲状腺癌】アレクセイ・V・ヤブロコフ博士のメッセージ(第2信)#甲状腺乳頭癌. 博士によれば、「チェルノブイリ後の甲状腺癌のほとんどの症例は乳頭癌でした」が、はたして福島県が公表した甲状腺検査データは確認症例のすべてが甲状腺乳頭癌であることを明示しています. あなたのブログにわたしの投稿を掲載してくださり、大変ありがとう。 補足したいことがあります。 甲状腺癌には、いくつかの型があります。主な型は、甲状腺の濾胞癌と乳頭癌です。特筆すべきことに、チェルノブイリ後の甲状腺癌のほとんどの症例は乳頭癌でした。日本の子どもたちの甲状腺疾患の症例も甲状腺乳頭癌であれば――それが福島の放射性降下物の結果であるとみなす、もうひとつの理由になるでしょう。 よろしくお願いします。 (アレクセイ.) http://fukusima-sokai.blogspot.de/2013/06/v2.html

2013年6月10日月曜日

ドイツク゛リ-ンヒ゜-ス.IPPNWドイツ支部医師の報告:福島原発事故後にもっと癌患者が増える. http://www.greenpeace-magazin.de/aktuell/2013/03/08/aerzte-mehr-krebskranke-nach-fukushima/ IPPNW医師団体の核専門家,医師は,福島原発事故によるWHOのテ゛ータ-を批判し憂慮すべき事実を明らかにしている。 核戦争防止国際医師団体(IPPNW)ドイツ支部の研究 で"福島の健康への影響は"憂慮すべき調査結果を明らかにした. 福島原発事故の9ヶ月後には,乳児の死亡率が大幅に増加している.2011年12月には,合計4362人の流産が登録されている. これは,日本全国に放射線が拡散している事実を示している. 特に恐ろしいのは子供の甲状腺嚢胞の報告である。福島県だけでも、前癌になる可能性があるのは,55000人以上であると報告された。 IPPNWは、放射線被ばくが原因で,80,000人が癌になると予想している。汚染された食品が原因で37,000人が他の病気になると報告している。 世界保健機関による報告は,日本において,癌がわずかに発生するという報告をしている,IPPNWの推定と、対照的である. IPPNWドイツ支部のメンバー.アレックスローゼン博士はWHOの福島原発事故による 健康影響について,"違った報告"と過小評価をしているとWHOを批判している。(例えば,WHOはホット.スホ゜ットの地域を測定していないので,正確な報告ではない.) グリーンピースの調査によると、被災者達には,これまでのところ,完全に補償されていない。福島原発事故の結果、16万人以上の人々が家を失い、汚染された地域から避難したのである。しかし、福島原発事故の責任者達は,一切の責任を拒否し続けている。 福島原発事故2周年に日本の市民と連帯し、ドイツの市民が土曜日から月曜日まで、原子力発電に抗議し,多数のデモや集会を行ないました。大きな抗議がGrundremmingen、やNeckarwestheimや24の街で行なわれ、原子力発電所Grohnde周囲を取り囲み大きな抗議行動をしました. (EMI.KIYOMIZU訳)
ドイツク゛リ-ンヒ゜-ス.IPPNWドイツ支部医師の報告:福島原発事故後にもっと癌患者が増える. http://www.greenpeace-magazin.de/aktuell/2013/03/08/aerzte-mehr-krebskranke-nach-fukushima/ IPPNW医師団体の核専門家,医師は,福島原発事故によるWHOのテ゛ータ-を批判し憂慮すべき事実を明らかにしている。 核戦争防止国際医師団体(IPPNW)ドイツ支部の研究 で"福島の健康への影響は"憂慮すべき調査結果を明らかにした. 原子力災害の9ヶ月後には,乳児の死亡率が大幅に増加している.2011年12月には,合計4362人の流産が登録されている. これは,日本全国に放射線が拡散している事実を示している. 特に恐ろしいのは子供の甲状腺嚢胞の報告である。福島県だけでも、前癌になる可能性があるのは,55000人以上であると報告された。 IPPNWは、放射線被ばくが原因で,80,000人が癌になると予想している。汚染された食品が原因で37,000人が他の病気になると報告している。 世界保健機関による報告は,日本において,癌がわずかに発生するという報告をしている,IPPNWの推定と、対照的である. IPPNWドイツ支部のメンバー.アレックスローゼン博士はWHOの福島原発事故による 健康影響について,"違った報告"と過小評価をしているとWHOを批判している。 (例えば,WHOはホット.スホ゜ットの地域を測定していないので,正確な報告ではない.) グリーンピースの調査によると、被災者達には,これまでのところ,完全に補償されていない。福島原発事故の結果、16万人以上の人々が家を失い、汚染された地域から避難したのである。 しかし、福島原発事故の責任者達は,一切の責任を拒否し続けている。 福島原発事故2周年に日本の市民と連帯し、ドイツの市民が土曜日から月曜日まで、原子力発電に抗議し,多数のデモや集会を行ないました。大きな抗議がGrundremmingen、やNeckarwestheimや24の街で行なわれ、原子力発電所Grohnde周囲を取り囲み大きな抗議行動をしました. (EMI.KIYOMIZU訳)

2013年6月7日金曜日

ドイツ新聞.日本は原子力に依存.日本は福島原発事故後,原発エネルギ-から離れていたが,阿倍首相の経済政策により再び原発が継続され推進される. http://www.zeit.de/wirtschaft/2013-06/japan-wirtschaftspolitik-atomenergie 朝日新聞の調査によると、日本国民の18%は原発を保持を望み, 約60%の国民が2040年迄には完全に原発エネルギーを廃止したいと望んでいる. 前総理野田佳彦は、長期的に,原子力発電を段階的に廃止すると,2012年9月に発表した。 3ヵ月後、安倍首相の新政府になり原子力推進政策に戻った.何故,このようになったのか? 一つの理由は、安倍首相と自民党は経済界と密接な関係があり,近い関係にある。しかし、それが全てではない. 安倍晋三は,新経済政策がうまく動く為に,日本の経済の為に,安価なエネルギーが必要であると安倍は,説明している. 決定的な理由は、安価なエネルギーを提供して,日本企業と消費者を守る為であると説明している. カリフォルニア大学の経済学教授Ulrike Schaede氏は, "エネルギーコストが上昇すれば、日本企業は損害を受け、海外に移転しなければならない状態になると発言している. 現在、原発50基の内,2基だけ稼動している.福島原発事故前は,原発エネルギーの需要は11%であったが,現在の需要は,わずか2%である. 更に,政策として,日本はいくつかの選択肢を持っている。日本は大きな天然資源があり,又,資源豊富な隣国と特に友好な関係を持っている. ロシアから北へガスパイプラインの建設ができ,パイプラインの建設は、わずか数年後に実現でき,日本において,再生可能エネルギーの拡大ができる. しかし,日本は交渉が困難な状態にある、なぜならば,日本とロシアとの間に島の紛争問題がある。 又,もう1つの問題は,日本はイランから,ホルムズ海峡経由で石油の85%を輸入している。 2011年と2013年の間にエネルギー輸入(半分の内)のコストは,1,4 兆円から 2,2兆円まで上昇しており, 日本は,高いエネルギー輸入をしている.石油価格が,競合の引き締めによって上昇した場合、日本経済は悪影響を受ける. 東京大学政治学教授,国際エネルギー機関(IEA)の前幹部田中信夫氏は."今、日本は原子力発電に依存するしかない、他の政策を持っていない"と述べている. 飯舘の菅野則夫市長は "我々は、原発事故から学ばなければならない,そして生きる為にエネルギ-を節約しなければならないと述べている.しかし,安倍晋三の政策は、国民を理解せず,原発推進という違う方向に動いている.

2013年6月6日木曜日

ドイツ新聞FAZ.日本の 安倍首相は第三の矢を開始した.アベノミクスの拡張を開始した.エネルギーコストを削減するために原子力に多くの研究補助金を投資する.しかし,日本の株式市場はかなり酷い状態である.日本の安倍晋三首相は、日本を,世界第3位の経済大国に復活したいと考えており、水曜日にさらなる行動を呼びかけた。彼は、日本の原子力の研究開発に投資したならば、企業の税金を軽減できると発表した.そして,規制当局によって安全性が認められたら,日本の原発を再稼動させようとしている.日本では,現在50基の原子炉のうち、2基が稼動中である。エネルギー供給において,原子力発電の割合を増やすことによって、安倍首相は,企業の電気代と,各家庭の電気代の上昇を削減したいと考えている.安倍は計画した成長戦略の重要点を発表した.国際競争力のために、女性の専門家を増加させ、農業改革を行いたいと考えている.日本の株式市場は、成長戦略計画の中に,まだ含まれていないが.来週の閣僚会議で討論されることになる.日経は13,000ポイント低下しており.重要な大問題点である. http://www.faz.net/aktuell/finanzen/fruehaufsteher/konnichiwa-aus-tokio-carsten-germis-abe-startet-seinen-dritten-pfeil-12209678.html

2013年6月5日水曜日

バンダジェフスキー博士から、福島でこどもの甲状腺がん大幅増加について、ベラルーシ・ゴメリとの比較。 http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/45fa28d0eebc0ee7d9bbd3deb359861b 本日早朝に、ユーリー・バンダジェフスキー博士に、福島での甲状腺がんについて下記の情報をお伝えしました。  「甲状腺がんが12人確定していて、疑いが15人ということです。17万人の検査で、二年経過した、現段階で、すでに疑い例も含めると、申し訳ないですけれども、1万人で1.6人程度、甲状腺がんと言うことになります。通常、甲状腺がんは、子どもは100万人で1人あるのかどうかという罹患率です。これと比べると、今回、発見された数は、そのおよそ160倍にもなっています。」  そうすると彼が、医科大学の学長をつとめたベラルーシのゴメリ地域について、日本の皆さんに簡単な事実を伝えていただきました。  「1991年(事故5年後)に、チェルノブイリ原子力発電所で事故によって最も影響を受けたゴメリ地域では、子どもの中の甲状腺癌の頻度は10万人の子どもあたり11.3人でした。この中にふくまれますが、少女は、10万人あたり16.8人となります.」  チェルノブイリで、最も汚染が酷くても、居住者が存在した地域で、5年後に影響が出た割合が、1万人あたりだと1.1人。女の子で1万人あたり1.7人ということです。しかも、がんというのは、通常のがん疾患の場合、数年から数十年の潜伏期間があるとされますから、甲状腺がんと雖も、やはり時間経過とともに罹患率は増えますし、疾患者数は増えると、考えるのが適切です。この県民調査でも、そうした傾向はあると思います。そう考えれば、事故後2年の時点での、福島の18歳以下のこどもで発見される率と、5年後のゴメリ地域の女の子(女の子の方が甲状腺疾患は発症しやすい)での頻度が、ほぼ同程度になっているということです。ふつうに考えると、福島県の状態は、ゴメリ州以上の、緊迫した状態になることも、示唆されています。  バンダジェフスキー博士は、去年の来日の際にも、こうした危機をずっと警告されていましたが、その警告を裏付けるような結果がおきていることに、彼も衝撃をうけているということです。分っていたこととはいえ、そうしたことがはっきりとおきてくることを示されると、事態の本質は何なのかと言うことです。  これを政府や福島県、さらに医師達の大半が、無理な言説で誤魔化そうしていることを、許してはなりません。メディアがどう伝えたかも含めて、こちら側は常にチェックしないと、生き残れないですから。 (木下黄太 ‏@KinositaKouta ) 深川市立病院の松崎道幸医師に早朝電話取材。「チェルノブイリは、こどもの甲状腺がんは、4年から5年後で、1万人で1人みつかった。今回は、2年後で1万人で1.6人見つかったことになる(疑い例含めて)。チェルノブイリと同じか、それ以上の頻度で健康被害がおきていることを裏付ける結果に。」