2013年1月5日土曜日

2013年、どうなる「省みない政治と原発の行方」小出裕章先生. 『また騙された日本国民』『安倍首相が原発新設に意欲を示したことについて』『東電の刑事責任について』『活断層について』 http://bww.jp/r/2013/01/01/2013%E5%B9%B4%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%8C%E7%9C%81%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%84%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%A8%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AE%E8%A1%8C%E6%96%B9%E3%80%8D/ 国民の間で脱原発の声が圧倒的に多い中、原発を意図的に選挙の争点からはずし、政権を奪還した今になって、原発再稼働どころか新設にも意欲を示す自民党のやり方は、騙し討ちそのものだ。まず過去半世紀の原発推進の結果、福島事故を引き起こした責任を取れ! 毎日放送「報道するラジオ」年末スペシャル2012(2012年12月31日) パーソナリティ:水野晶子(毎日放送)近藤勝重(毎日新聞専門編集委員) ゲスト:小出裕章(京都大学原子炉実験所) (毎日放送ラジオ「報道するラジオ」) 【内容要旨】 『安倍首相が原発新設に意欲を示したことについて』 水野: 年末に福島で安倍首相が「新たにつくっていく原発は40年前の古いもの、事故を起こした福島第一原発のものとは全然違う」と発言したが・・・ 小出: 1.日本で原発を進めてきたのは、自民党だ。日本国内に50何基もの原子力発電所を建てたのは、全て自民党。 事故を起こした福島原発も、自民党が安全だと許可を出したものだ。先ずその責任を安倍首相自身が言わなければいけない。 2.これから新しい原発をつくるというなら、それがどこがどう違っているかも安倍首相自身が言わなければならない。 特に日本の場合には「改良型」という事が、たとえば原子炉の大型化であったり、経済性の追求であったりするわけで、改良というのはむしろ私から見ると改悪になってしまっている。 いかなる原発も原子炉を使う限りは放射能をつくってしまうし、機械である以上は壊れるという事は時にはあると覚悟をしなければいけない。そういう意味で言えば旧態依然としたことを、また自民党がやろうとしているという事だ。 近藤: 脱原発に最も消極的だった自民党は、「原発に依存しなくてもいい社会を目指す」という予防線を張ったりして、選挙の時に原発の争点はずしを意図的にやったうえで国民に投票させて、今になって、原発新設に意欲を示すような発言をする。それはフェアーではない。 『東電の刑事責任について』 水野: 福島原発の事故をめぐって検察当局が「東電が津波の危険性を予測しながら、津波に対する安全対策を怠ったのではないか」という疑いで東電の幹部から事情を任意で聞いているが・・・ 小出: 津波に対しての対策を怠っていただけではなくて、原発が機械であって、さまざまな要因でその機械が壊れるという事についても、十分な対策を取らないまま来てしまった。「地震で原発の一部が壊れたかもしれない」という事は、国会事故調査委員会も指摘している。 また、町工場が事故を起こせば、すぐに警察が踏み込んで、何がしかの法的な手続きを取るが、福島原発事故の場合には、何十万人もの人が家を奪われ、何百万人もの人が、放射線管理区域で生活を強いられてしまっているという事実があるのに、「東京電力の会長・社長以下誰も責任を問われていない」。この国はいったいどういう国なのか?と、私は思う。 近藤: 刑事責任のレベルで言うと、津波の高さをどの程度彼らが想定していたかというのが大きなポイントになるだろう。 (編集人より) この「津波」問題については安倍首相が前回政権を担当していた当時、国会で福島原発の危険性を指摘された時に何も対策をしなかったという事実がある。従って捜査当局は安倍晋三首相にも事情聴取する必要があるだろう。 『活断層について』 近藤: 東通原発の調査では、学者全員全員が活断層の危険を指摘しているが、東北電力はそれを「膨潤」(地下水を吸っている)だということで安全だとまかり通してきたわけだが、誰の政権の時だったのか?と考えればこれも自民党だった。 『また騙された日本国民』 水野: 多くの方達が脱原発を望んだのに、選挙で大勝した政権のリーダーは、「新しく作っていく」ということに意欲を示しているが・・・ 小出: まぁ、また騙されたのですね。原子力の歴史は「戦争の時とそっくり」だ。 ・・・また、自民党は参議院選挙までは、あまり明確に進めると言わない作戦に出ると思う。 そしてまた国民が騙されて、自民党を支持してしまうような事になれば、「もうそれで終わり」という事になる。 (編集人より) 小出氏の話を聞いていて、斉藤和義さんの替歌「ずっとウソだった」をきっかけに池田香代子さんが自身のブログに書いた記事を思い出した。それは、記事後半で触れられている伊丹万作の「戦争責任者の問題」で、伊丹が「(戦争で国民が国に)だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。『だまされていた』といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」と騙される人間の脆弱性を鋭く指摘していたことだ。「日本が戦争に負けるはずがない」は戦後、「日本の原発が事故を起こすはずがない」になり、そして今度は安倍首相が「新しい改良型の原発が事故を起こすはずがない」と詭弁を弄する。国民もそうとう舐められたものだ。

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