2013年1月28日月曜日

チェルノブイリ原発事故の死者、全世界で82万人強 WHOは事実を隠ぺい、ロシア科学アカデミーのヤブロコフ氏が告発(FOE) http://financegreenwatch.org/jp/?p=25895 1月 28th, 2013 | ◆◆◆ FOEimg_130128_2[セミナー報告]2012年12月に郡山で開いた郡山にて、IAEA(国際原子力機関)・日本政府共催による「原子力安全に関する福島閣僚会合」が開催されたことに合わせて、市民の手による「脱原発世界会議2 チェルノブイリから学ぶ」を開いた報告の一部。FOEが紹介する内容のうち、ロシアの科学アカデミーのアレクセイ・ヤブロコフ氏の「チェルノブイリの真実」の報告を抜粋します。 アレクセイ・ヤブロコフ氏からは、著書の膨大なデータのほんの一部をご紹介いただき、日本の市民社会に向けたメッセージを発せられました。 IAEAやWHOの専門家が、個人の被ばく量と疾患の間の「有意な相関関係」を求めることについて、実際には個人被ばく量は不確かな計算に基づいているため、科学的な正当性を欠いていると断じ、代わりに、同一の地理的、社会的、経済的背景をもち、かつ放射能汚染レベルが異なる住民の罹患率/死亡率や、同一集団の健康状態が大災害後の特定の期間でどうだったか、といった方法を紹介。 チェルノブイリ原発事故の放射線による疾患として、ガンや白血病のみならず、血液・循環器系、内分泌系、免疫系、呼吸器系、泌尿生殖路と生殖障害、骨格系、中枢神経系、眼球、消化管、先天奇形・異常などのあらゆる疾患が見られることや、早期老化、多発性の体細胞および遺伝変異、多疾患などの健康被害についても紹介しました。一方で、心理的要因(放射線恐怖症)については、チェルノブイリ事故後、放射能への人びとの不安は減少しているのに、罹患率は増加を続けていることから、放射線による影響と見られるとしました。 また、遠く離れたフィンランド、スイス、スウェーデンにおいても事故後5年程度の間に乳幼児死亡率が上がっているデータも示されました。死亡者数については、2005年のWHOとIAEAによる9000人という発表に対して、1987年~2004年までのチェルノブイリ事故による死亡者数は少なく見積もっても全世界で82万4000人(ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの汚染地域で23万7000人、その他のヨーロッパ、アジア、アフリカで41万7000人、北アメリカで17万人)としました。 WHOはIAEAと協定を結び、原子力産業にとって都合の悪い情報を隠ぺいしてきたこと、私たちは、原子力産業から独立の立場から、食物や個人の被ばくレベルをモニタリングし、得られたデータを公開していくことが重要であると締めくくりました。 (中略) 続いて、吉田由布子さんより、チェルノブイリ事故後の子どもたちの健康状態やその対策についてお話頂きました。ウクライナ、ロシア、ベラルーシでのさまざまなデータから、チェルノブイリ事故後、子どもたちの健康被害が世代を経て現在に至るまで継続している実態が報告されました。 IAEAは事故から20周年の報告書で「急性放射線障害3ヶ月以内に28人死亡、その後20年間に15人死亡」、「小児甲状腺がん4000人以上」、「白血病を含めその他の疾患の増加は確認されていない」、「チェルノブイリ事故により増加するガン死亡者数の推定は約4000人」などとし、事故による健康影響を過小評価していると指摘。一方、2011年3カ国がそれぞれ出したナショナルレポートでは甲状腺がん以外のさまざまな病気を報告。とりわけウクライナのレポートは幅広い健康影響を報告し、被ばくした子どもたちの全般的傾向として、発症の若年齢化、多系統・複数器官の病変、経過が長引き再発、小児期全体を通して低い健康レベルが継続などとしていることを紹介しました。 また、女性の健康への影響や、胎盤を通じて母体から胎児の臓器にセシウムが移行すること、また思春期での被ばくによる生殖健康への影響などを報告。ウクライナで被ばくした子どものうち健康な子どもの比率は1992年の24.1%から2008年には5.8%に減少、慢性疾患を持つ子どもの数が1992年に21.1%から2008年には78.2%に増加しているという衝撃的なデータも紹介されました。 一方で、3カ国で事故後、内部被ばくの包括的なモニタリングシステムや、複合的な健康増進プログラムや治療が行われてきていることも紹介され、日本でもとりわけ内部被ばくの測定システムの構築と、その動向にあわせた対応の必要性を訴えました。 ヤブロコフさんから日本の皆さんへのメッセージとして、「真実のために戦って。原子力産業や政府は情報を隠ぺいするもの。健康に関する包括的な独立パブリックモニタリングが必要」と述べました。 http://www.foejapan.org/energy/news/130128.html

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