2013年1月13日日曜日

1月12日 ラジオ・フォーラム初回特別版「原発事情の今・小出裕章」(「みんな楽しくHappy♡がいい♪」様:文字起こしから転載) http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/13/radioforum1-2013jan12/ 【自己紹介・番組紹介】 ◆石丸: 先ずわたくし石丸次郎は、アジアプレスというジャーナリストグループの大阪事務所の代表をしております。 普段は朝鮮半島問題、中国問題を主に取材しております。 ◆今西: えー、わたし今西憲之は、普段はですね、大阪を中心に日本全国世界を飛び歩きながら、主に週刊誌の記事を書くという商売をしております。 ◆西谷: 西谷文和です。 私はイラク、アフガニスタン、最近はシリアですかね、そういう中東やアフリカの現状を取材しておりまして、この番組ではそういう世界のネタなんかもご紹介したいなと思っております。 ◆石丸: このラジオフォーラム、私たち3人が今日からパーソナリティーを務めますけれども、もともとは大阪の毎日放送MBSラジオのたね蒔きジャーナルに出演させていただいていた縁であります。 この毎日放送のたね蒔きジャーナルは本当に良い報道番組でした。 「小さな出来事、ニュースの種を見逃しません、伝えます」をキャッチフレーズに2009年から始まった番組でした。 記者が現場にちゃんと行って取材し、沖縄の米軍基地問題、部落差別問題、そして中国北朝鮮の問題など、政治、社会、国際問題について藻、専門家や当事者をゲストに呼んだり、あるいは電話を通じて積極的に報じてきました。 2011年3月11日に東日本で大震災が、大地震が発生し、福島第一原子力発電所で大事故が起こってからは、小出裕章京都大学原子炉実験所助教を連日のようにゲストにお招きして、あるいは電話を繋いで、福島で起こっている事の現実を毎日のように伝えてきました。 政府や東京電力が情報を開示しなかったり、あるいは大手マスメディアも事態をちゃんと伝えない状況が長く続きましたけれども、このたね蒔きジャーナルは原発報道をしっかりやって、リスナーにインターネットで放送がアップされ、関西圏だけではなく全国から注目される番組になりました。 ところがこのたねまきジャーナルは昨年の夏に打ち切りになるという動きが表面化しました。 「何とかこのたねまきジャーナルを残して欲しい」という市民、リスナーの声が大きくなって、存続運動が始まりました。 存続を毎日放送に訴える声は1万を超えました。 「市民がスポーンサーになって寄付を募ろう」と、そして番組を続けてもらおうと、集まったお金は1000万を超えました。 けれども残念ながら毎日放送は昨年の9月末を持って番組を打ち切ってしまいます。 最後の放送の日、300人の人がラジオを持って毎日放送の前に集まりました。 このすぐれたラジオの報道番組、「たねまきジャーナルの火を消さない」精神を継承していこう。 そのような声が高まって、市民のみなさんから集まったカンパを基金にして始まることになったのが、ラジオフォーラムです。 この番組は日本全国21局のコミュニティーFM放送局、それからインターネット放送を通じ、みなさんにお送りします。 そして、カナダバンクーバーの日本語放送局でも放送が始まりました。 ◆今西: ほんまにありがたい事ですよね。沢山のコミュニティーFMですとかね、 インターネットの放送局も集まっていただいて。 ◆西谷: 神奈川の方も聞けるっていうのがすごいですね。 ◆今西: そうですよね、なんかアジアにもね、シンガポールとかバンコクとかアメリカにもそういう日本語のFMの放送局があるっていう事をね、聞いていますんでね、そういう輪が世界に広まっていけばいいなって思いますよね。 ◆石丸: この番組、当面は週に一回の放送、1時間の放送をみなさんにお伝えしていきます。 第1週目は「社会が見えてくる」 第2週目は「世界が見えてくる」 第3週目は「メディアが見えてくる」 第4週目は「関西が見えてくる」 ですけれども、今日は第1回目という事で「特別放送」いきなり。 ◆今西: そうですね、記念すべき第1回目です。 ◆石丸: そこで今日は特別ゲストとして、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにおいでいただいております。 【特別ゲスト 小出裕章先生】 《6:25〜》 ◆小出: 今晩は小出です、よろしくお願いいたします。 ◆石丸: 小出さんはたね蒔きジャーナルに最初に出られたのはいつのことだったですか? ◆小出: 2011年の3月14日だったと思います。 事故が起きて3日経った時から呼んでいただいて、それ以降連日のように話を聞いていただけるようになりました。 ◆石丸: たねまきジャーナルが打ち切られるっていう話を聞いた時は、どんなふうに思われましたか? ◆小出: 私自身の発言が出来なくなるというよりは、大変良質なジャーナリズムというものを背負ってきた番組が無くなってしまうという事を大変残念に思いました。 そのため毎日放送に伺った時も、「私はもう出してもらえなくてもいいからたねまきジャーナルを存続させて下さい」というふうに私からお願いもしました。 ◆石丸: そのたねまきジャーナルが残念ながら去年の9月で終わりましたけれども、その精神を引き継いで、このラジオフォーラムを続けていきたいと思います。 という事で今日は私たち3人と小出さんの4人で、今の原発私たち3人と小出さんの4人で、今の原発事情、これをテーマにお送りしたいと思います。 ◆今西: えー、ま、前半はですね、去年12月16日に衆議院選挙をやりまして、民主党から自民党に政権が代わりました。 政権が代わってですね、政府の原発対応も大いにに変わりつつあるという、そのあたりについて前半に語っていきたいなと。 後半についてはですね、福島第一原発、「今どうなってまんねん」という、現状ですね。 その辺についてお届けしたいなと思っております。 ◆石丸: それでは小出さん、今日はよろしくお願いいたします。 ◆小出: よろしくお願いいたします。 《8:14》 【民主党から自民党に政権が代わって】 《9:33》 ◆石丸: 第一回目の特別番組をお送りしております。ラジオフォーラム。 それでは早速テーマに入っていきたいと思います。 民主党政権が自民党に代わってしまいました。 民主党政権は一応2030年代に原発ゼロを目指すという、ま、脱原発を掲げていたわけですけれども、新しくできた自民党政権、安倍政権は「これを白紙化する」という事を公言しております。 この辺について政治の動き、それから原発政策が変わっていくことについてどう考えたらいいのか? この辺について話を進めていきたいと思っています。 今西さん、原発のことをずっと取材もされてきましたけれども、何を今日は集中してお聞きしていきましょうか? ◆今西: もともと日本の原発というものはですね、自民党政権の歩みと共にですね、数が増え発展していったという側面があると思うんですよね。 その歴史から考えると、やはり自民党政権に戻るという事は原発を推進する政策というものがですね、やっぱり掲げられていくのではないか? 小出先生、いかがでしょうかそのあたり。 ◆小出: 今、今西さんがおっしゃって下さったけれども,日本の原子力発電所は自民党が全てつくってきたのです。 いま、福島を中心に大変な苦難が存在しているわけですが、福島第一原子力発電所の原子炉に対しても、それが「安全だ」と言ってお墨付きを与えたのも自民党だったのです。 あの原子炉をつくったことに一番の責任がある政党なわけで、その政党がいまだ事故が収束していない段階で、さらにまた「原子力発電を続ける」というような道を開こうとしているわけで、私から見ると大変呆れた人たちだし、大変呆れた政党だと思います。 ◆今西: その中でね、やっぱりあの、民主党が政権を握っていた時に、一つの大きな看板というですか、ポリシーとして「2030年代までかな」と、かなり先ではあるけれども「もう原発はやりません」と、「もうゼロにしまっせ」というようなことを、総理大臣自らが言ってたわけですよね。 それをもう、いとも簡単に「民主党から自民党に政権変わりましたから、そんなもんに当主しません」と「同じ事をしません」と、そんな事よりも再稼働を、「再稼働をやってもいいんじゃないですか」おまけに安倍さんなんかは「いや、形の違う原発をやればいいのではないか」という、本末転倒のわけのわからない話をされているんですが、そのあたり先生いかがでしょうか? ◆小出: もともと、民主党政権の時にパブリックコメントというのを求めて、2030年に、原子力発電をゼロ%にするのか、15%にするのか、25%にするのか?という事を聞いたですね。 それに対して沢山の国民が意見を寄せて、ほとんどの意見は「2030年にゼロにしろ」いやそれどころか「即刻ゼロにしろ」という意見が多かったのです。 ところが民主党政権は、その国民の意見を求めたにもかかわらず、2030年ではなくて、2030年代という、一つの「代」という言葉を付けた。 そのために2039年12月31日まで、10年間インチキでサバを読んだんですね。 そしてそのインチキをしたにも関わらず、それを閣議決定すらが出来ないという、そういう政党だった訳で、私は「大変情けない政党だ」と実は思ってきました。 しかしその民主党よりもさらにまた、原子力に関して悪い政策を取ろうとしているのが自民党な訳ですから、これから国民はどれだけ苦難を抱えなければいけないのかなと私は思います。 ◆今西: 先生その辺でね、要するに安倍総理は「今までと違う原発をやればいいんだ」というような事をおっしゃられているんですけれども、 ◆小出: 原子力発電所というものも機械ですので、年が経るにしたがってさまざまな改良をしていくという事は当り前の事なのですね。 ですから福島の第一原子力発電所だって、1号機と2号機は違うし、2号機と3号機も違う。 3号機と4号機もまた違うというように、少しずつ改良をしていくというものなわけですから、これからつくる原子力発電所が今までのものとまったく同じでないというのは、むしろ当たり前の事なのです。 しかし、原子力発電所というものがウランを核分裂させる、つまり核分裂生成物という放射性物質を生みだしながら、 それでエネルギーを取って発電するという原理は全く同じなのであって、基本的には「同じだ」と皆さんにも思っていただきたいと思います。 ◆石丸: ああ、まだ安倍政権が発足してまだ1カ月弱ですけれども、ちょっとその辺が心配ですけれども、ま、この話は引き続きしていただきたいと思います。 ◆今西: 先生、自民党政権に戻ってですね、もう本当に今まで日本全国の原発、大飯を除けば止まっていた原発がですね、にわかに今にも再稼動してきそうな雰囲気があるんですけれども、その辺について先生はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか? ◆小出: この前の選挙というものを経て、「自民党が圧勝してしまった」という事があるわけですから、自民党としては今の状態を維持しながら、原子力発電所をどんどん再稼働させる。 そして可能であれば新しい原子力発電所をつくろうとするだろうと私は思います。 ただし、もうすぐまた参議院選挙が来る。 そこでもし自民党が負けるような事になると、自民党は大変やりにくくなるでしょうから、私は多分参議院選挙が終わるまでは、自民党は静かにしているだろうと思います。 【使用済み核燃料をモンゴルへ】 ◆今西: この衆議院選挙でですね、一部の政党が原発問題を語る上でですね、大きな問題にしたのが、やっぱり使用済み燃料棒の問題だと思うんですよね。 もう、六ヶ所村のプールもですね、数年でこのまま稼働していると満杯になるとかいうようなですね、話にもなっておってですね、この問題は避けて通れないという事になると思うんですが、自民党政権というのはそういう事も無視して、やっぱり突き進んでいくような政権なんですかね。 ま、これだけ沢山原発をつくった政権なんで、まぁ、自民党にとっては簡単な事なのかもしれませんが。 ◆小出: 原子力発電をやってしまうと、ウランを燃やす、ウランを核分裂させるわけで、使用済みの燃料、つまり放射能まみれの燃料が残ってしまうというのは当たり前の事なのです。 もちろん原子力を進めてきた人はみんな知っていたわけですが、「いつか、誰かが、なんとかしてくれる」と、思い続けてここまで来てしまった。 ◆今西: だーれもなんもしてくれまへんわなwそんなもんねww ◆小出: 残念ながら科学の力では、それをどうする事も出来ないまま70年の歴史が流れてきてしまったのです。 これからも「どう出来る」という見通しは残念ながら「ない」のです。 そうであるならば私は、「自分で始末が出来ないような毒物を生む行為は先ずは止める」というのが、本当の選択の仕方だと思うのですが、残念ながら自民党、あるいは日本の財界という所は、とにかく自分たちが金を儲けたいという事でここまで来てしまったわけで、その流れが簡単に彼ら自身の手で止められるとは、私には思えないのですね。 ◆今西: それでその使用済み燃料棒の問題をですね、去年一部の報道でですね、「海外に持っていったらどうなんだ」といったようねですね報道がされました。 その問題に対して西谷さんがこの間モンゴルまで行って取材をされてきたみたいなんで、ちょっとその辺ね、詳しく聞いてみたいなと僕は思ったんですが。 ◆石丸: 西谷さん、何時、モンゴルはどのあたりに行かれたんでしょうか? ◆西谷: 去年の11月14日から10日ほどモンゴルに行ったんですが、埋められそうな場所は、おそらくノモンハン事件ってありましたよね、旧満州とモンゴルと、今のロシアの国境あたりなんですが、そこに大きなウラン鉱山がありましてね、そこのウラン鉱山は今使っていないんですけど、そのあたりではないかと思って、ちょっと取材に行きましたね。 ◆石丸: そのウランをかつて掘っていた鉱山の近所に、新たに廃棄物のゴミ捨て場をつくろうという、そういう計画があるんじゃないかという事ですね。 ◆西谷: 一応この問題は水面下に潜っていますけどね、でも今、小出先生がおっしゃったように、もうどんどんどんどん出てくる訳ですよ、ゴミが。 それを埋める場所が無いので、日本にもアメリカにも。 ◆今西: っていうか、世界を探してもなかなかないですよね。 ◆西谷: そうですよね。 で、ここで問題になってくるのがね、いわゆる包括的燃料サービス。 日本がベトナムとかトルコに原発を売り込みに今行っていますけれど、その時にベトナム政府にですね、「ベトナムで出た核のゴミは引き取ります」って言っているんですよ。 つまり、ベトナムに売る際に、その売り込みセールスで、「あなたのところには核のゴミは残しません」と。「引き揚げます」。 でも日本に引き揚げても日本にも埋めるところはないですよね。 ◆今西: アフターサービスね、 ◆西谷: だから、パッケージにするんですよ。 だからウランは生産地に送りかえすという。 だからウランの生産量ではモンゴルも沢山埋まっていますので、で、モンゴルは貧しい国ですから、ウランを輸出して儲けて、そして核のゴミを輸入して儲けたいと日米政府は埋めるところがないし、これから海外に原発を売り込みにかける時に、ロシアとか韓国と競争ですから、だからそういう意味ではセールスポイントの一つとして、「核のゴミは残しませんよ」という、こういう売り込みをかけていますからね。 ◆石丸: 現状モンゴルは、今もウランを生産輸出はしているんですか? ◆西谷: 一応かすかに、13位ですけれどもね、世界で。埋蔵量は1位だと言われているんですが、だからそういうウランを精製したり採掘する技術が、今ないので、それを中国とかカナダの資本がやっているわけですけど、それを日本とアメリカと組むことによってね、それでそういう物の技術をモンゴルとしては得たいと。 ゆくゆくはモンゴルに原子力発電所もつくりたいとこういう事だと思います。 ◆石丸: 現場はどんな場所でしたか? まぁ、まだそこがね、廃棄物処理場の建設場所とは決まったわけじゃないけれど、目星をつけて…。 ◆西谷: あの、予算は付いているんですよ。 そこの村に予算がもうついちゃったんですよ、モンゴル政府は。 それでどんなところか?といいますと、ウランの露天風呂です。 旧ソ連が1980年代から96年まで掘ってたんです。 ソ連の崩壊でソ連は引き上げまして、現在は中国がその採掘権、権利を持っています。 ◆石丸: 露天風呂いうと、けど、放射能がすごいんやないですか? ◆西谷: だから、測ったらですね、ウラン残土のところで24マイクロ出ましたから、いきなりピーピーピーピー鳴っていましたからね。 ◆石丸: だいぶ放射能浴びてきたとちゃう? ◆西谷: いや、まぁ浴びてきたかもしれませんね。ま、40歳を超えていますから、はい。 ◆石丸: 24マイクロ ◆西谷: 残土、残土がそのままにしてあるんですよ。 ◆石丸: これは、小出さん、かなり高い? ◆小出: 24マイクロシーベルト/hという量だと思いますが、 ◆西谷: そうです ◆小出: 通常、たとえばこのスタジオでもし測ると、0.05ぐらいしかありません。 で、0.6を超えてしまえば放射線の管理区域にしなければいけませんし、私の実験所にはもちろん放射線の管理区域がありますが、その管理区域の中でも20マイクロシーベルト/hを超えるようなところは、高線量区域として立ち入りを制限するという、そういう位のところですから。 ◆西谷: そこで遊牧民が草を食べさせているんですよね。 ◆小出: 西谷さんが行かれたようなところは、私のような職場、特殊な職場でも、高線量地域として立ち入りが制限されてしまうようなところに普通の人々が生きているという…。 ◆西谷: 何の囲いもないですからね。 ◆石丸: 草原ですか? ◆西谷: 大草原です。 人口密度が極めて低く、少数民族が住んでいるんですよ。 ブリアート人というね、モンゴルの少数民族が住んでいて、ものすごくウランバートルから離れていますから、だからそういう意味では日本の構図と一緒ですよね。 大都会から離れていて、少数民族が住んでいる。 そういうところに反対運動も起こらないだろうという、そういう所に持っていくのではないかと。 現実に予算もついていますから、 ◆石丸: 予算というのはモンゴル政府の予算が? ◆西谷: モンゴル政府の投資計画に、日本円にして30億円位の予算がもうついています。その村に。 ◆石丸: 日本円にして30億円というと、モンゴルにとってはすごい予算ですよね。 ◆西谷: 500億トゥグルですからね。 だからもう、モンゴルにとってはものすごい予算が付いているという事は、おそらくビックビジネスですから、これ。 そういう意味では、やるんじゃないかなと僕は思っておりますし、フランスのアレバとか、そういう所も支援しているんですよ。 ◆今西: なるほどね、フランスのアレバっていうのはね、東京電力の福島第一原子力発電所の収束作業にも大いにかかわっているところですよね、冷却循環システムなんかをね、入れているのがアレバですね、フランスの。 ◆石丸: なるほど、そこに日本が関わっている可能性が高いと。 関わっていく可能性が高いと。 ◆西谷: 間違いなく関わっているんですよ。 極秘文書があるというスクープ記事が毎日新聞に載っていました。 ◆石丸:載っていましたね ◆西谷: でも、極秘文書は明らかになっていないですけれども、でもそういうのはもう決定はしていると思うんです。 ◆石丸: なるほど、このモンゴルの話し、現地まで行かれて本当にごくろうさまです。 引き続きまたお聞きしたいので、回を変えてですね、じっくりとお話を聞かせて下さい。 ◆西谷: はい ◆石丸: なお、小出さんにはこれから電話ゲストとして、これから毎週このラジオフォーラムにご登場いただきたいと、題して「小出裕章ジャーナル」これをみなさんにお送りしていきたいと思います。 ◆小出: ありがとうございます。私がお伝えできることがあれば喜んでやらせていただきます。 ◆石丸: はい、ありがとうございます。 それでは来週からもよろしくお願いいたします 《25:00〜》 ◆石丸: ラジオフォーラム記念すべき第1回目の放送を、大阪府岸和田市のラジオきしわだのスタジオをお借りしてお送りしております。 特別ゲストとして京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにおいでいただいております。 ここからも引き続きお話をよろしくお願いいたします。 やっぱり、福島第一原発の現状がどうなっているのかがすごく気になりますよね。 ◆今西: そうですね、やっぱりあれだけ大きな事故を起こして、「どないなっとんねん」と。 新聞とか、テレビのニュースでもですね、やっぱりだんだん報道される回数がものすごく減っていますからねぇ。 ◆石丸: だから、なんととなくね、なんとなく、こう、収束に向かっている。 なんとなく、こう、事態はマシになっているんじゃないかな?というふうに、世間は思っているところがあると思うんですよ。 【優秀なロボットがある?】 ◆今西: そうですよね、 「もうあれは今安全でっせ」みたいな感じでね、やっぱり捉えているところがあると思いますが、「実際は違いますねん」と。 要するに一番のこれから問題になってくるところがですね、メルトダウンしてしまった燃料をどうするのか?という部分かなと思うんですけれども、「優秀なロボットがいるから大丈夫なんだ」というようなアナウンスが、東京電力ですとか、政府の方から聞こえてくるのですが、そのあたりについて先生、どんなもんでっしゃろか? ◆小出: 先ずは「優秀なロボット」というものが無いのです。 これからロボットを何がしか開発しなければいけないという事は本当だと思いますが。 ◆今西: ロボットおまへんか?せんせい。 ◆小出: ありません。 ◆今西: はぁ~ ◆小出: 残念ながら。 ◆今西: はぁ…、あれだけ優秀なロボットがあるあるという事でですね、東京電力のホームページなんか見ても、よう出とるわけですよね、こんな腕が4つも5つもあるようなもんがですねぇ。 ◆小出: 特に日本はこのよな事故が起きるという事を全く想定していなかったので、ロボット開発という事もほとんどやらないまま事故に突入してしまったのです。 そのために世界から「なにを日本はやって来たのか」と言って、まぁ、おしかりを受けているという、そういう状況であって…。 ◆今西: 小出さん、そうするとね、たとえばアメリカだとか、フランスだとか、他にも原発をやっている国はあるんですが、そういう国々は最悪の事を考えて、多少なりロボットを開発をするとかロボットが必要だとか、何らかの研究をしとったという事ですか? ◆小出: そうです。 日本以外の国は日本よりは真剣に取り組んできました。 しかし残念ながら、そういう国々にが開発してきたロボットも、今の福島で起きている事に関しては、殆ど対応すらが出来ないという、そういう状態になっているのです。 ◆今西: 小出さんそうするとね、「それだけとんでもない大事故やった」という裏返し、裏付けという事ですか? ◆小出: そういう事です。 こんな事故が起きるという事は、日本の原子力関係者も思っていませんでしたし、米国にしてもフランスにしても、これほどひどい事故が起きるという事は、ほとんどだれも予想もしてこなかったような事故が、今現在進行しているのです。 ◆石丸: 間もなくあと2ヶ月で事故から2年が経ちますけれども、今の事故を起こした原子炉、原発の状況って、いまどういう状況にあるのか?教えていただけますか。 ◆小出: 2011年3月11日に地震と津波に襲われて、原子力発電所が壊れてしまったわけですが、1号機から3号機は運転中でした。 4号機は定期検査で止まっているという状態でした。 そして1号機から3号機、運転中だったそれらの原子炉の炉心は、全て溶け落ちてしまったという事になっているのです。 そして、この事故が起きているところが火力発電所であれば、事故現場に人が行って、「どんな事故になっているか?」という事を見る事が出来るわけですが、原子力発電所の場合には「現場に行く事が出来ない」ということになってしまいます。 そしてこのような事故を「予想もしていなかった」という事で、人が行く代わりに情報を得るための測定器の配置すらがないのです。 まがりなりに通常運転時の状況を知ろうとして設置してあった測定器があるのですけれども、それも過酷な自己の進行の中で次々と壊れていってしまって、何がどう進行しているのかが分からない。 そしてロボットも送り込むのですけれども、次々と壊れてしまって戻って来れなくなる。という、そういう状況になってしまっている。 何よりも、一番は人間が現場に行くという事はこれまでの技術だった訳ですが、「それを許さない」というものが原子力発電所の事故なのです。 ◆西谷: 日本の場合はロボットの技術が高いじゃないですか。 あの、高いと言われている。 でも、あえてそういうロボットを作らなかった、というか、開発してこなかったのは、それを開発すると「原発が壊れてしまうという可能性があるという事がバレてしまうから」という話も聞いた事があるんですが、そのあたりはどうなんでしょうか? ◆小出: ま、そういう思惑もあったかも知れませんけれども、それ以上に原子力を進めてきた人たちが「そんなロボットが必要なほどの事故は起こらない」という…。 ◆西谷: 安全神話に乗っかっていて。 ◆小出: はい、彼ら地震が安全神話に乗ってしまっていたという事だと思います。 ◆今西: けど、その安全神話というのは、小出さん、結局根拠のないもんやったわけですよね、この事故で。 ◆小出: そうです。 もちろん事実が「安全神話というものに根拠が無かった」という事を示しているわけです。 ◆今西: ですよね。 まぁ、過去アメリカのスリーマイル、ロシアのチェルノブイリでも大きな事故はありました。 けれども、今回の福島の場合はなんせ4つの原子炉が事故を起こしてしまっているわけですから、そこが決定的に違いますよね。 ◆小出:もう人類が初めて遭遇する、原子力開発事業最悪の事故が、今、まだ進行中だという事です。 【処理が出来ない!どんどん溜まる高濃度汚染水】 ◆今西: そんな中でですね、綱渡り的に、その、まあ水でですね原子炉を冷やすという、循環冷却システムという方法で今冷やし続けている訳なんですが、これも非常にですね、小出さん、トラブルの多い代物でして、おまけに、その汚染水がどんどんどんどん溜まって行き、もう福島第一原発の中は、私実際に見てきたから分かるんですけれども、もう、タンクだらけでしてね、それもかなり高い放射能濃度で汚染された汚染水が、もう本当に想像もつかないような大きなタンクに、目いっぱい入っている訳なんですけれども、こういう方法をですね、綱渡りのような方法を続けとってよろしいんですか? ◆小出: え…やるしかないのです。 原子力発電所を動かしてしまうと、何度も聞いていただいたように核分裂生成物という放射性物質が大量にできてしいまいます。 それ自身が発熱体ですので、とにかく冷やさない限りは溶けてしまう。 なんとしても冷やし続けなければいけないというものなわけですから、「水を入れる」という手段しか…ないのです。 ただそれをやってしまうと、いま今西さんがご指摘くださったように、大量の汚染水が発電所の中にどんどんと溜まってきてしまうと。 ◆今西: そうですよね。 ◆小出: いうことで、もう敷地中がタンクで埋まりそうになっているわけですね。 でも「やめる事が出来ない」のです。 ◆今西: その汚染水ですが、これ、どうしたら処理できるんですか? 高濃度に放射能に汚染されたですね、この汚染水っていうのは、どうすればいいんですかね? ◆小出: 処理が、処理が出来ないのですね。 ◆今西: じゃあ、あの使用済み燃料棒も処理の方法が無い。 おまけに今度は、汚染水も処理できない。 というと日本は、もう「処理できないものを二つ抱える」そういう意味になるわけですか? ◆小出: 汚染の正体は同一物質ですね。 要するにウランを核分裂させてしまって、つくってしまった放射性物質というものが使用済み燃料の中に溜まっているわけですし、それが溶けてしまったところに水をかければそれが今度は汚染水として出てくると、そして人間は放射性物質を消す力が無いわけですから、いずれにしてもどこかに残ってしまうという事になるわけです。 ◆今西: なるほど。 この放射性物質をですね、除去するような発明をすればですね、やっぱり小出先生も山中先生と同じようにノーベル賞を取れるんですかな? ◆小出: えー、放射性物質を放射性物質でないように出来ないか?という研究は、70年前から続いているのです。 そして原理的には「できる」という事も分かっているのですが、それを実際上に適用しようとすると、厚い壁があって成し遂げる事が出来ないという事が、70年経った歴史の今であるわけです。 ですからそれを何とか、壁を越えたいという思いは、もちろん多くの研究者にあるし、私もありますけれども、70年間越えられなかった壁というのは、相当厚いと思わなければいけないと思います。 ◆今西: 70年ですか…。 そうすると、今日本に原発が出来て40年そこらですけれども、その30年前から、研究は実はしてはったわけですか。 ◆小出: 原子炉というのは米国という国が原爆を作ろうとした時に、原爆の材料を得るための道具として作った。 それは1942年なのですけれども、去年でちょうど70年になりました。 「科学が進歩すれば、いつか誰かが何とかしてくれる」と思いながら、ここまで来てしまった。 非常に愚かな選択だったと思います。 【♪一粒の種♪】 ◆石丸: はい、ありがとうございます。 さてここで、歌をお聴きいただきたいと思います。 実は私たち、このラジオフォーラムを立ち上げるにあたって、いろんな会議、そしてイベントを繰り返してきたんですけれども、去年の11月27日に、大阪心斎橋のライブハウスでラジオフォーラムを告知するイベントをやりました。 その時に来ていただいたのが砂川恵理歌さんという沖縄の歌手の方です。 これはいい歌ですね~ ◆今西: ええ歌やったね、ほんまにね~。 小出さんもね、来ていただいてライブを一緒に聴いてもらいましたけれど。 ◆石丸: はい、この歌「一粒の種」というタイトルなんですけれども、たね蒔きジャーナル、種が蒔かれてそこから芽が出て実が結ぶという、そのたね蒔きジャーナルの精神にぴったりのですね、タイトルで。 これを聴いてみるとですね、砂川恵理歌さんの本当に優しい歌声、そして、我々がやろうとしているこのジャーナリズムのラジオのテーマソングにぴったりだなということで、この歌を皆さんにお聴きいただきたいというふうに思います。 《36:12》 ♪一粒の種 ♪ 砂川恵理歌さん 一粒の種に 一粒の種に ちっちゃくていいから 私もう一度 一粒の種になるよ 出会って語って 笑って泣いた 生きててよかったよ あなたのそばで よかったよ 一粒の種は風に飛ばされ どこかへ行ってしまうけれど あなたへとたどる確かな道を 少しずつ舞い戻って 丘の上からあなたにだけ見える 闇にも負けない光を放とう ささやかな日々に愛をもらった 私にはそれができる 一粒の種に 一粒の種に ちっちゃくていいけど あなたにだけ気付いてもらえる種になる ◆石丸: 砂川恵理歌さんの一粒の種を聴いていただいております。 小出さん、いい歌ですね、これ。 ◆小出: そうですね、「あきらめちゃいけない」と励まされます。 ◆今西: ライブハウスで聴いた時、本当にライブで聴いたんで、またこのCDとは違うね、良さがありましたよね。 ◆石丸: うたがうまいんですよね、この砂川さんはね。 ◆今西: ほんまやね。 ここに来てしゃべってもらったらええかもしれないね。 ◆石丸: この一粒の種、これが地に芽を出して、それから葉を出して、花になって、実を結んで広がっていくと、本当に我々、このラジオフォーラムのイメージにぴったりの歌という事で、今日ここでご紹介をいたしました。 ◆今西: 僕らの番組もそうならなあきまへんもんね。この歌のとおりにね。 ◆石丸: はい。 この砂川恵理歌さんの一粒の種はCDにもなっていますので、インターネットで検索されるとみなさんもお聴きになる事も出来ますし、お買い上げいただける事も出来ると思います。 えっと、じゃあ後半のテーマに行きましょうか。 【正造さんがいてくれた】 ◆今西: そうですね、僕は小出さんのところの京都大学の熊取にある研究室というのは、もう何回も利用させていただいているんですけどね、やっぱりそこでね、一番印象に残った事があるんですよ。 小出さんの机の上にね、足尾銅山鉱毒事件のね田中正造さんの銅像が置いてあるんですよね。 ◆石丸: 銅像! ◆今西: 銅像。 ◆石丸: 肖像画やなしに、 ◆今西: 肖像画やないんですよ、銅像が置いてあるんですけど、 ◆石丸: どれぐらいの大きさなんですか? ◆今西: どんなもんですか?先生。 ◆小出: えー、このくらいですかね、高さ10cmぐらい。 それはでも、ついこの間貰ってきたのです。 ◆今西:ですよね、最初に行った時はおまへんでしたよな。 ◆小出: その時は写真とかですね、絵とか、あとは土鈴であるとか、土鈴、土の鈴ですね。 正造さんのものは山ほど私の研究室にあります。 ◆石丸: ああ、そうですか。 あのー、もうリスナーのみなさんはご存知かと思いますが、田中正造さんはね、教科書にも出てきます。 いまの我々の世代は小学校の時に習いましたけれども、 ◆今西: 習いましたね。今でも習ってはんのやろうか ◆西谷: 習ってはるのかもしれませんね。 わたしら、習いましたね。 ◆今西: 誰かね、公開録音に来てはっていて、詳しい人で教えてくれはったらありがたいですね。 「習ってまっせ」とかね。 ◆石丸: この田中正造さん、ね、いま今西さんがいわはりましたけれど、栃木県の足尾銅山の鉱毒事件、体を張って、命をかけてこの鉱毒事件解決のために動かれた方。 この田中正造さんが没後100年に今年あたるという事で、あちこちでイベントなんかも多いようですけれども、 ◆今西: 小出さんもね、何度か、良く、栃木県の佐野市でしたっけ、行かれているという事でしたよね。 ◆小出: 今年、2013年に正造さんが倒れてからちょうど100年になる。 それに向けて栃木の人達を中心に、様々なイベントをいま積み重ねてきています。 私は去年の、没後99年にあたった集会に呼んでいただいて、栃木県佐野市に行ってきました。 ◆石丸: 小出さんにとって、田中正造さんというのは、どういう方として映っているんですか? どうしてそこまで思い入れを持って、 ◆小出: 私は1968年に大学に入ったのですが、当時は公害問題というものが日本中で起きていた時代で、私自身も公害問題という物の深刻さというものに気がついたわけですが、それを勉強していたらば、それどころではない、もっとずーーっと前に日本には公害が、公害という言葉はあまり適切ではないけれども。 でも国家の、国家あるいは企業の金儲けのために、人々が大変な困難を負わされるという歴史があった。 という事に気がついたのです。 その問題に1人の人間として国家を相手に、孤立してでも闘い抜くという人がいたという事を知りました。 「すごい人だな」と思いましたし、私から見ると「破格の人」だったと思います。 わたしも、まぁ、国家を相手に今闘っているつもりではありますけれども、あまりにも力が違いすぎる。 絶望しかけることだってあるわけですけれども、それでも「正造さんがいてくれた」という事を思えば、「あきらめることはできない」と、いつも励まされます。 ◆石丸: そうですね、田中正造さんもね、そのためも含めて国会議員にもなられ、天皇陛下にまで直訴されたという、すごい人でしたからね。 ◆西谷: あの、これ田中正造さんの言葉だったと思うんですけど、ちょっとネットで引いてきたんですけれども、「真の文明は山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」単にその鉱毒事件の事だけじゃなくて、「戦争に反対する」という考え方をしっかり持っておられた方ですよね。 ◆小出: そうですね、当時は日清、日露の戦争というのが起きていた訳ですけれども、正造さんは国会議員として、「そんな問題よりは足尾鉱毒で苦しんでいる人々を助けるというのが国家の仕事だ」として、抵抗を続けました。 【小出先生に質問】 ◆石丸: その、田中正造没後100年ということで、栃木県佐野市を中心にいろんなイベントが開かれるようです。 で、ちょっと話は変わります。 私は、このラジオフォーラムをやるんだという事を周囲の人に宣伝をしておりますけれども、最初の回に小出さんに来ていただくんだと言ったら、「いろいろ聞いて欲しい」という、いろんなリクエストもありました。 なかなか、「こんなん聞いてもええのかな?」と思うような事もあるんですけれども、いいですか? ◆小出; はい。 ◆石丸: 一つ目。 「小出さんは何故助教なんですか?」という質問がありました。 ◆今西: そうですよねぇ。 ◆石丸: それと、「京大原子炉実験所ってどんな職場なんですか?何をしているところですか?」という素朴な質問もありました。 で、世間的に言いますとね、「なんで小出先生みたいに偉い先生が教授じゃないの?」というような事を聞く人もいたんですけれど、それをちょっと教えていただけますか? ◆小出: 私の個人的な性格だと思いますが、誰かに命令する事が嫌いなんです。 そして誰かから命令される事も嫌いなのです。 ですから、組織を私が背負うなんていう事は大嫌いなことな訳ですし、教授というような立場になって人々に命令をしていくというような事は、私が一番イヤな事なのですね。 ですから私は一人の私なのであって、私のやりたい事をやるということが、何よりも私にとって大切な事なわけで…。 ◆今西: じゃあ、今まで教授いになりたいとか思われた事はおまへんですか? ◆小出: 一度もありません(笑) 現在のポストが一番私にとっては快適なポストです。 ◆石丸: それは何故ですか? 「助教というポストは上にも下にも人がいない」っていうことですか? ◆小出: あ、本当はですね、 助教というのは、教授、准教授、助教という、教員の中の最下層の立場ですから、本当であれば、教授や準教授が私に命令をしてくる筈なのですが、私が39年前に原子炉実験所に就職した時以降、ずーっと、私の上に立つ人たちは「私に関しては一切の命令をしない」という、そのような立場を貫いて下さったので。 ◆石丸: それは、その実験所がそういう環境の職場だったんですか? それとも…。 ◆小出: そうではありません。 私の、私が所属した研究部門の特殊性というのがあったと思いますし、その研究部門の特殊性に加えて、私が請け負った仕事、つまりは放射線測定という仕事なんですが、その特殊性のために一切の命令を私に実験所の方からはしないと。 そのかわり私は私の責任を果たすという、そういう、ま、お互いの合意のもとに命令を受けなかったという事です。 ◆石丸: それは、特殊性というのは、「危険だから」という事ですか? それとも、どういうことなんでしょうか? ◆小出: 私が属したのは放射性廃棄物処理設備部門という名前の部門でしたけれども、放射能のゴミの管理をするというところだったのです。 で、そこの学問的な専門性で言いますと、いわゆる土木工学であるとか、衛生工学であるとか、水処理であるとか、そういう専門家の居るところだったのですが、そういう専門家は逆に言えば放射能に関しては専門でないという事になってしまって、私がそういう所に行って、放射能に関しては責任を負うという立場であった訳です。 ですからそういう人達は、私が放射能に関してきちっと責任を取る限りは、私に対して命令はしないという事になったのだと思います。 ◆西谷: なるほど、なるほど。もっと聞きたいですけどね。 ◆今西: そうするとものすごい大切なお仕事でしてね、 ちゃんと、原子炉実験所ですから、ちゃんと原子炉があるんですよ。 うーん、すごい重要なお仕事ですよね。 ◆石丸: もうちょっとお聞きしたいんですが、残念ながら放送時間が終わりに近づいてきました。 しかし、小出さんには来週からですね、 毎週「小出裕章ジャーナル」というコーナーで、電話ゲストとしてご登場いただきます。 リスナーのみなさんからも、小出さんに是非聞いてみたいという質問を受け付けますので、メール、電話等でお寄せ下さい。 ◆今西: どんどん送ってよ~ ◆石丸: という事で、小出さん今日はどうもありがとうございました。 ◆小出: ありがとうございました。

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