2013年2月11日月曜日

追跡!真相ファイル 「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」 http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/shinsou_top/20111228.html —- “生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。 しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。 アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する。 —- 12月28日にNHKにて、低線量被曝の国際基準の実態を明らかにする報道がありました。 その内容は、実に驚くべき内容でした。 日本の放射線量の基準は、生涯で100ミリシーベルト。 それは、ICRP(国際放射線防護委員会)が定める基準によるものです。 それによると、100ミリシーベルト以下の低線量被曝の影響は極めて小さく、ほとんど健康に影響はないとしています。 しかし、本当にそうなのでしょうか。 チェルノブイリ原発事故の影響を受けたスウェーデン。 放射線レベルの低かったこの地でも、癌が増えていました。 食べ物を通じて被害は広まっていったと考えられています。 スウェーデンの人々はこう言います。 『私たちは何も悪くないのに、なぜこんな目に遭うのでしょうか』 国際基準を作ったICRPの当事者たちは驚くべきことを明らかにしました。 ICRP名誉委員は次のように述べています。 『低線量のリスクはどうせわからないのだから、半分に減らしたところで大した問題はない』 『科学的な根拠はなかった。我々の判断で決めたのだ』 スウェーデン北部では、ガンが増加しています。 しかし、当時の放射線量は、年間およそ0.2ミリシーベルト。 ICRPの基準、1ミリシーベルトの5分の1にあたります。 しかし、事故の前と比べ、ガンは34%増加したといいます。 スウェーデンでの放射線対策はどうだったのでしょうか。 事故直後、スウェーデンでは放射能の安全基準を設けています。 人々がよく食べるトナカイの肉は、1kgあたり300Bqが上限となりました。 ※これは、日本のコメなどの基準、1kgあたり500Bqより厳しいものです。 さらに人々は、肉の食べる量を減らし、体への影響を抑えようとしてきました。 なぜガンが増えたのか。 住民の調査を続けてきたマーティン・トンデル博士は、 汚染された食べ物を体内に取り込むこと(内部被曝)によって リスクが高まったのではないかと見ています。 トンデル博士は、汚染地域で暮す110万人のデータを解析しました。 ガンになった人の被曝量を調べると、10年間の積算で、10ミリシーベルト以下であったことがわかりました。 ICRPが殆ど影響がないとしている低線量でも、有意にガンになる人が増えていたのです。 『リスクは外からの被曝だけでなく内部被曝に左右されるのです。』 チェルノブイリ事故の影響ではなく、原子力発電所付近でもガンが多発しているというデータがありました。 原子力発電所を多数抱えるアメリカでの事例です。 ここでは、より放射能汚染の影響を受けやすい子供たちに深刻な影響が出ていました。 イリノイ州、シカゴ郊外では、周辺に3つの原発が集中しています。 原発から排出される汚水には、放射性トリチウムが含まれていますが、アメリカ政府は、 国際基準以下なので影響はないとしてきました。 しかし、この地では100人もの子供たちが亡くなり、慰霊碑に名前が刻まれています。 ガンで死亡することはなくとも、子供たちは深刻な障害、成長を阻害されてしまっています。 過去20年間、1200万人の住人に対する病気の罹患の記録では、 原発周辺の地域だけが、脳腫瘍や白血病の発症確率が30%以上増加を示していました。 なかでも小児がんは、約2倍に増えていました。 しかし、政府は、井戸水などによる被曝は、年間1μシーベルトで、健康を脅かすことはないと回答しました。 逆説的に言えば、上記の内部被曝によっても、統計的に有意な数値でガンの発症が増加しているということになります。 国際基準を作ったICRPでは、これらの結果をどのようにとらえているのでしょうか。 ICRPでは、低線量被曝のリスクの見直しを求める議論がされていました。 イリノイ州、シカゴ郊外では、周辺に3つの原発が集中しています。 原発から排出される汚水には、放射性トリチウムが含まれていますが、アメリカ政府は、 国際基準以下なので影響はないとしてきました。 しかし、この地では100人もの子供たちが亡くなり、慰霊碑に名前が刻まれています。 ガンで死亡することはなくとも、子供たちは深刻な障害、成長を阻害されてしまっています。 過去20年間、1200万人の住人に対する病気の罹患の記録では、 原発周辺の地域だけが、脳腫瘍や白血病の発症確率が30%以上増加を示していました。 なかでも小児がんは、約2倍に増えていました。 しかし、政府は、井戸水などによる被曝は、年間1μシーベルトで、健康を脅かすことはないと回答しました。 逆説的に言えば、上記の内部被曝によっても、統計的に有意な数値でガンの発症が増加していということになります。

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