2013年2月12日火曜日
内政も外交も狂気の安倍晋三.兵頭正俊.
http://m-hyodo.com/political-situation-22/
日銀の白川方明(まさあき)総裁が、4月8日の任期満了を待たずに辞任する。
2月5日に表明したものだが、いよいよアベノミクスが暴走し始めた。
アベノミクスの核心は、長期的なわが国の景気浮揚ではなくて、今年の4-6月の、経済指標を一時的でもかさ上げし、秋に消費税増税を決定することである。
それは消費税増税法の附則18条3項に、2度にわたる消費税率の引上げを施行する前に、
「経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置(注:消費税率の引上げ前後における、わが国の経済の成長のための施策や、事前防災及び減殺等に資する分野への資金の重点配分等の検討)を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」
と規定されているためである。
つまり理論上は、施行前の経済状況等によっては、税率の引上げが停止される可能性も残されているわけだ。
それで安倍は一時的な、見かけ上の景気浮揚に必死になっているのである。
ところで、2%の物価上昇が予想されるから、上がる前に買っておこうという人は少ないだろう。
また、2%の物価上昇で潤った企業が、社員の給料を上げることもない。
自民党筋に頼まれた企業が、パフォーマンスで一時的に給料を上げるだろうが、消費税増税をやった後には、アベノミクスの破綻とともに給料は下げられる。
残るのは、高い物価(とりわけ高い電気料金と便乗値上げの商品)と消費税増税、減額された年金、減額された生活保護費等である。
アベノミクスで儲かるのは、米国のゴールドマン・サックスなど海外のヘッジファンドとシロアリ官僚である。
昨年の11月以降、2か月余りで日経平均株価が25%上昇するという大相場が出現した。しかし、その恩恵を受けたのは海外投資家だったというのが現実である。
東証の調査によると、日本の株式市場では外国人投資家が1月半ばまでに9週連続で買い越しており、その総額は2兆5451億円にも上る。
大手ヘッジファンドのなかには、すでにこの3~4か月で数百億円の含み益を得たところも多いといわれる。
その一方、国内金融機関などの機関投資家は売り越しを続けている。
日本人の個人投資家は1月中旬に買い越しに転じた。大切な退職金を、千載一遇のチャンスと見て株に投資した人も多いと思われる。
日本人は、今度の衆議院選挙に表れたように、先を見通す想像力が希薄だ。
株の世界では儲かる人間がいることは、損をしている人間がいることだ。この原則は世界のどこの相場でも変わらない。またしても大損をするのは一般の投資家だ。
雇用や生産など実体経済は何も改善していない。株価の上昇は実体経済を反映したものではない。
アベノミックスの正体は小泉・竹中失政の再来である。今回の経済ブレインは小泉政権時代と重複していることが何よりの証である。
小泉・第一次安倍政権時の、「いざなみ景気」では、金融緩和や公共事業で、株価は高騰し、大企業の経常収支が拡大した。
そしてGDP2%の経済成長という、史上最長の好景気があった。
しかし国民を襲ったのはリストラや格差の拡大であり、史上最多の自殺者である。自殺者は今も高止まりしたままだ。
財界が「給料のベースアップは無理。増やすとしてもボーナスで」と公言するのは、アベノミクスが消費税増税を実現するためのものであり、一時的なものであることを見ているからだ。
一時的なボーナスでしぶしぶ応えようとしたものにすぎない。
国内経済には今後、景気をよくするどころか、雇用や中小企業に悪影響を与える材料が目白押しだ。
2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法は13年3月末で終了。電機産業をはじめとするリストラは、今後いっそう激しさを増す。そして増税の嵐だ。
このように国内はすでに狂気の戦争状態に突入している。しかし対外的にも狂気の戦争状態になってきた。
尖閣問題は、東シナ海で1月30日に、中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に射撃管制用のレーダーを照射してから、一挙にきな臭くなってきた。
1月19日にも、別のフリゲート艦が海上自衛隊のヘリコプターに射撃管制用とみられるレーダーを照射していたという。
しかし、2月8日になって、中国は、日本の海上自衛隊の護衛艦へ、中国の艦船が射撃管制用レーダーを照射したとの日本政府の主張に対して、「事実ではない」と否定した。
中国の艦船は、東シナ海で通常の訓練を行っていただけとし、射撃管制用レーダーを使用せずに、日本のヘリコプターと護衛艦を注意深く監視していただけだと説明した。
こういう問題については日本の「記者クラブ」メディアなど何の役にも立たない。読めば反中を洗脳されて、間違うだけだ。
外国の、とりわけヨーロッパとアジアの情報を集めたほうがよい。
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