2013年2月8日金曜日

「過去へ向かう右傾の動き」「南ドイツ新聞」の日本の総選挙に関する論評の翻訳/メルケル首相の安部政権に対する応答. .http://tkajimura.blogspot.de/2012/12/blog-post_4166.html … 日本はさらに右傾化。安倍は平和条項を廃棄するだけではなく、人権を抑制し、女性の平等権を撤廃しようと望んでいる. 過去へ向かう右傾の動き. 東京、クリストフ・ナイトハルトによる論評. 保守的から強固な国家主義的まで=これまでの全ての東京の政権は右派であった、しかし彼らは抑制していた。しかしそれもここで終わりとなった。勝利した政党自由民主党の選挙戦は 悪質な響きと極右の要求に刻印されていた。そして安倍晋三という過去の日本を夢想する男が権力を掌握した。 日本は右傾化しており、さらに右傾化している。これまでも政権は常に保守的で、それどころか大半が強固に国家主義的であった=今退陣する野田明彦もそうである。しかし全ての内閣は抑制していた。このような雰囲気はここで終わった:これまでの東京都知事で、単独行動で北京との島を巡る争いの垣根を壊した石原慎太郎は、中国を語るとき「シナ」という蔑称を公然と使う。彼は日本に核兵器保有を要求し、赤い人民共和国との小戦争を考慮することもはばからない。彼はその他の右派ポピュリストたちと一緒に、この悪質な響きと極右の要求を選挙戦に持ち込んだ=こうしてそれらを社会に通用させたのである。 これにより日本の自由民主党の次期総理である安倍晋三は、彼が考えていることをようやく語ることができるのである。彼の失敗に終わった 最初の政権時(2006年9月から2007年9月)には、彼はしぶしぶながら中国との協調を追求した。もうこれもまずは考えられない。 すでにその当時、彼は改憲を試みようとしている。憲法9条は日本にあらゆる戦争を禁じ、自国領の自衛だけを許している。安倍はこの平和条項を廃棄しようとするだけではなく、人権を抑制し、女性の平等権を撤廃しようと望んでいる。そして外交政策では彼は、日本がこれによって自国の軍隊が第二次世界大戦時に朝鮮、中国そして東南アジアから何十万という女性たちを強制強制売春婦として野戦売春宿へ連行したことを認めた、いわゆる河野談話を撤回しようと望んでいる。手短かに言えば:次期首相は過去の日本を夢想している。 語るに値する反対勢力の不在 東京の歴代政府は今日まで、日本の軍隊が第二次世界大戦で犯した人道に対する犯罪に真剣に対応することを怠ってきた。多くの首相たちが、遠回しに謝罪を表明はしはしたが、それらさえも他の政治家たちにより直ちに弱体化されてきた。 ここ数年間、中国と韓国は日本に対し醜悪な歴史を克服しなければならないと圧力を高めてきた。 それへの回答として日本の歴代政権は、国を継続するこの危機から導きだすことにここ20年間成功せず、国家主義へと逃げ込んでいる。多くの有権者は中国に怒ってはいるものの、しかしながら彼らは決して国家主義的な日本を望んではいないのだ。 すでに長い間、語るに値する左派は日本には存在していない。ニッポンの政治家たちは彼らの国民の基本姿勢は保守的であると喜んで説明する。しかし彼らは、戦後に強力な社会主義と共産主義政党、それに激しい学生運動があったことを忘れている。これらの左派は霧散してしまったのではない。彼らは一方で弾圧され、他方で政治本流に統合され窒息してしまった。今日では周知のことだが、CIAはその資金で右派が権力を維持することを援助したのである。保守的な日本だけがアジア大陸に面した太平洋の信用できる軍事基地であるのだ。フクシマの後にはっきりしたことは、いかに原子力産業界、学界、政界、そして主要メディアがひとつの覆いの下で結託しているかである:すまわち「原子力村」日本である。大きなメディアは、常に自民党とつねに緊密に結びついている産業界に依存しており、2009年の政権交代時には「野党が政権に」と書いたほど緊密である。彼らは=全く左派でもない=野田首相の民主党にすら決してチャンスを与えようとはしなかった。これへの日本の対抗的な公衆的言論は、ようやくゆっくりと成立しつつある。(訳責:梶村太一郎) ========================== 梶村のコメント: ドイツの有力紙が、日本の大メディアを正面から批判した論評として、大メディアの上部の皆さんは、謙虚に耳を傾ける勇気がありますか? ほとんど無いでしょうね。それこそが国際社会で日本をここまで雪隠詰めにした大きな原因のひとつなのです。あなた方も古い過去を反省しないで戦後日本を生き延びた過去の亡霊なのです。 ここまでくれば、反原発デモの現場で「マスコミは帰れ!」と避難される惨状を恥じる感性を持っている現場の記者の皆さんの良心と勇気に期待するしかないといえましょう。 ここで採り上げたリベラル紙だけでなく、保守派の有力紙も同様にほぼ例外なく安倍政権を危険視しています。これだけでも安倍政権の日本が、世界共同体から剥離することは、初めから判り切ったことなのです。 それをよく示したのが、メルケル首相の本日(17日)の外国人記者協会との記者会見でした。日本メディアからの安倍新政権に関する質問に対して「新政権が何をするかまずは待ちましょう」と、また尖閣問題に関しては「とても複雑です」と極めて注意深く、冷静に答えました。 通常であれば、かつてドイツのハイリゲンダムでのG8で既知である安倍氏の再選を喜ぶとの、最低限の外交辞令もあってしかるべきですが、それもありませんでした。 すなわち安倍新政権は初めから、「何をするか判らない」と距離をおかれているのです。日本は無視されつつあるのです。寂しい限りです。 それはそうでしょう。眼を丸くして探しても、世界中で安倍新政権を歓迎する報道は、読売新聞とサンケイ新聞ぐらいしかないのですから。こんなことは少なくとも戦後史で初めてではないでしょう

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