2012年12月1日土曜日

母の願いは「保養」でわが子の被曝低減~郡山市で避難・保養相談会. http://ameblo.jp/rain37/entry-11417475134.html 福島県内で今も続いている被曝からわが子を守ろうと、母親たちの〝頼みの綱〟となっているものの一つに全国の支援団体が実施している短期間の保養プログラムがある。国や行政の「安全安心キャンペーン」の下、福島県内からは被曝への危機感は薄くなるばかり。被曝を口にすれば地元で「神経質」「変わり者」と揶揄されることも少なくない。一方で県外避難も難しい…。そんな母親らが、週末や冬休みを利用して子どもを放射線量の低い土地に連れて行こうと、郡山市内で開かれた避難・保養相談会に集った。 【3カ月間で1mSV超の積算被曝量】 本宮市の母親(35)は、被曝が2人のわが子を直撃していることに心を痛めていた。 今夏、市の実施したガラスバッチによる被曝量調査で、小学校6年生の息子の3カ月間(7-9月)の積算放射線量が1.14mSVもの高い数値を示したのだ。これは、同時期に調査した本宮市の子どもの中で最も高い値だった。単純換算で年4mSVを超す被曝量。市職員が改めて測定したところ、自宅周辺の放射線量が高く、室内でも0.5μSVに達することが分かった。県外避難が頭をよぎったが、夫婦共働きであることが足かせとなった。逃げたくても逃げられない苦悩…。せめて被曝の軽減になれば、とこれまでも息子を一人で何度か保養プログラムに何度か参加させたが、今回は今年5歳になる娘も同行できる保養先を求めて相談会場に足を運んだ。 「週末だけでも私と2人の子どもで保養に参加すれば、自宅にいて被曝することを避けられます。今回、山形県に行かれそうな場所が見つかったので良かったです」と、母親は支援団体から受け取った多くのチラシを手に笑顔を見せた。現在、同じ本宮市内で放射線量の低い地域への転居を夫と検討中だ。 福島市の30代の母親は、原発事故直後から兵庫県の「宝塚保養キャンプ」に小学生の子どもを参加させている。クラスで唯一、給食の牛乳を拒否して水筒を持参させるなどして、わが子の被曝回避に努めてきた。それでも時間の経過とともに、被曝に関する話題を口にしづらくなっているという。 「文科省からの圧力なのか分かりませんが、『子どもたちの健康に影響はない』との姿勢は校長が替わっても同じですね。前例のない事故で、この先どうなるか分からないのだから、危険性はあるというスタンスで臨むのが自然でしょう?健康被害が生じる可能性はあるわけですから。どうしてそれができないのでしょうか」 1歳の息子とともに来場した本宮市の別の母親(35)は、妊娠初期に見た放射線量の数値が忘れられない。 「自宅アパートの雨どい直下で90μSVもあったんです。もはや不安を通り越して恐怖でした。つわりがひどくて県外避難もできないし、この子の身に何かあったらどうしようって悩みました。原発事故は私の責任ではないんですけどね。やっぱりやれることは全てやってあげないといけませんから、せめて保養に参加したいのですが、子どもが小さいと受け入れてもらえる保養プログラムも限られてしまって…。難しいですね」。内部被曝検査の際、問診した医師は、90μSVという数値について「線量計の故障だろう」と軽く一蹴したという。 郡山駅から市役所へ向かう「さくら通り」には、依然 として0.7-0.9μSVもの高い放射線量を計測するス ポットが点在する。県外避難が難しいのなら、短期 間の県外保養でも被曝低減になる 【保養先から郡山に戻れば被曝回避は〝少数派〟】 保養先から福島に戻ってきた際の苦悩について明かしたのは、郡山市で小学校3年生と5年生を育てる母親。 「保養先では、郡山の汚染や被曝の危険性について気兼ねなく話せるし、客観的に福島の現状を見られる。だから自宅に戻りたくないけど、再び戻って住まなきゃいけないのが現実。郡山に戻れば被曝を意識して回避しようとするなんて少数派です。保養に参加してリフレッシュして戻ってストレスを感じる。いつもその繰り返しなんです」 原発事故など無かったかのような街の光景。「屋外活動3時間ルール」の撤廃された学校の校庭では、子どもたちが落ち葉や土に触れながら遊んでいる。子どもの被曝回避のために声をかけたいが、無関心な母親を前にすると躊躇してしまうという。 「安全だと信じきっている人に対していたずらに不安を煽ることにならないか、余計なことなのではないかと考えてしまい危ないとは言いにくい」と表情を曇らせる。一方で、子どもたちの被曝を低減するためには、そのような無関心層にも保養プログラムの存在を知ってもらい、参加してもらう必要がると話す。 「関心がなければインターネットで検索することもないだろうし、情報にたどり着かない。そもそも『保養』という言葉を聞いただけで被曝とイメージが重なり敬遠してしまう母親もいます。どうやって保養の裾野を広げていくかが課題です」。他の母親たちと頻繁に議論を重ねているが、妙案はないという。 民の声新聞-相談会① 民の声新聞-相談会② 幼い子どもを連れた母親らの熱気があふれた相談 会場(上) 参加した各地の支援団体は、これまでの受け入れ 実績を写真などでアピールした。写真は「福島こども 保養プロジェクト@練馬」(下) 【国の責任で代替の住まいを用意するべき】 相談会を主催したのは、被曝を避けるために避難した人々と全国の支援団体で構成する「311受入全国協議会」(略称・うけいれ全国)。共同代表の一人、早尾貴紀さんは山梨県で福島の子どもたちを受け入れている。参加した親子の5組に1組ほどは県外避難を検討しているものの、仕事の都合や親の反対などから実際に動ける人は多くないという。 「最近は、首都圏からの避難に関する相談が増えてきた。今後は、千葉県の松戸市や東京都葛飾区など首都圏でも相談会を開きたい」 新潟県から参加した「福島サポートネット佐渡」はこの夏も、佐渡島で2週間の保養キャンプを実施した。メンバーは「これだけ保養プログラムへの関心が高いのか」と驚いた表情。相談に訪れた人の中には、ほとんど自宅に戻らずに保養プログラムを利用しながら各地を転々としている人もいたという。「本来なら、国が責任をもって子どもたちの被曝回避のために代替の住まいを用意するべきだ」と話した。 相談会は12月2日も、会場を伊達市の「りょうぜん里山がっこう」(伊達市霊山町大石細倉17)に移して開かれる。10時-14時。 問い合わせは共同代表の早尾さん☎070(6615)2989まで。 (了)

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