2012年12月8日土曜日

双葉町長井戸川 克隆さんのメッセ-ジ.(双葉町の未来のために) http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121201.html/  師走に入り、寒さが日一日と肌身に染みる季節となりました。そして今もなお不自由な避難生活を強いられている町民の皆さまのご苦労を思うと、来年は町の見通しが定まり、前進することができるよう新たな気持ちで取り組んでまいります。  原発事故を振り返りますと、原子力発電所は、町・県・東京電力の安全協定に基づき運転し、東京電力は絶対事故は起きない、安全であると言いきってきました。しかし、事故は起きてしまいました。原発事故は双葉町民に対する背信行為であることは言うまでもありませんし、国の指示により避難を強いられている私たちは最大の犠牲者であります。  そして事故から1年9カ月過ぎた今も正式な謝罪がなく、事故対応の会議も開催されておりません。そのような状況の中での避難指示区域の再編、再建不可能な損害賠償の提示、信頼性を欠いた県民健康調査など、どれ一つをとっても私たち被災者の人権を無視した形で進められていることを皆さんと共有し、対策を講じなければなりません。  私は、10月にスイスのジュネーブで開催の国連人権理事会の前日、原発事故の状況と懸念される放射能による健康被害について説明する機会を設けていただき、原発事故に関する人権問題を国際社会に訴え、支援を求めてまいりました。11月10日には平野復興大臣とともに双葉町に入り、セイダカアワダチソウの生い茂った田畑、雨漏りや傾いた住宅、寸断されたライフラインなどつぶさに町の現状を見ていただきました。いわき市の南台仮設住宅で行われた懇談会では「今後の方向性が示されていない」など、将来に対する不安の声が上がりました。私からは被災者の声を真摯に汲み取っていただくよう要望した次第であります。  しかし、町の行政だけでできることには限りがあります。双葉町には色々な知識や才能を持った人がいます。皆さん立ち上がってくれませんか。沈黙からは何も生まれません。共に声を上げましょう。そして7千町民と双葉町の未来のために町民の皆さまの英知を結集し、あらゆる困難にも負けず、生き抜くための権利を主張し、皆さんと共に取り組みましょう。  結びに、今年一年を締めくくるにあたって、双葉町民を受け入れていただいております関係自治体には物心両面にわたりご支援を賜り厚く御礼を申し上げます。また、人的支援を頂いております自治体、義援金などをお寄せいただいた皆さまに深く感謝を申し上げます。  平成24年12月1日.双葉町長 井戸川 克隆

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