2012年10月25日木曜日

(福島第一原子力発電所の事故により拡散した放射性物質の汚染状況調査報告ビデオ(2012年10月16日~19日実施) グリーンピース・インターナショナル 放射線防護アドバイザー リアナ・トゥール) (2012/10/23 グリーンピース放射線調査、福島市と飯舘村で実施 ――福島市内のモニタリングポスト 信頼性に疑問) http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2012412/pr20121023/ 国際環境NGOグリーンピースは10月23日、福島県の福島市内と飯舘村で10月16日から19日に行った放射線調査(それぞれ315か所、95か所)の結果を発表しました。県庁所在地である福島市内のモニタリングポストでは、設置場所の除染により周辺の放射線より低く表示される例が多く見つかりました。また、7月に避難区域が再編された飯舘村では、国から事業再開が認められた工場も依然として高濃度に汚染されていることを確認しました。 国際環境NGOグリーンピースは10月23日、福島県の福島市内と飯舘村で10月16日から19日に行った放射線調査(それぞれ315カ所、95カ所)の結果を発表しました(注1)。県庁所在地である福島市内のモニタリングポストでは、設置場所の除染により周辺の放射線より低く表示される例が多く見つかりました。また、7月に避難区域が再編された飯舘村では、国から事業再開が認められた工場も依然として高濃度に汚染されていることを確認しました。 今回の放射線調査では、福島市では福島駅周辺・渡利などの地区を中心に315カ所を計測しました。モニタリングポストは40カ所を調査し、75パーセントにあたる30カ所で、周辺の放射線量よりも低い値が示されていました。中にはモニタリングポストから25メートル以内の場所で、表示の値より4.5倍も高い放射線が計測された場所もありました。これは、モニタリングポスト設置場所の表土の入れ替えなどの除染措置が行われていたためと考えられます。また、避難区域が再編され、除染後に住民の早期帰還をめざす飯舘村では、95カ所で放射線調査を実施し、国から事業再開が認められた工場で毎時13マイクロシーベルト、近隣の住居で毎時9マイクロシーベルトのホットスポットも見つかりました。試験的除染が実施された草野地区では、毎時5マイクロシーベルトの場所もありました(いずれも高さ1メートルで測定)。 グリーンピース・インターナショナル放射線防護アドバイザーのリアナ・トゥールは、「政府のモニタリングポストは設置場所が除染され、数歩離れれば放射線値はすぐに高くなります。これらのモニタリングポストが、住民のみなさんに誤った安心感を与えるのではないかと懸念します。福島市全体としては除染は進んでおらず、多くのホットスポットが残されたままです。事故から1年半たった今でも、最も急ぐべき児童公園の除染も終わっていません。飯舘村では多くの除染作業が行われていましたが、森林に覆われたこの地域の除染には限界があります」と指摘しました。 グリーンピース・ジャパンのエネルギー・核問題担当の鈴木かずえは、「今現在子どもを含め、住民が住んでいる場所の除染を急ぐべきです。飯舘村では住まいや田畑が高濃度に汚染され、元の暮らしを取り戻すことは困難です。汚染されていない場所で新しい暮らしを始められるように、正当な補償をするべきです」と訴えました。

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