2012年10月26日金曜日

(矢ヶ崎克馬さんから.市民が命を守るために学習して、自分で判断して行動できるようにしなければなりません。そして勇気を出して発言してほしい。主権者が1人1人発言するとすごい力になり、やがて日本を変えていく力になります.) http://hibinoshinbun.com/ わたしは1974年に沖縄に渡りました。  40年前、人権も何もなく、アメリカに占領される時代が続いていた沖縄が我慢できず、大きな団結力で祖国復帰を成し遂げました。ちょうど、職を求めていた時で、沖縄の役に立てないかと思いました。   わたしは放射能の内部被曝の専門家ではなく、もともと物性物理学を専門にしています。その基盤整備をするために、沖縄に渡ったのです。  1996年、アメリカ軍が鳥島で1580発の劣化ウラン弾を打ち込む演習をしました。それが発覚した時、アメリカ軍の「劣化ウラン弾は放射能でない」という発表に、わたしは「うそをつくな」と発言しました。その時すでに、イラクのバスラ地区で大量 の劣化ウラン弾が使われ、大変な発がん、赤ちゃんの死産、奇形が報告されていました。以後、内部被曝の研究を始めました。   2003年には、原爆症認定集団訴訟の弁護団から内部被曝についての証言を依頼されました。文献を読みあさって、被爆者がどれくらい被爆したのかを調べ、ものすごい科学的操作が行われていることに気づきました。   広島に原爆が落とされたのは8月6日、長崎は3日後の9日。それから40日ほどして、日本列島は巨大な枕崎台風に襲われ、放射能が洗い流されました。かろうじて土に残っていた放射能を測定させて、それを科学的なデータとして、内部被曝など起こりようもないことにしてしまったのです。   実際には多くの人が放射能を吸い込み、健康被害を受けているにもかかわらず、国はずっと無視し続け、いまもその姿勢は変わりません。   国はいま、福島の地をどう抑えつけようかと考えています。力まかせに一生懸命、放射能環境は低いことにして、医療態勢も整えようとしません。   だから市民がいのちを守るために学習して、自分で判断して行動できるようにしなければなりません。そして勇気を出して発言してほしい。主権者が1人1人発言するとすごい力になり、やがて日本を変えていく力になります。学習して正しいことを知り、切り抜ける道を開くのです。市民が自ら判断することなしに、日本を改善していくことはできません。   沖縄の人たちはずっと、米軍基地に対してこころを合わせ、普天間基地を撤去して県内に新しい基地を造るな、オスプレイを入れさせない、と反対しています。こういう市民の意思表示があって、日本政府もアメリカもスムーズに新しい基地を造ることなどができないのです。   福島においても、地元の人たちが正しいことをどう判断するか。市民の力を福島で発揮することが、天と地を入れ替えるほどの大きな力になります。言わないと、何も起こりません。

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