2012年10月25日木曜日

(第13回目調査.福島県の福島市と飯舘村で行った空間放射線量調査) http://www.greenpeace.org/japan/monitoring/13th/ 東京電力福島第一原発事故からおよそ1年半が経ちました。 「政府の発表する情報を信頼していいのでしょうか…」「説明が不十分で、矛盾を感じる」といった声を被災者の方からお聞きします。 そこでグリーンピースは放射能汚染の状況に関して、福島県の福島市と飯舘村で独立性の高い調査を実施して透明性の高い情報を届けるとともに、住民の方々の状況をお伺いしました。 今回の調査は10月16日から19日までの4日間、福島県の福島市内 315カ所、飯舘村 95カ所、合計410カ所で実施しました。 福島市内 【調査内容】 通算6回の調査を行ってきた福島市では、以下の点を重点的に調査しました。 現在の空間放射線量を測定し、過去の調査結果と比較することにより、経過・傾向を把握する。 公的機関の「モニタリングポスト」の測定値が周辺の放射線量をどれほど的確に反映しているか検証する。 これまでの調査で見つかったホットスポットが除染されたか、対策の効果を検証する。 【調査結果】 多くのモニタリングポストで周辺より低い放射線表示 調査した40カ所のモニタリングポストのうち、75%に該当する30カ所が周辺の放射線量より低く表示されていました。 モニタリングポストから半径25m以内の放射線量を計測した結果、モニタリングポストの表示より4.5倍も高い放射線量を計測した場所もあります。 これは、モニタリングポストの付近だけが集中的に除染されていることなどが原因です。 政府による除染は不十分 福島市では、多くのホットスポットが残されたままで、効果的な除染が進んでいないことが分かりました。 児童公園さえ、除染が終わっておらず、放射線の影響を受けやすい子どもたちが安心して遊ぶことのできる環境ではありませんでした。 飯舘村 【調査内容】 2012年7月に避難区域が再編され、除染計画がたてられた飯舘村では、複数の環境における空間放射線量を測定しました。 また、村民の方たちへ聞き取りを行って現状を把握するとともに、避難区域の再編が適切かどうかを検討しました。 ※2012年7月17日、全域が「計画的避難区域」に指定されていた飯館村は、放射線量の高さに応じて、三つの避難区域に再編されました。 「帰還困難区域」:年間積算線量50ミリシーベルト超の地域。原則的に5年間立ち入り禁止とされる。 「避難指示解除準備区域」:同20ミリシーベルト超~50ミリシーベルト以下の地域。立ち入りはできるが、住民の帰宅まで数年かかるとされる。 「居住制限区域」:同20ミリシーベルト以下の地域。立ち入りはでき、住民の早期帰宅を目指すとされる。 ※グリーンピースの調査は「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」内で実施いたしました。 【調査結果】 飯舘村での除染には限界がある 避難している村民の帰還を目指し、飯舘村では政府主導による除染作業が多く行われていました。 草野地区では、試験的除染後でも、毎時5マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)を計測した地点がありました。 操業を再開した工場では、毎時13マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)の地点があり、近隣の住居では毎時9マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)のホットスポットが見つかりました。 さらに、森林に広く覆われた飯舘村の地理的な環境を考えると、除染の効果は相当限定的になると考えられます。 (結論) 今回の調査を通して、政府は以下の取り組みを強化する必要があるとグリーンピースは考えます。 *人口が密集している地域、子どもの生活環境を優先しての除染 *モニタリングポストの再評価 * 除染の効果の評価 (避難区域再編時などに)コミュニティを破壊しないアプローチ・意思決定への住民参画 * 適切な放射線防護の情報提供

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