2013年3月31日日曜日

(福島の破局的事故の健康影響-福島県「県民健康管理調査」検討委員会のプロジェクトと報告書についてのコメント.(クリス・バズビー。 ) http://labor-manabiya.news.coocan.jp/shiryoushitsu/Busby_fukushimaken_houkokusho_komento_matsuzaki_kanyaku.pdf グリーン・オーディット;臨時論文2011年。 アベリストウィス、イギリス、2011年8月27日。【翻訳: 鈴木宏子、松崎道幸(監訳)】 (コメントを出すに至った経緯。) 日本の京都を本拠地として活動しているグリーン・アクションから、『平成23年度第3回福島県「県民健康管理調査」検討委員会次第』の英語訳が届きました。以下に2011年7月24日に福島県本庁舎で行われた会合の議事録とこれに付属する資料[1]についてのコメントを記します。 (人体汚染の測定結果について。) 『平成23年度第3回福島県「県民健康管理調査」検討委員会次第』[1]の3~6ページ(日本版では4~8ページ)には、109人を対象にしたと思われる被ばく調査の測定結果が載っています。ここでは(1)セシウム137とセシウム134の核種をホールボディカウンターで測定した結果と、(2)尿サンプル中に含まれるセシウム137とセシウム134、ヨウ素131を測定した結果が記されています。ホールボディカウンターによるセシウム測定の結果からは、検出限界(320ベクレル)から3500ベクレル程度の被ばくが読みとれます。しかし度数分布を示す柱状グラフはなく、4ページ(日本版では5~6ページ)のセシウム137とセシウム134の相関関係を示す図表にはデータ点が35点しかありません。3ページ(日本版では4ページ)のグラフによれば109人の住民が検査を受けたはずなのに、これはおかしいのではないでしょうか。それにそもそもこの場合、被ばく量の分布を示すのですから度数図として示すべきなのです。同様に、5ページ(日本版では7ページ)の尿についての結果も、セシウム137では23点、セシウム134では26点しかデータ点がありません。 ヨウ素の測定結果や甲状腺部スキャン検査結果についても触れられていません。その上、危険な核種であるストロンチウム90、ストロンチウム89、バリウム140、トリチウム、炭素14、硫黄35、ウラン238、ウラン235、プルトニウム239も測定されていません。 以上、『平成23年度第3回福島県「県民健康管理調査」検討委員会次第』の内容については一見しただけで (1) 記述が科学的に不適切。 (2) 79人分のデータが示されていない。 (3) 甲状腺のガンマ線スキャンが行われたがその結果が示されていない。 (4) アルファ線およびベータ線を出す核種の測定が行われていない。 ということが言えます。 つまりこれらの測定結果はいずれも「科学とはほど遠いもの」として破棄すべきでしょう。 原子力発電推進派に都合のよい解釈がなされている点について 測定結果にはさほど紙面がさかれていないのに、誤ったコメントやひどく危険な方向に捻じ曲げられた「科学的説明」が長々と述べられています。いくつか例をあげてみます。 ● 7ページ(日本版では8ページ) この表には「100mSv以下:がんの過剰発生が認められない」と書かれています。これは事実に反し、がんの過剰発生を裏づける例が科学論文にいくつも示されています。体内に入った放射性核種によって被ばくした場合、吸収線量が0.1mSvと非常に低くてもがんの過剰発生が見られます[2]。10mSv被ばくした子どもではがんの過剰発生が40%におよぶという研究もいくつかあります[3]。チェルノブイリ事故後では、2mSv以下だったと判定されている被ばく量でもがんの過剰発生が認められているのです[4]。これについての詳細はECRRによる2009年と2010年の報告書を参照して下さい[5, 6]。 ● 8ページ(日本版では8ページ) 「放射線量とがん」以下の文章でも100mSv以下の被ばくでがんが増加するかどうか述 べられていますが、やはり正しくありません。これは原子爆弾の調査から得られた結論ですし、広島と長崎に落とされた原爆の犠牲者の受けた被ばくのうちどれくらいが内部被ばくであるかが不明だからです[6, 7]。外部被ばくでも内部被ばくでも線量が同じならばリスクは同じという見解には科学的根拠はなく、むしろ全く反対なのです[2, 6]。 ● 16、17ページ(日本版では15~16ページ) 『(16ページ)…東京電力福島第一原発事故による放射線の健康影響については、現時点での予想される外部及び内部被ばく線量を考慮すると極めて少ないと考えられます。しかしながら、チェルノブイリで唯一明らかにされたのが、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんの増加であったことから…』『(17ページ)…チェルノブイリ原発事故で唯一明らかにされたのは、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんの増加のみであり、その他の疾病の増加については認められていません。』というくだりがあります。これら見解は明らかにまちがいです[4-6]。また何の調査もしないうちから結論を決めてかかっています。 (セシウム137の吸収線量の計算について) 福島県民の被ばく量は、外部被ばくと内部被ばくの両方を明らかにして計算すべきと考えます。外部被ばく量がどれくらい増加したかについては、かなり簡単に計算することができます。平均超過外部線量率がわかっているためです。つまり、当初はヨウ素が原因で平均超過線量が高く、次いでセシウムによる表面汚染から一定の被ばくを受ける環境に1年いたとすると、1μSv/h、すなわち9mSvの被ばく量となります。ところで福島県当局が内部被ばくを判定するために用いたのは、セシウム134、セシウム137、ヨウ素131です。そしてICRPの線量係数による吸入および経口摂取モデルから内部線量を計算しています。核種としてセシウムとヨウ素を採用しているのは、セシウムとヨウ素が強力なガンマ線を出すために比較的計測しやすいからです。その例として、以下の図1に、福島原発の原子炉から100km離れた地点を走っていた車のエアフィルターを検査して得られたガンマ線スペクトルを示しました。さらに表1にICRPの線量係数とECRRの線量係数の比較を示しましたが、この表を見ると、セシウムの線量係数よりも、福島原発から放出された他の核種(特にアルファ線を出すウランとプルトニウム、またストロンチウムなど)の線量係数のほうがずっと高いことが明確にわかると思います。 もちろん福島県当局は、これを承知の上でこの報告書を作成したのにちがいありません。上で取り上げた事情や、他の核種による内部被ばくにまったく触れていないのはそのためです。それに体内に取りこんでしまった放射性微粒子から様々な種類の被ばくを受けるという事実(こうなると吸収線量という考え方は適用できません)を問題にすらしていません。ECRRでは内部被ばくに20倍から1000倍の重み付けをしています。 図1.福島第一原発から100kmの地点の自動車のエアフィルターから回収された汚染粒子のガンマ線スペクトル.セシウム134のピークが明確に描記されている. 原発事故による放射線被ばく問題は、このようなやり方で収拾されてきました。チェルノブイリ事故の時にIAEAが行ったように、被ばく量をセシウム137だけに限定して、ICRPの線量係数を用いて計算されることになります。この報告書には、ホールボディカウンターで最大3500ベクレルのセシウム137が検出されたと述べられています。セシウム137のICRP線量係数(表1)は、3.9×10-8ですから、(50年間の)実効線量は0.13mSvとなります。これは自然放射線量の10分の1以下の線量です。福島県当局はこのようなわずかな被曝で健康被害が起きるはずがないと言うでしょう(すでに言っていますが)。これも事実を隠ぺいする手法の一つです。しかし、もしホールボディカウンターで計測された人が計測値の10分の1の線量のプルトニウム239とウラン238を体内に取り込んでいたなら、どうなるでしょう。プルトニウムとウランはアルファ線を出す核種なので、ホールボディカウンターでは線量を測定できません。350ベクレルのプルトニウム239は350×6×10-4=210mSv(ICRPおよびECRR)、350ベクレルのウラン239はICRPの線量係数で2.8mSv、ECRRで 280mSvの被ばくを成人にもたらします。これらの物質は尿から簡単に検出できますが、そのような測定が行われたという記録は見当たりません。 県民健康管理調査(報告書9ページ以降参照) 汚染地域に住む県民の健康調査を担う県上層部のチームが適切な健康調査項目を設定せずに、主に心理的精神的問題に的を絞った調査を行おうとしているのは実に奇妙です。しかしながら、その理由はこの管理調査と言う名称に如実に示されています。疫学調査ではないのです。このような調査内容にした理由について当局は次のように主張しているのです。 1. 被ばく線量は少ないため、ガン、白血病およびその他(心臓病、脳卒中、体調不良、早老化、消化器疾患、先天性疾患、生殖障害など)の病気は発生し得ない。 2. これらのことはチェルノブイリにおける(バイアスに満ちた恣意的な)研究調査ですでに分かっている。また世界保健機関の分析も参考にしている(世界保健機関は、核エネルギー推進を使命とするIAEAの従属機関である)。 3. したがって、1に列挙した健康影響が日本の他の地域よりも福島の汚染地域で増加するかどうかを調査する必要性は存在しない。 4. 調査で得られた結果は疫学的証拠とはなりえない。何故なら、これは疫学調査ではないからである。たとえ健康影響が増えたという逸話的事象が発生したとしても、それは、放射線恐怖症によるものである。心理的精神的問題は住民の精神状態を調査してカウンセリングを行うことで解決されるだろう(18ページ)。 5. 超音波による詳細な妊婦健診(19ページ)により障害のある胎児の妊娠中絶が可能となり、これにより先天奇形の発生率を低下させることができるだろう。 6. このようにして、今回の大事故の真の健康影響を管理することが可能となる。 この健康管理調査の概要から、以上のことが明らかに読み取れます。まともな疫学者なら、速やかに、ガンと白血病の発生率、心血管疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、生殖障害、免疫疾患、出生関連疾患、乳児死亡率などに関する健康状態についてのベースライン指標を明らかにするための適切な科学的調査の準備を行うでしょうが、健康管理調査検討委員会は、まったく疫学的調査を行おうとしていません。まともな疫学研究者なら、今後住民を追跡して、病気が増えないかどうかを明らかにしようとするでしょう。しかし、検討委員会は、最初から、放射線被ばくによって病気が増えるはずがないと決めつけています。これは科学と言えません。また、健康被害が起こるはずがないという推論自体が、放射線被ばく状態の不完全な評価に基づいているのですから推論科学とも言えません(広島の原爆被ばく被害との誤った比較を別としても)。これは純然たるごまかし以外の何物でもなく、検討委員会のメンバーは、全員法廷に召喚して弁明を行わせ反対尋問を行う必要があります。( 結論) この健康管理調査に関する文書は、県当局が放射線被ばくの健康影響を隠すための計画を推進する立場にあることを早々と示す衝撃的なものです。以前の(チェルノブイリの:訳者加)経験から、以下に示す様々な方策が講じられるだろうと予測できます。 (1) 放射線曝露量を少なく見積もる。 (2) 被ばく核種をセシウムとヨードだけに限る (3) 健康影響を調査しない (4) いかなる健康被害も精神的なものであると言い逃れる 日本もソ連と同じ対処をすることがはっきりしました。チェルノブイリ事故後に駆使されたすべての戦術が福島で再び行われています。 勧告 1. 「県民健康管理調査」検討委員会は、法廷で心神喪失および共同謀議の有無について審問を受ける必要がある。 2. 当局とつながりのない独立した機関による健康調査を実施すべきである。 3. アルファ線発生核種およびオートラジオグラフィーによる粒子検査などの生体資料に関する独立した計測を行うべきである。 (C. Busby) 【原文】 The health outcome of the Fukushima catastrophe Comments on the projects and reports of the Review Committee for the Fukushima Prefecture “Prefectural Peoples Health Management Survey” Prof. Dr Chris Busby。 (原文.PDF.論文) http://www.crms-jpn.com/doc/CommentForFukushima.pdf
◆米国の夢を実現する日本の政治の劣化(その1)◆兵頭正俊. 3月26日に、財団法人日本青少年研究所が、高校生の意 識調査の結果を公表した。この調査は昨年9~11月、日 本、中国、韓国、米国4か国の高校生計約6,600人にアン ケートした。それによると日本の高校生の「出世欲」の 低さが際だつとした。 同研究所はその理由として「不況の影響か、『とにかく 就職さえできればいい』といった意識が5垣間見える」 と分析している。 バカな分析だ。「偉くなりたいと思うか」という質問に 「強く思う」と答えたのは、中国37%、米国30%、韓国 19%で、日本はわずか9%だった。 日本の若者が将来に夢を持たないというのは、これまで も様々な調査から明確になっている。何も「不況の影響 か、『とにかく就職さえできればいい』といった理由の ためではない。 若者が夢を持たないというより、夢を持てない社会を大 人が作ったのである。正確にいうとこの国の既得権益支 配層が、とりわけ自民党の政治が作ったのである。 高校生が将来偉くなりたいと思わないのは正しい。 なぜなら偉くなりたいと思っても、今の日本では不可能 なことをよく知っているからだ。 米国や中国にはまだその可能性があるのである。だから 高校生たちは夢を持てるのだ。 我が国の若者はデモひとつしない。デモをやって、もし 警察に捕まったら、学校ににらまれ、「反社会的」 「危険人物」 「過激派」の烙印を押される。 デモは世直しの行為であり、この国を愛するからこそ立 ち上がった、考える若者たちの行為であるという共通認 識が、 68~69年の全共闘運動の敗北以来、既得権益支 配層によって奪われた。そしてそういった若者の主張を 決して社会が受け入れない時代が続いている。 60年安保闘争、全共闘運動では、まだそういった認識が 政治家にも知識人にもマスメディアにも存在した。 今の若い人たちは意外に思うかもしれないが、新聞はも ちろん、テレビ、週刊誌、月刊誌も、スクラムを組んで 立ち上がり、政府に抗議のデモをする若者たちに理解を 示していたのである。 路上の市民からの声援はもちろん、デモの若者にカンパ する市民も大勢いた。 この国は変えられる、この社会は変えられる、という共 通認識が若者にも大人にも存在した。それが今はもうな い。 68~69年の全共闘運動の敗北以来、若者はもう立ち上が らない。むしろ資力さえあれば考えられるのは国外への 脱出であり、移住なのだ。 大学知を批判した教え子たちを、警察権力に引き渡した 大学教師は自信を失って沈黙し、消費税増税にも原発再 稼働にもTPP参加にも何も発言しない。 大学知は国民との接点を失い、状況から逃げ回るばかり だ。たまにメディアに登場する大学教師はほとんど御用 学者であり、既得権益支配層を支持することしかいわな い。その理由は明白である。自分たちが既得権益支配層 そのものだからだ。 ◆米国の夢を実現する日本の政治の劣化(その2)◆ ━━━━━━━━━━ 政治の劣化はもっと著しい。民主党の野田佳彦はTPP参 加に賛成しながらISD条項を知らなかったし、自民党の 安倍晋三は「憲法改正」を唱えながら、我が国の憲法学 会で最も著名な憲法学者の名前を知らなかった。 安倍晋三の、この体たらくが明確になったのは、2013年 3月29日の参院予算委員会でのことである。民主党小西 洋之の、「安倍総理、芦部信喜さんという憲法学者ご存 じですか」との質問に、安倍は「私は存じ上げておりま せん」と答えた。「私は憲法学の権威でもございません し、学生だったこともございませんので、存じ上げてお りません」 ところが質問した小西は、事前に質問を通告し、当日に 資料配布もしていたというから呆れる。 芦部信喜(1923~1999)は、べつに法学部の学生でなく ても一般教養で憲法を学べば必ずといいほど名前の出る 学者である。 わたしは学生時代に文学部で日本文学を専攻した。しか し、憲法の宮沢俊義、民法の末川博、我妻栄、刑法の団 藤重光といったところは学生時代に著作を紐解き、末川 博の講演は何度となく聴き、個人的にも話を伺い、氏の サイン入りの著作もいただいた。 デモをしない学生も梯明秀や丸山眞男、吉本隆明、黒田 寛一といったところを読んでいたし、読まない向きも名 前は知っていた。 こういうのが60年代、 70年代の大学を覆っていた一般 的な空気であった。 それが安倍晋三のように「憲法改正」を長年の政治的主 張としている政治家が、我が国で最も著名な憲法学者に して、文化勲章授章者の名前も知らなかったというのは、 笑い話では済まされない。 なぜなら参議院選挙の後に、安部晋三を先頭に押し立て 「自・公+民主党のA級戦犯たち・維新・みんな」の対 米隷属勢力は、「憲法改正」に突き進むからである。こ の程度の憲法認識、このレベルの無知、このように不勉 強で軽い人物によって、 TPP参加後に植民地と化した我 が国の改憲は実行されるのである。このことは覚悟して おいた方がいい。 質問した小西洋之は3月30日に次のようにツイートして いる。 「要するに安倍総理は憲法を何も理解せずに、無邪気か つ無責任に憲法改正を唱えているのです。幾多の立法を 行ってきた私の感覚では、自民党草案では第13条を改正 しているのだから、誰よりも憲法改正に熱心な安倍総理 は当然に現行憲法13条の存在も内容も即答出来ないとお かしい」 (引用終わり) 安倍晋三がこの国をたたき売ろうとしている米国は、冷 静にかつ冷酷に我が国を見ている。1999年に犬HKで放送 された「地球・豊かさの限界 第1集一頭の牛が食卓を 変えた」で、アール・バッツ米元農務長官は次のように 語っている。 「食料はアメリカが持つ外交上の強力な手段である。と りわけ食糧を自給できない日本には有効な手段だ。日本 に脅威を与えたければ、穀物の輸出を止めればいい。も ちろん、それはあってはならないことだ。しかし、何か 事態が悪化して、そうせざるを得なくなれば、日本はひ どいことになるだろう。」 (引用終わり) アール・バッツの語ったところは食糧安保の常識の類で ある。 TPP参加後に日本の農業は壊滅する。一時的に安 い農産物が米国、カナダ、メキシコから入ってきて喜ぶ のはあまりにも情けない話である。 以後、日本は食料を交渉のカードにされ、防衛、金融、 医療、教育とすべての分野において、さらなる隷属を迫 られることになる。 日本の劣化した政治は、実は好きなように米国の夢を叶 えてくれる希望なのである。飢餓を脅しの材料に使いな がら、真のターゲットは、我が国の郵貯マネー約270兆 円、保険医療を通じた日本人個人資産700兆円である。 それも簒奪された後には、我が国は、文字通り食べ物を 分けてもらうために必死に働き、富を米国に献上し続け る奴隷国家になる。 自明のことを述べるが、食料を分けてもらえるのは、米 国、カナダ、メキシコ等で余剰があった場合の話である。 世界的な不作・飢饉で、自国の国民に食わせるのはやっ との状態になれば、当然、日本への輸出は止められる。 「日本はひどいことになる」というのはそういう意味だ。 ◆米国の夢を実現する日本の政治の劣化(その3)◆ ━━━━━━━━━━ 話を元に戻すが、この参議院でのやりとりはネット上で も顰蹙を買っている。次の書き込みがその代表的な感想 であろう。 「法学部卒で憲法を論じるのに芦部信喜知らないって、 ON知らずに日本のプロ野球語るようなもんだぞ」 「つか芦部を知らない程度に憲法に興味がないのにどう して改正だけはしたがるのかよく分からない。興味があ ったらまずは基本書読んだりして勉強するだろ」 「ちなみに、経済学をやった人がケインズを知らないっ てドヤ顔でいうレベルのこと」 「憲法知ってることの根拠として芦部を使った片山さつ きに、お宅のトップ貴方の師匠である芦部知らないのに 憲法改正唱えてるんだけどどう思う? って聞きたい」 (引用終わり) 国政のトップがこの体たらくであるから、末端の政治は もっとひどいことになっている。 『朝日新聞』が2013年3月30日付けで「市民の陳情書を ゴミ箱に 大阪の維新市議、ブログに写真」と題して次 のように述べている。 「大阪維新の会の井戸正利大阪市議(50)が28日、自ら のブログに、市による東日本大震災の災害廃棄物処理に 反対する市民が寄せた陳情書をゴミ箱に捨てた写真を掲 載し、「(陳情書は)市外からの扇動家が送り付けてき たデマだらけのメチャクチャなもの」などと書き込んで いたことがわかった。29日に削除したが、ネット上で批 判が相次いでいる。 大阪市は2月から岩手県の災害廃棄物を受け入れ、焼却 後に埋め立て処理を始めた。29日閉会の市議会では処理 費用を盛り込んだ新年度予算案が可決され、処理に反対 する多くの陳情書は採択されなかった。 井戸氏は元大阪府参事で一昨年の市議選で初当選した。 ブログでは、陳情書を捨てた写真とともに「仮置き場で ある机の上に山積みしていたのが片付きました、あとは 焼却処理あるのみ」と記載していた。 井戸氏は朝日新聞の取材に「誤解を与える表現だった。 申し訳ない」と話している」 (引用終わり) このレベルの政治家が多すぎる。この人間としての幼稚 さ、政治家としてのレベルの低さには暗澹とさせられる。 市民の陳情書をゴミ箱に捨てる行為ももちろんだが、そ の行為を写真入りで自分のブログに貼り付ける行為には 唖然とさせられる。想像力も政治家としての見識も皆無 である。 「誤解を与える表現だった。申し訳ない」という弁明も 紋切り型のものだ。大阪維新の会の井戸正利市議は、誤 解など与えてはいない。国民は正確に井戸正利を見たの であり、政治家としての資質がないことがはっきりした のだから、井戸は責任を取って市議を辞めるべきである。 米国の夢は、日本の政治の劣化によって実現される。く るくる変わる総理も米国にとっては歓迎すべき事象だ。 その度に長期政権を懇願して宗主国へ貢ぎ物がなされる からだ。 この劣化した政治が参議院選挙の後にTPP参加を決め、 新しい植民地の憲法を決めて行く。その草案はすでにで きている。 次の参議院選挙が決定的に重要である。ネット上の表現 で完結してはならない。ネットとリアルを往還し、リア ルでの賛同者を5人、10人と増やして行かねばならない。 何よりも投票所へ赴かねばならない。政治をバカにして 棄権したとき、その後に襲ってくる空白の3年間は、ネ ットもリアルも変えてしまい、往還を許さぬものになる だろう。

2013年3月28日木曜日

(Fukushima Children and Radiation/【日本語字幕付き】放射能と子どもたち )
(甲状腺を守るために.チェルノブイリへのかけはし.) http://www.kakehashi.or.jp/?p=8254 ベラルーシでの甲状腺癌のスクリーニング. 目的は、子供たちの健康を守ること、早期発見・早期治療 ・事故当時0~18歳までの子供たちを第一のリスクグループとする (事故当時18~40歳までは、第二の注意を要する年代) (のうほうや結節などの異常があった場合(子供)) *年に2回はスクリーニングが原則. *・結節があった場合は特に注意、その結節の大きさによっては2~3ヶ月ごとにエコーの検査を受ける もしも、結節が成長しているようなら、大きさに四の五の言わず、すぐに(その場で)穿刺もすることもある。  穿刺については、日本の医師は、特に子供については、このぐらいならまだ様子をみたほうがいいとか、あれこれ言うでしょう。これは、心情としてはとてもよく理解できます。 小さな子供の甲状腺に穿刺する経験などないですし、第一、そんなこと、以下でのべる盗人たちが、日本の医師たちに隠しているからです。 つまり情報の開示をあえてしていません。 これでは日本の他地域の医師が勇み足で何かできるということはありえないでしょう。 のうほうだから、心配ない、というふうにあなどらないことです。 もちろん、私たちが被ばくしていないときは、それで良かったかもしれません。 今までの「常識」は通用しない。 しかし、「放射能」という変数が何をしでかすか、27年たったベラルーシでもまだ未解明のことがたくさんあるのです。 たとえば、最近、大学生にも、甲状腺の癌がみつかっていると。 これは当然、事故後に、放射性ヨウ素がなくなったときに生まれた世代です。 (もちろん、パンダジェフスキー博士によると、甲状腺にセシウムが蓄積していたという話もありますが、)いったい何がこの癌の原因なのか「科学的」に解明するためにはまだまだ時間がかかるでしょう。お母さんたちは、昨日のブログに書いたように、まず、自分がしっかりしてください。 自分がしっかりしてないと、子供も家族も守れない。 今までのように、きれいでフワフワしているお母さんでいられないかもしれない。 しかし、そんなことは、どうでもいいことです。 子供が小さいお母さんも必ず検査を受けること。あのとき、日本人のほとんどが初期被ばくしてしまった。 これは関東を含め広い地域に放射性ヨウ素が拡散しています。 そして、おばかな東大の学者あたりが、放射性ヨウ素の付着したほうれん草を食べて大丈夫とテレビで推奨して歩いた。給食では関東の葉物野菜や、牛乳をどかどか子供たちに与えていました。 つまり、私たちのほとんどが時限爆弾を抱えてしまっている。それが爆発するかどうかはかみのみぞしる。 だからこそ汚染地帯の子供達は保養に出た方が良い。 特に、ベラルーシの子供たちの小児甲状腺がんをあそこまで拡大させたことは、日本の一人の医師に責任があります。 私は何度も書いていますが、重松逸造氏というヒロシマの放射能影響研究所の所長として、IAEAの調査団長として、「これは風土病である」と、して、当時潜伏期間4年をすぎたあたりから激増している小児甲状腺癌に対して、がんとして放射能のせいとして認めなかった。 あらかたデータをとったあとで、日本人がここでまた「これは放射能のせいである」と認めた。 ナガタキという長崎の医師です。 この間、甲状腺癌は放射能のせいであるけれど(そんなことたあ、言わずもがな)世界中の科学者たちは、国連傘下IAEAの言うことを「是」として、旧ソ連の科学者や医者たちの言うことを否定し続ける中で、子供たちの治療を続けそして、数(データともいいます)があきらかに異常であることをベラルーシの証明しなければなりませんでした。 最初にヒロシマの医者が、NOをつきつけ、ナガサキの医者が、これは放射能のせいである!と烙印を押す、みごとな筋書きをいったい誰が考えたというのでしょう。 想像もつかないそのカラクリにあらためてめまいを感じます。  ヒロシマとナガサキの間に、山下氏と笹川財団が入り込み、甲状腺のスクリーニングを移動検診車で行い「数」や症例を調査しまくります。見た目には救援にみえたでしょう。 しかし、菅谷先生とやっている動機がまったく違ったのですね。  つまり、ほかの国には、これは風土病としておきながら、そうじゃないと知っている人間たちがしらんふりして調査を続けて、「放射能のせいだ!」と発表したときは、すでに彼らが「甲状腺癌の世界基準」になっている。  その世界基準がフクシマ事故のときに、まっさきに「放射能アドバイザー」として法的になんの責任能力もない立場で、福島県民だけをねらいうちして、被ばくさせまくった。 そして、彼は同時に関東ほか地域に住む人たちを無視することによって彼らもまた放射性ヨウ素にさらされまくった。自分たちさえ良ければいいという、日本人の心性を知り尽くしている。 かくして、みんな思惑通り被ばくさせられ、福島県民健康調査だけを行うことにより、批判を集中させ、関東の子供たちのことをみんなすっかり忘れています。 さて、以下の甲状腺盗人たちが事故当時、そして今もどんなでたらめを振りまいているか。 まず、チェルノブイリ牛乳犯人説。 こんな話はベラルーシではやはり?ですね。私も聞いたことが無かった。こんな決めうちできるほうが科学的におかしい。食べ物が汚染されて牛乳だけ犯人というのも、不思議なものです。 そして、空気からの吸い込みが60%とはっきり現地のドクターたちが言っています。 ええ、彼らがどんなに言っても、ご意見番・長崎としては認めなければいいんです。 どうやって? 「ヒロシマとナガサキからみて、それはありえない。なんせ100ミリシーベルトの被ばくで、10年たってからでないと癌はあらわれないから」というお馬鹿学説。 日本に科学者はいないのか? さて、あの福島原発事故当時、いちばん良かったのはヨード剤を飲んで、子供たちや若者は屋内退避するしか方法がなかった。どんなレベルの放射性ヨウ素であれ。 (もちろん甲状腺免疫不全症など害のある人もいますがその人達以外の人間を被ばくさせました) どうですか?今、同じ季節でしょ? あのとき、自分たちが外に出て何をしていたか、記録してください。 自転車に乗っていた、花見していた、いろんなリスクを背負わされたと思います。 フクシマ応援野菜も相当広範囲のスーパーで安売りをしていたはずです。 それから、次回の検査は「2年半後」はすでにナンセンス。 アドバイザーみずからが、ベラルーシでは半年に一回とアドバイスしてきてるんですから。 最低でも半年に1回。費用は国で持て!土壌から放射能が検出されている地方自治体には母親たちが国費で健康調査をするようにまず道を開いてください。 これは、自分の命をかけてもやりぬくことです。 そして、ベラルーシでは土壌の汚染がさほどなくても、甲状腺が発生し続けている地域がある。 これは今、ガンマ線が検知できなくても、事故当時ヨウ素のプルームが訪れたのでは無いかと推測するしかない。 つまりは、日本政府は子供たちの甲状腺スクリーニング体制を、ベラルーシ以上の精度と制度を構築して行うべきです。 以下に、甲状腺の薬のメーカーが、「放射能と共存するリスクを受け入れるように福島県民にうながす」医師たちをバックアップするためにのパンフレットをつくり、福島県に流しているという、破廉恥きわまりない行為を紹介します。 詳しい中身はこの医薬品メーカーに問い合わせしてもいいと思います。 (あまりに不愉快かつ非科学的なので紹介することのほうが、害になると思います)

2013年3月27日水曜日

『政府、汚染の深刻さを未だ理解せず』~ベラルーシで医療活動を行った菅谷市長が語る真実~ http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/a2329b0877c1c65dab1b6e7123a9bfb6 今回再褐させていただくのは、松本市長の菅谷昭氏による極めて有益なコメントが満載のインタビュー内容である。 実際に以下に列挙したコメントを読めばお解りのように”金言”に溢れた内容である。 ○「より心配なストロンチウムの情報を仮に政府が持っていて、敢えて表に出さないのであれば、それは隠蔽だ」 ○「今回の事故で放出された放射性物質はチェノブイル事故の時の10分の1~2程度と言われていたが、この図を見ると、むしろ福島の方が汚染度合いは高い」 ○「野田総理(※当時の政権)も住民の帰還を復興の重要課題に掲げ、除染を早く終えて、軽度の汚染地域には住民を戻すように指示している。 しかし、それは汚染の深刻さが全く分かっていない行動」 ○「国策としてせめて子どもたちだけでも避難させるべき」 ○「国は、除染に過度に期待しすぎていると思う。 安全レベルまですべてを除染するためには、恐らく数十~数百兆円がかかるのではないか」 ○「除染の効果が疑わしいのに数年で帰還させるような指示を国のトップが出すということは、やはり、政府は汚染状況がいかに深刻なのかがわかっていない」 ○「今回の件で、原発を推進していたトップの方や関係者などが謝罪して辞職するようなことも無く、まるでこの事故を他人事のように話をしている姿をテレビなどで見ると、原発に対する国の考えや体質は何も変わっていないように感じてしまう」 フクシマ原発事故の記憶が日々薄れ、なんとなく原発再稼動で仕方ないのではないかとの空気感が漂い始めている今こそ、このインタビュー記事を一人でも多くの方に拡散いただければと改めて感じる次第である。 【必読記事】『政府、汚染の深刻さを未だ理解せず』~ベラルーシで医療活動を行った菅谷市長が語る真実~ 2012年03月21日 菅谷昭(すげのやあきら)松本市長は、医師としてチェルノブイリ原発事故の放射能汚染により小児甲状腺ガンが増加していたベラルーシの国立甲状腺ガンセンターで医療支援活動をおこなったという経歴をもつ人物である。 一言で言えば、付け刃ではない”ホンマもん”である。 以下に転載した菅谷市長の指摘・コメントは、その一言一言が経験に基づく”重み”を持っており、小生のような付け刃の”ぱちもん”がコメントを挟むことなど不要であろう。 これを読めば、この1年余りの間、政府・官僚・東電らが行ってきたことが如何に”犯罪的”かということを実感すると共に、改めて”強い怒り”を覚えることであろう。 こんなに素晴らしい見識をもった市長が身近にいるにも拘らず、「金融ファクシミリ新聞」のような超マイナーな媒体しかその声を積極的に取り上げないというのはどういうことであろうか? その事実こそが「日本の不幸」と言ってよいであろう。 小生の能書きはこの辺にして、兎にも角にも読むべし! 松本市長 菅谷 昭氏 聞き手 編集局長 島田一 ――福島の原発事故から1年。この間の政府の対応を振り返って…。 菅谷  今年1月、日本政府は原発事故の放射能汚染問題や健康被害の情報を得るために、チェルノブイリ原発事故を経験したウクライナ共和国と協定締結方針を定め、続いて2月には隣国のベラルーシ共和国とも協定を結んだ。私としては、「やっと、か」という思いだ。 私は福島で原発事故が起きた当初から、放射能汚染の問題についてはチェルノブイリに学び、チェルノブイリから情報を収集することが大事だと訴え続けていた。 また、原子力安全委員会は今年2月に、ようやく原発から50Km圏内の全戸にヨウ素剤を配布すると提言したが、私は事故直後からヨウ素剤服用の重要性を説明し、さらに服用に関しては、基本的には被曝する前に摂取しなければ効果が低いということも言ってきた。 遅きに失したが、チェルノブイリ原発事故を知る現地の研究者たちと交流を始めたことで、政府内には治療方法や汚染の詳細データ、原発事故による健康や環境への影響についての情報が出回り始めたのだろう。 私としては、なぜ、それをもっと早くやらなかったのか、正直大変に驚いている。結局、政府はいざという時の対応が全く出来ていなかったということだ。 ――まだまだ伏せられている情報がたくさんある…。 菅谷  汚染マップなどが一般公開されなければ、国民は情報を得ることが出来ず、正確な判断が出来ない。 中でも私が心配しているのはストロンチウムについての情報だが、仮に政府がその情報を持っていて、敢えて表に出さないのであれば、それは隠蔽だ。 また、甲状腺がんを引き起こす原因となる放射性ヨウ素の汚染マップも出されていない。 今、手に入るセシウム汚染状況を見るだけでも、放射性ヨウ素に汚染されている人が予想以上に存在するのではないかと心配している。そもそも日本では、放射能汚染基準として世界中が採用しているチェルノブイリ基準を採用していない。 これも驚くことだ。 さらに、「シーベルト」という単位と「ベクレル」という単位を平行して使っているということも、色々な判断を行う際に混乱を招いている一つの原因だと思う。 出来れば「ベクレル/平方メートル」で統一すべきだ。 1年前から私がずっと叫んでいたこのような声が届いたのか届かないのか分からないまま、1年が経ってしまった。 この間にも放射能汚染地域に住んでいる方々は被曝し続けていると思うと、いたたまれない思いだ。 ――国に現場の声を拾う姿勢があまりにも乏しい…。 菅谷  政府が対策委員会を開いても、結局、メンバーの中に放射能災害の現場が分かっている人がいなければ話は前に進まない。 実際に参考人として招致される学者の先生方は、ほとんどが本当の事故現場を知っている訳ではなく、机上の空論だ。 そして、目下、出てくる情報は予想を遥かに超えて汚染が酷い。 8月末に文部科学省が一般公開したセシウムの汚染マップ(※図1)は、それだけを見ても普通の人ではわからないが、今回私が特別に作成したチェルノブイリ事故10年目の放射能汚染図(※図2)と比較すればいかに酷いかが分かるだろう。 今回の事故で放出された放射性物質はチェノブイル事故の時の10分の1~2程度と言われていたが、この図を見ると、むしろ福島の方が汚染度合いは高い。 事故当初に米国が80Km圏内を避難区域としたのも当たっていたと言える。 結局、政府はこういった事実を知らず、若しくは知ってはいても何も分からないまま、すべての判断をしていた訳だ。 私は、この図で青色に塗られた地域に関しては、せめて子どもたちだけでも避難させたほうが良いと思う。 実際に、こういった真実が徐々に住民に伝わり始めたことで、最近では自主的に福島から移住する人たちが増えてきている。 チェルノブイリの低染量被曝地で起こっていることを知れば、それは当然の選択だろう。 ――一方で、川内村では帰村宣言が出されたが…。 菅谷  村長さんの気持ちも分からないではない。 福島県では昨年、約30人の方々(村長も参加)がベラルーシとウクライナを視察されたようだが、そこで誰もいなくなった汚染地域の町や村を目の当たりにして、絶対に自分の村をそのような状態にしたくないとお考えになったのだろう。 そして、野田総理も住民の帰還を復興の重要課題に掲げ、除染を早く終えて、軽度の汚染地域には住民を戻すように指示している。 しかし、それは汚染の深刻さが全く分かっていない行動だ。 ベラルーシでは原発から90km地点の軽度汚染地域と指定されているモーズリ(私も住んでいた地域)でも、子どもたちの免疫機能が落ち、風邪が治りにくくなったり、非常に疲れやすくなったり、貧血になるといった、いわゆるチェルノブイリエイズの症状が出ている。 併せて、早産、未熟児等の周産期異常も増加している。 そこで福島でモーズリに相当する汚染地域をこの図で比較してみると、福島市や郡山市も含まれていることがわかる。 すこし大袈裟と言われるかもしれないが、この辺りに住み続けた子どもが、将来チェルノブイリエイズと同じような症状を発症する可能性も否定できないということだ。 ――国策として汚染地域から移住させることを考えるべきだ…。 菅谷  国策として移住させるシステムを作らなければ、自主避難出来る家庭と、出来ない家庭が出てくる。私が知っている情報として、福島では避難していない家のご両親がお子さんから、「なぜうちは避難しないの」と聞かれて、「うちは事情があって」と答えるしかなく、非常に切ない気持ちになっていると聞いている。 そうであれば、国策としてせめて子どもたちだけでも避難させるべきだ。 汚染された地域に住むことが、妊産婦を含め、子どもの健康にとって良くないことは、実際にチェルノブイリの汚染地域で25年間を過ごした子どもたちの現状から見ても明らかだ。 ただ、移住させる際には、コミュニティがくずれないように、地区ごとや学校ごとにまとまって移住させるような配慮が必要だろう。 ――移動費用として一家族あたりに4000万円を払ったとしても、災害復興費用の23兆円には到底届かない。除染よりも強制移住にお金を使った方が遥かに効果的では…。 菅谷  国は、除染に過度に期待しすぎていると思う。 安全レベルまですべてを除染するためには、恐らく数十~数百兆円がかかるのではないか。 特に福島県は土地の7割が山林であり、その山を完全に除染するためには木を根こそぎ切り落とし、岩肌がすべて見えるほど徹底して行う必要がある。 そんなことは無理だろう。 さらに平地でも、政府は表土を5~10cm取り去れば除染効果があるとしているが、それでは到底追いつかず、例え20cm削ったとしても、チェルノブイリの高汚染地域では25年経っても住めないことが分かっている。 更に農業を復活させようと思っても、農地の表土を20cm削れば肥沃度は落ちてしまい、農作物は育たない。 つまり、除染は必要ではあるが、除染とはお金がかかる割りに効果は十分得られないということだ。 中途半端に除染しても元のようには戻らず、結局、自然に放射性物質が無くなるのを数十年以上かけて待つしかない。 それなのに数年で帰還させるような指示を国のトップが出すということは、やはり、政府は汚染状況がいかに深刻なのかがわかっていないのだ。 住みなれた土地に戻りたいという気持ちも分かる。そのために除染する必要があることもわかる。 しかし、その前にせめて、これから人生を歩み出す子ども達だけでも、4~5年程度安全な地域に移してあげるべきだ。 ――食料汚染の問題も心配だ…。 菅谷 放射性物質は目には見えないため、高度汚染区域や軽度汚染区域に入っても何も感じない。 しかし、そこに住み続けることによって受ける被害は、チェルノブイリが証明している。 ベラルーシ共和国は貿易制限等があり、多くの食料を地産地消で賄っているが、そこに住む成人の体内セシウム蓄積量は、他の地域に住む成人よりも高いという結果も出ている。 先日、安全宣言が出された福島の米から基準値を超えたセシウムが検出されたという問題があったように、食料についても100%安全とは言えない。 そうであれば、農業従事者の方には大変お気の毒だが、一時期、福島の土地を離れ、その農業技術を別の場所で活かすということをお考えになっても良いのではないか。 松本市にもお貸し出来る農地はある。日本中に余っている農地を、福島で農業を営んでいたプロの方々に放射能不安を抱くことなく活用していただけるように、日本全体で協力していくような仕組みも必要だと思う。 ――このような重大な事故を引き起こしていながら、原発推進派の人間は誰も責任を取っていない。これも大きな問題だ…。 菅谷  今回の件で、原発を推進していたトップの方や関係者などが謝罪して辞職するようなことも無く、まるでこの事故を他人事のように話をしている姿をテレビなどで見ると、原発に対する国の考えや体質は何も変わっていないように感じてしまう。 私もこの一年間、出来る限りの声を上げて来たつもりだが、一向に前に進まない。しかし、言い続けないことには動かない。 或いは市民運動や国民運動を起こさない限り、今の日本が正しい方向に進むことは難しいのかもしれない。 とにかく、今後は低線量被曝が及ぼす健康被害問題をしっかりと見ていかなくてはならない。 そして、子どもたちには、せめて半年に1回程度の無料健診を受けさせてあげたい。 例え異常が見つかっても、早期であれば十分対応可能と考える。 今の決断が、まさに5年後、10年後の日本に大きな違いを生むことになるだろう。 これこそ、少子化政策にもつながる極めて重要な意味を持つものと思う。 (了) (転載終了)
【ビデオ追記】前橋市から2人目の高校生の突然死と、川根先生からの群馬県の放射能汚染の現実と安全基準についてのコメント. http://megsinginglalala.blogspot.jp/2013/03/2.html 先日、投稿しました記事、 前橋市の高校生の突然死。家族が見に行ったら布団の中で亡くなっていらしたそうです。実は私が知るだけで2人目の高校生の突然死でした。明日が我が身です。健康事象は国民間でShareしましょう http://megsinginglalala.blogspot.jp/2013/03/blog-post_6527.html こちらに、福島原発放射能事故以来、真剣に、子供たちの内部被ばくについて取り組んでいらっしゃる、内部被ばくを考える会市民研究会 http://radiationexposure.blog.fc2.com/ の川根眞也先生から有難いコメントを頂きましたので、改めてこちらにアップします。 (以下、川根眞也先生からのコメントです。) 残念です。こうして若い命が失われていくのが。 一昨日、ベラルーシから帰国しました。野呂美加さんと一緒に行っていました。途中、福島の医師の甲状腺がんの超音波検診や穿刺(せんし)吸入細胞診、甲状腺摘出手術にも同行しました。 ゴメリ州の廃村になった村も行きました。そこの地面に直置きでガンマ線だけ測定できるシンチレーション式線量計で0.6マイクロシーベルト/時です。そんな線量でも住民が次々に健康被害に会い、科学者が来て調べると5キュリー/km2(18.5万ベクレル/m2です)以上であると、即、”廃村”が決定され、住民が移住させれることになるとの事でした。 やはり、廃村になった村の線量はほんの0.05マイクロシーベルト/時程度。ここにはストロンチウム90の汚染がある、とのこと。ストロンチウム90が出すのはベータ線ですから、ガンマ線しか測れない、線量計ではわかりません。 ですから、ベラルーシでは、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム238,239,240のそれぞれについての汚染区分を決めています。 チェルノブイリ原発事故に伴う放射性物質汚染区域の地域区分 ベラルーシおよびロシア http://www.radiationexposuresociety.com/archives/2459 日本政府がガンマ線だけを測って誤魔化すことをいいかげん、やめるべきです。ガンマ線だけの外部被ばくだけで1ミリシーベルト(政府は空間線量で0.23マイクロシーベルト/時だという)を守るのは、意味がありません。 呼吸による内部被ばくはおそらく、水や食べ物を摂取することよりも深刻な内部被ばくをすると思います。そして、この呼吸器が吸うセシウム134、137の量は実は空間線量に比例しません。 空間線量が0.5マイクロシーベルト/時くらいでも、6日間で892ベクレルくらい吸ってしまう可能性があります。この福島県農業総合センターの切り干し大根の実験の乾燥小屋の空間線量が0.5マイクロシーベルト/時。地表に6日間干した切り干し大根が892ベクレル/kg。同じ乾燥小屋の高さ1mで干した切り干し大根が165ベクレル/kg。同じ乾燥小屋の高さ2mで干した切り干し大根が90ベクレル/kg、だったというのです。 ダイコンを軒下で干したら3421ベクレル/kg もとのダイコンはND 福島県農業総合センター 2012年10月29日 http://www.radiationexposuresociety.com/archives/2176 毎日、赤城下しの風を正面に受けて自転車を漕いで登下校していた高校生が意外に多い量の放射性セシウムを吸っていた可能性は否定できません。 誤解されるといけないので、少し説明させて下さい。空間線量が0.05マイクロシーベルト/時で判断されるのは間違いです。ガンマ線しか測れない線量計では、0.05にしかならないけれども、ストロンチウム90という核種で深刻に汚染されているために、村人が次々と健康被害にあった、ということです。ストロンチウム90はベータ線しか出さないので、ガンマ線しか測らない、日本政府や自治体の測定器では測ることができません。  群馬県の現状を思う時、きちんと土壌中にストロンチウム90があるか、ないか、を調べるべきだと思います。  今回のベラルーシの訪問で、現地の方に2枚の地図をいただきました。1つはベラルーシでもっとも放射能汚染されている、ゴメリ州の汚染マップです。セシウム137の汚染マップで、他の5つの州に比べて、ゴメリ州は本当に真っ赤やオレンジ色に染まっているところが多いです。その最も赤いところはセシウム137で40キュリー/km2を越える汚染があります。  これは現在の単位に直すと148万ベクレル/m2です。さすがに、群馬県ではこういう地域はないと思っていました。 そこに僕は行きました。そこのセシウム137で汚染された場所で測定すると、空間線量地表1mで0.146マイクロシーベルト/時、地面に直に置いたときの線量は0.188マイクロシーベルト/時でした。(堀場製作所Radi計測)たしかに原発事故から27年経っています。セシウム137の半減期から考えて、事故当時はこれの2倍くらいかもしれません。  ところが、現地で土地汚染の濃度を測定すると、現在でもセシウム137で40キュリー/km、148万ベクレル/m2あるそうです。その場所の高さ1mの空間線量が0.146マイクロシーベルト/時、これはどういうことでしょうか? 政府の除染基準0.23マイクロシーベルト/時という数字は実はとんでもない値ではないか、と思っています。  群馬県でも川場村とか0.23マイクロシーベルト/時を越える場所があるのではないでしょうか? 僕はそういう地域では除染ではなく、住民の疎開を行うべきだと思います。  おそらく、現在語られている放射性物質の濃度の10分の1くらいのレベルでも、明らかな健康被害がでる、と感じています。 川根眞也(内部被ばくを考える市民研究会) 以上、川根先生からの貴重な経験に基づくコメントです。 私は、2011年の9月に、孫が通う小学校の校庭の土壌調査をした時から、ずっと呼吸器による被ばくについて懸念していました。それについては、Facebookのノートにも、私の知人の原子力関係の専門家からの見解とともにメモを残しています。 https://www.facebook.com/notes/kumiko-meg-omi/%E7%A7%81%E3%81%8C%E3%81%9A%E3%81%A3%E3%81%A8%E9%AB%98%E5%B4%8E%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E6%A0%A1%E5%BA%AD%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%84%E7%B8%84%E8%B7%B3%E3%81%B3%E3%81%AB%E8%AD%A6%E5%91%8A%E3%82%92%E4%B8%8E%E3%81%88%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1/331696716844751 食べ物と水だけ気を付けていれば内部被ばくはしない? そんな風に簡単だったらチェルノブイリの悲劇はなかったのではないでしょうか? これは、ラドラム社のサーベイメーターという機械で我が家のリビングにあった空気清浄器を計測してもらった時のものです。 この空気清浄器は私が福島原発放射能事故後の夏に買ったものです。 空気清浄機のフィルターがこれだけ反応した時に、私はぞっとしました。ビデオの声は悲壮感はありませんが…実は正直怖くて、即刻フィルターを買いに行き交換しました。 風塵を吸い込んでいるフィルターを子供たちの肺に置き換えると、正直怖いです。 子供たちの肺は一体何をどれだけ吸い込み続けているのでしょう? http://www.youtube.com/watch?v=ulcUgxsKeu4&feature=share&list=FLQrB53zxgw935GC2LSx1_XA 高崎市空気清浄器. 私はどうしても呼吸器の被ばくを楽観視できません。 群馬県の赤城山がかなりの汚染をしてしまったことは否定できないと思います。 そして、利根川に沿って吹き降りてくる強風で、赤城山の土壌に残っている放射性物質が舞い上がって風でふき降りてきたらと思うと、それを子供たちが通学時や屋外体育のマラソンや縄跳び、大縄跳びで呼吸で吸い込んでいるかと思うと、本当に心配なんです。 こちらは、前橋の六供のごみ焼却所で被災地のがれきを受け入れる前の説明会でのやりとりです。 質問者が私です。 http://www.youtube.com/watch?v=UJ_HpAw85zQ&feature=share&list=FLQrB53zxgw935GC2LSx1_XA 震災瓦礫受け入れ説明会 前橋 六供清掃工場. 高校生2人の貴重な命が原因のわからない突然死で失われた今、 これが福島原発の放射能事故との因果関係がつかないとしても、大人たちはこの現実を楽観し続けて、黙し続けていいのでしょうか? みなさんは、どう思いますか?
「東電を処罰しない限り、日本では正義は通りません」福島原発告訴団! http://pfx225.blog46.fc2.com/blog-entry-1733.html (東電の強制捜査を求め、被災者ら東京地検囲む ) 東京電力福島第1原発事故を受け、東京電力幹部や国の責任者を刑事告訴した「福島原発­告訴団」が22日、東京地検に対して、東電への強制捜査を求める上申書と4万265人­分の署名を提出。東京地検前には、全国から告訴人や支援者など600人が集まり声を上­げた。その後、東電に対して要請書を提出し「東京電力は自首しろ!」と訴えた。   「福島原発告訴団」は、昨年3月16日に福島県民を中心に結成。福島県民だけで構成さ­れていた第一次告訴には約1400人が参加し、6月11日に福島地方検察庁に告訴状を­提出し、8月1日に受理。地震・津波対策を怠って事故を発生させ、住民を被曝させたな­どとして、東電の勝俣恒久前会長、経産省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長、原子力­安全委員会の班目春樹委員長ら33人の刑事責任を追及している。全国各地に参加を呼び­かけて、11月15日に行われた第二次告訴では、告訴人は1万3000人に膨れ上がっ­た。   この日、東京地検前には全国の告訴人と支援者ら600人が集まった。福島原発告訴団の­代表者3名と弁護士3名が東京地検に対して、上申書と署名を提出。東電への強制捜査と­一刻も早い起訴を迫った。この日のために福島県から来た蛇石郁子さんは、「原発震災以­来、ずっと苦しみの中にいる。今すぐ起訴してください」と訴えた。告訴団の河合弘之弁­護士は、「東電が刑事処罰されないというのは不正義である」と強制捜査と起訴を強く求­めた。   告訴団はその後、東京電力本社に向かい、東電の廣瀬直己社長宛に要請書を提出。要請書­では、東電が加害者であることを自覚し自ら進んで真相を明らかにし、罪を認め刑罰を受­けることを求めている。要請書は広報部の會田満男所長が受け取った。大熊町で農業を営­んでいた渡部さんは「あたなたちに強制避難させられたんだ。放射能汚染された土地を今­すぐ返して欲しい。東京電力は自首しなさい」と訴えた。

2013年3月25日月曜日

 原子力委員会委員長代理、鈴木辰二郎氏のベルリンでの講演. http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20110702/1309596222 昨日、7月1日(金)ベルリンの日本国大使館にて原子力委員会委員長代理の鈴木辰二郎氏が「福島原子力発電所事故 これまでに明らかになったこと及び推測」と題される講演をされると聞いたので行って来た。 この会は目的のはっきりしない奇妙なものだった。というのは、私は日本国大使館のメーリングリストのメンバーである知り合いから偶然、そのような会があると知ったのだが、大使館のHPを見ても何の記述も見当たらず、その知り合いがメールで転送してくれた参加申し込み用紙にも主催者が誰か、対象者は誰かということが明確になっていない。もしかしたら内輪の会なのかと思ったが、興味があったので申し込み用紙をコピーさせて頂き、メールで申し込んだ。しかし、大使館から返事はなし。数日後に電話で問い合わせて、ようやく参加を受け付けてもらった。(この電話は私ではなく、ドイツ人の夫がした。日本人の私は体よく断られる可能性があるが、ドイツ人相手に正当な理由なく断ることはできないだろうと考えたので) 指定の時間に大使館へ出向くと、係員が入り口の外でリストを手に立っており、名乗ると中に入れてくれた。しかし、館内は他の職員らはすでに帰宅した後でしんとしており、講演会の張り紙もなく、非常にこそこそとした雰囲気であった。参加者はざっと60名程度。ドイツ人と在独日本人だが、どういう人達なのかよくわからない。私はドイツの原子力関係者などが集まるのだろうと思っていたが、専門家らしい人の姿は見あたらなかった。つまり、一般向けのオープンな情報提供会でもなく、かといって専門家の内輪の会合でもない、まったく意義のわからないもので、大使館側は「本当はこんなことはやりたくないのだが、しかたないのでやる。面倒なことにならないようにサッサと終わらせたい」と思っているのがありありとわかった。 最初に大使館職員の日本女性がドイツ語で長々と挨拶をした。紋切り型の意味のないスピーチだったので、内容についてはここでは紹介しない。その後、鈴木氏が流暢な英語でにこやかに講演を始めた。相手が脱原発を決定したドイツ人ということで、特に意識するものがあったのかどうかわからないが、スピーチの基調は「今回の事故は想定外であった。警告していた科学者もいたが、我々はそれを真剣に受けとめて来なかった。現在の状況は非常に深刻であるが、全力を上げて対処に当たっている。事故以前の日本のエネルギー政策は見直さざるを得ないが、まだはっきりとした計画はない」という反省モードで、明らかな嘘や論理の破綻はなく、少なくとも言っていることは正直であった。講演内容の大部分は技術的な説明で、一緒に参加した夫(物理博士)も説明に特におかしな点はないという意見。スライドとして見せた資料も見せられる範囲できちんとしたものを用意していた。 汚染の状況に関しては、福島原発から放出された放射性物質の量はチェルノブイリの10分の1から5分の1であるとし、「二週間前には10分の1でしたが、今は5分の1になりました。悪化しています」と説明。さらに、「しかしこの数字には海の汚染は含まれていません」と補足。(まだ海に流れ込んでいない汚染水については言及なし)「避難している一部の住民には将来、帰って頂けると思う」そうだが、その根拠は示さず、除染対策などについても全く触れなかった。 「広島長崎は平和のシンボルとなった。福島も復興のシンボルになれるのではないか。Why not?」 このように鈴木氏は述べた。私はそのような楽観的な見方は全く共有しないので鼻白んだが、彼は韓国における講演でも同様の発言をしていたようだから(原子力委員会HPに資料がある)、そう来るだろうとは思っていた。 講演の内容にはまったく新しい情報はなく、「話せる範囲で正直に話した」というものに過ぎなかったので、内容についてはこれ以上紹介しない。原子力委員会のHPに5月に鈴木氏がスェーデンのストックホルムで行った講演資料が掲載されており、それとほぼ同じもの(しかし、短縮されていた)ので、興味のある方はそちらを参照して欲しい。こちら さて、講演が終わり、これからいよいよ質疑応答と期待したとき、最初に挨拶をした職員の女性が「鈴木氏はこれから別の予定がおありですので、質問は一つか二つということにさせて頂きます」と、一刻も早く会を終了したい素振りを見せた。そこで急いで挙手し、質問をさせてもらった。以下は私と鈴木氏のやり取り(英語)である。 私 「質問したいことがたくさんありますが、二つに絞ります。まず一つ目は、原子力委員会はこれまでに、国民を被曝の危険から守るために具体的にどのようなことをされましたか。原子力委員会のHPを拝見しましたが、福島事故に関しては国民から寄せられたパブリックコメントを公表している以外にはまったく何の情報も提示していません。鈴木氏が今日のこの講演のように日本の外で多くの情報を提供していらっしゃる一方で、国民は原子力委員会から何の情報も得ていません。これはどういうことなのでしょうか。私は日本にいる家族や友人のことが大変気がかりですから、事故以来、情報収集に努めていますが、参考になるのはドイツ語や英語のものばかりなのです。そこから得た情報を日本にいる人達に伝えると、大部分の人がそんなことは聞いていない、私達が得ている情報はまったく違うものだという返事が返って来ます。これをどう理解したらいいのでしょうか」 鈴木氏 「(にこやかに頷きながら)私共のメンバーは5人しかいないのです。そのうち3人は主に技術的な分野を担当しており、残る二人が社会的な面などを担当しております。私達はできるだけのことはしておりますが、活動はプライベートな性質のもので広報は行っておりません。HPに国民に向けた情報がないのはそのためです」 具体的にとお願いしたが、少しも具体的なことは聞かれなかった。原子力委員会が国民を危険から守るために何かをしているはずもないので、そもそもこういう質問をすることには意義はないのだが、参加しているドイツ人に日本国民がきちんとした情報を得ていないことをアピールしたかったので、形式的に質問しただけである。 私「二つ目の質問です。これまでの公の発表では3月15日までに3つの爆発があったとされています。しかし、私はインターネット上で3月21日にも爆発があったのではないかという情報を得ました。この爆発は3号機のサプレッションチャンバー内におけるもので、これにより膨大な量の放射性物質が大気中に放出されたとされています。東大の早野教授のチームが作成した放射線グラフを見ますと、15日までのピークの他に、21日にも大きなピークが認められます。これは日本分析センターHPのグラフでも確認することができます。5月16日に東電が発表した修正データを元にある個人の方が3号機内の圧力をグラフ化したものがここにありますが、これを見ると21日に圧力が急激に上がり、その後再び低下しているピークを認めることができます。そしてそのピークの直後にグラフはマイナスのピーク、つまりゼロ以下のデータを示しています。このことは、21日に3号機で爆発事象があり、その際に格納容器が損傷を受けたのではないかと思えるのですが、どうなのでしょうか。ご説明頂けたらと思います」 鈴木氏 「はい、そうですね。確かに21日に何かが起こったのではと懸念させるデータがありますね。しかし、東電から報告がないものですから、よくわからないのです。現時点でもデータは完全とは到底言えず、まだまだわからないことがたくさんあります。すべてが明らかになるにはかなりの時間がかかるでしょうね。だからご説明できません。アイムソーリー」 鈴木氏は始終にこにこと落ち着いた様子で私の質問を聞き、私が何を言いたいのかをはっきりとわかっていたことと思う。この質問の内容が見当違いのものであれば、専門家としてそれを正したはずだが、否定も訂正もせず、「東電が言わないのでわかりません」で終わらせた。それ以上追求しても無駄なので、質問はそこまでにした。 私が職員の女性にマイクを返すと、女性は「では、これで会を終了させて頂きます」と大慌てで無理矢理、講演会を終了してしまった。ドイツ人の参加者数名が何か質問したそうであったが、職員はそそくさとして一刻も早くみなに出て行ってもらいたいという様子だった。会の後に一人の日本人の男性が「よく発言なさいましたね」と声をかけてくださったが、後の日本人はさーっと帰って行った。ホールの外のフロアに申し訳程度の飲み物が用意されていて、ドイツ人参加者の何人かは無言で水やジュースを飲んでいた。何人かのドイツ人が「お気持ちわかります」という表情で私を見たが、大使館内で日本を批判するわけにもいかず、皆無言だった。普通であれば、ドイツ人というのは質問好き、議論好きで、納得するまで何時間でも話し合い、講演会というのはオープンな場なのだが、昨日の会は後ろめたさを背負ったアリバイ作りの会という感じだった。 この会に出席して何か得られるところがあったかと言われれば、新しい情報もなく、時間の無駄だったというしかないが、20~21日の爆発の可能性について原子力委員会は否定しなかったということをここに報告したい。
山下俊一氏アメリカNCRP講演「福島では10人が小児甲状腺がん」 2013年3月11日. http://www.radiationexposuresociety.com/archives/2649 *(アメリカの放射線防護学の専門家には真実を語り、日本のマスコミにはうそを語っているのではないでしょうか? そして、福島でも原発事故当時0~4歳であった子どもたちが10年後、20年後甲状腺がんを発症する割合が1万人に数10人である可能性を山下俊一自身が示しているのではないでしょうか。) 福島県立医科大学 山下俊一氏がアメリカの米国放射線防護・測定審議会(NCRP)の第49回年次総会で『福島原子力発電所事故と包括的健康リスク管理』と題する記念講演を行っていました。 東日本大震災から2年目を迎えた、2013年3月11日の朝8時30分にです。  先に行われた、第10回福島県県民健康管理調査検討委員会の報告の中で、事故当時18歳以下だった福島県の子どもたち3万8000人の中で3人の小児甲状腺がんの患者が見つかり、あと7人に細胞診の結果「小児甲状腺がん」の疑いが強いとされました。(2013年2月23日)  この第10回県民健康管理調査検討委員会の後の記者会見(2013年2月23日)で山下俊一氏はチェルノブイリ事故後の小児甲状腺がんの超音波検査と穿刺(せんし)細胞診による診断率について語っています。 チェルノブイリ事故後の超音波検診と今回の福島での超音波検診とは機器や精度の差、技術者の技量のため比較できない、とも語っています。  しかし、山下氏はこのアメリカのNCRPで行った講演で、記者会見(2013年2月23日)で語ったことと全く違ったことを報告しています。 Fukushima Nuclear Power Plant Accident and Comprehensive Health Risk Management Shunichi Yamashita Fukushima Medical University ① この講演のスライド61ページでは 「Of the 76 cases in which FNAC was performed in 1st Preliminary Survey, 10 cases were diagnosed as malignant or suspected for malignancy, and thyroid cancer was already confirmed in 3 of the 10 cases after thyroid surgery.」 「甲状腺検査の1次検査(平成23年度)の中で76名の穿刺(せんし)吸入細胞診(FNAC)※がすでに行われ、10件が悪性または悪性の疑いと診断され、甲状腺手術の結果、10人中3人が小児甲状腺がんと診断された」 と書かれていますが、次の62ページでは10名全員が小児甲状腺がんとしてカウントされています。 ② 2013年2月23日の記者会見では「(チェルノブイリ事故後の超音波検査は今から20年も15年も前のことだから)これは使った機器、精度、そして技術者の土量いろんなものを含めますから、今の状況(福島県の18歳以下の甲状腺検査)と当時の状況を照らし合わせるはできないというのは常識であります。」 youtube動画 第10回福島県健康管理調査 記者会見(37分) 31’20頃から  と言った、その舌の根も乾かないはずの、3月11日の講演で、彼が調査に入ったゴメリでの超音波検査の結果見つかった小児甲状腺がんの患者数と福島とを比べています。講演のスライドの11ページと上記62ページ。 ③ 2013年2月23日の記者会見では山下俊一氏は「基本的にはチェルノブイリでも甲状腺の超音波検査を行いました。20年から15年前ですから感度、精度管理においてははるかに劣る。だいたい1万人に1人、多い所で5000人に1人の控除素円がんが見つかりました。」と語っています。 youtube動画 第10回福島県健康管理調査 記者会見(37分) 29’41頃から  しかし、上記スライド11ページでは、ベラルーシ共和国ゴメリ州で1998年から2000年に超音波検査や穿刺(せんし)吸引細胞診のスクリーニングを行った結果、事故当時0歳~3歳4ヶ月までの子ども(誕生年月日が1983年1月1日から1986年4月26日…チェルノブイリ原発事故当日の子ども)9720人中31人の甲状腺がんを発見しています。これは山下俊一氏自身が関わったスクリーニングの検査であり、彼の書いた論文を彼自身が引用し、2013年3月11日にアメリカで講演しているのです。これのどこが1万に1人や5000人に1人なのでしょうか?  アメリカの放射線防護学の専門家には真実を語り、日本のマスコミにはうそを語っているのではないでしょうか?  そして、福島でも原発事故当時0~4歳であった子どもたちが10年後、20年後甲状腺がんを発症する割合が1万人に数10人である可能性を山下俊一自身が示しているのではないでしょうか。  マスコミ関係者のみなさん。山下俊一氏への取材を強くお願いします。

2013年3月24日日曜日

東京のカナダ大使館で福島放射性降下物は225000 Bq/m². http://ameblo.jp/pochifx/entry-11496799521.html http://enenews.com/study-fukushima-fallout-at-tokyo-embassy-was-225000-bqm%C2%B2-exceeds-limit-set-for-radiation-control-zones 考察:東京のカナダ大使館で福島放射性降下物は225000ベクレル/㎡であった - 極東放射線管理区域に設定された制限を超えて 発行:11:28 2013年3月22日はET午前 タイトル:周囲のガンマ線量率と福島原発事故の時に東京のカナダ大使館で採取した土壌試料と核分裂生成物の推定の在庫 出所:Radioanalyticalと核化学誌 華チャン、ユダフリーゼ、クルト·アンガーの著者: 日付:4月2013年、296巻、1号、ppの69から73 本研究では、土壌のサンプルは放射性降下物中の放射性核種の濃度は、総放射性降下物のインベントリ、関心の放射性核種の深さ分布を推定する目的で、2011年3月23日と5月23日(福島県から約300キロ)は、東京のカナダ大使館で収集したそして、この限られた場所で高い周囲ガンマ線量率。いくつかの核分裂生成物とアクチニドはガンマ線スペクトロメトリー、アルファ分析および液体シンチレーションカウンターを用いて分析した。131I、132I、134Cs、137Cs濃度、136Cs、132Te、129mTe、129Te、140Baと140Laの上昇放射能濃度レベルは、3月23日に収集した第一の試料中のガンマ線スペクトロメータで測定した。二ヶ月事故後、134Cs及び137Cs線のみ検出可能な核種となった。3.0 g/cm2の質量弛緩の深さは土壌コアに含まれるセシウム137の深度分布での活動によって決定された。総放射性降下物の在庫は、このように月のサンプリング日に月のサンプリング日と25 kBq/m2で225 kBq/m2として算出した。[...] また、東京から: "セシウム検出は、1平方メートル当たり23万ベクレル、コントロールゾーンからアイテムを取ってから1を制限する放射線管理ゾーンに設定された制限と同じ高さの6倍だった。" Study: Fukushima fallout at Canadian embassy in Tokyo was 225,000 Bq/m² — Far in excess of limit set for radiation control zones Published: March 22nd, 2013 at 11:28 am ET Title: The ambient gamma dose-rate and the inventory of fission products estimations with the soil samples collected at Canadian embassy in Tokyo during Fukushima nuclear accident Source: Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry Author: Weihua Zhang, Judah Friese, Kurt Ungar Date: April 2013, Volume 296, Issue 1, pp 69-73 In this study, soil samples were collected at Canadian embassy in Tokyo (about 300 km from Fukushima) on 23 March and 23 May of 2011 for purposes of estimating concentrations of radionuclides in fallout, the total fallout inventory, the depth distribution of radionuclide of interest and the elevated ambient gamma dose-rate at this limited location. Some fission products and actinides were analyzed using gamma-ray spectrometry, alpha spectrometry and liquid scintillation counting. The elevated activity concentration levels of 131I, 132I, 134Cs, 137Cs, 136Cs, 132Te, 129mTe, 129Te, 140Ba and 140La were measured by the gamma-ray spectrometer in the first sample collected on 23 March. Two months after the accident, the 134Cs and 137Cs became only detectable nuclides. A mass relaxation depth of 3.0 g/cm2 was determined by the activities on the depth distribution of 137Cs in a soil core. The total fallout inventory was thus calculated as 225 kBq/m2 on March sampling date and 25 kBq/m2 on May sampling date. [...] Also from Tokyo: “Cesium detected was 230,000 becquerels per square meter, 6 times as high as the limit set for the radiation control zone to restrict one from taking an item out of the control zone.”
放射能被曝で白内障になる!チェルノブイリの記録でも白内障の増加が明確!高線量地帯は白内障に注意! http://ameblo.jp/kennkou1/entry-11497018153.html 白内障は有名な目の疾患の一つですが、この白内障を発生させる原因の1つに放射能があることを皆さんはご存知でしょうか? (白内障=水晶体がにごり、物がかすんだりぼやけて見えたりするようになる) 以下はウクライナ政府報告書による放射線白内障のグラフです。これを見ると分かるようにチェルノブイリ事故では明確に白内障の患者数が増加していたのです。 ☆ウクライナ政府報告書による放射線白内障のグラフ URL http://togetter.com/li/383124 白内障と放射能の関係については、放射能被曝の影響を中々認めようとしない国連も「国連科学委員会報告」などの資料中で「高い線量を被ばくした群において白血病(確率的影響)と白内障(確定的影響)の罹患率が上昇する」と関係性を認めています。 ☆国連科学委員会報告2008年 チェルノブイリ事故の放射線の健康影響について URL http://www.ncc.go.jp/jp/shinsai/pdf/shiryo1.pdf 引用: 放射線被ばくに起因する健康障害の総括(1) •急性放射線症候群:134名の原子炉スタッフおよび緊急対処従事者のみ、28名で致死的 •生存者は皮膚障害および白内障に冒される •生存者のうち19名が死亡しているが放射線被ばくとは無関係 :引用終了 白内障になる放射線量については諸説あるのですが、最近の研究では「低被曝でも白内障になる可能性がある」という結果が多く出ており、福島原発事故で広範囲が放射能汚染されてしまった日本としては注意するべき情報であると言えるでしょう。 ☆放射線の白内障発症リスク 国立保健医療科学院生活環境研究部 URL http://trustrad.sixcore.jp/cataract.html 引用: 錬石和男らは、術後白内障症例479人を含む、2000年から2002年に健康診断を受けた推定線量の判明している原爆被爆者3,761人を対象に、線量反応を推定するためロジスティック回帰解析を行い、尤度プロファイル法を用い最適閾値モデルの決定を試みている。 その結果、1 Gy当たりのオッズ比 1.39、95%信頼区間 1.24-1.55で術後白内障の有病率に統計的に有意な線量反応増加が認めた。 線量を0-1 Gyに限定すると線量反応は示唆的となり、有意ではない閾値0.1 Gy(95%信頼区間 <0-0.8)が認められ、これまで推測されている閾値2-5 Gyよりかなり低く、全く閾値がないという考えとも統計学的には矛盾しない結果を得ている。 また、宇宙飛行士を対象にした調査では、Cucinottaらは、NASAの Longitudinal Study of Astronaut Health (LSAH) と個人の職業上の被ばく情報を組み合わせることで、水晶体に8mSvを超える曝露があった宇宙飛行士で、白内障のリスク増加を検出している。 :引用終了 ☆放射線影響研究所 放射線白内障(水晶体混濁) URL http://www.rerf.or.jp/radefx/early/cataract.html 引用: 被曝後早期に出現した放射線白内障については、影響を生じない低線量での「しきい値」があるかもしれないと考えられているが、最近の調査では、しきい値はないか、あったとしても0-0.8 Gy程度ではないかと示唆されている。観察された過剰白内障症例は、一般に放射線に関連するタイプのものである(後嚢下白内障および皮質白内障)。図1に、水晶体皮質混濁に関する線量反応を示す。 正しい情報を探すブログ 放射線による水晶体混濁の発症メカニズムを図2に示す。水晶体全体を包んでいる袋(嚢:のう)の内側には前側に透明な細胞の層があり(上皮細胞)、この層は、水晶体の縁(赤道部という)で細胞が分裂して、中央部に向かってゆっくりと動くことにより、水晶体の機能を保っている。放射線は分裂している細胞に特に傷を与えやすいので、まず赤道部で細胞に異常が生じ、そのような細胞が(理由は不明だが)水晶体の後方にまわって、中央部に集まる。それらの変性した細胞は光の直進を妨げるため、にごりとなる。 :引用終了 実際、杏林大学病院のアイセンターなどから「患者数が急増している」というような報告が相次いでいます。 ☆杏林大学病院のアイセンター(眼科) URL http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/introduction/news_detail-612.shtml 引用: 正しい情報を探すブログ 当院アイセンター(眼科)には患者さんが非常に多く来院され、急性期治療に支障をきたすようになってきました。年間3,500件以上の重篤な疾患の手術を行いながら、1日の外来には重病者を含む400~500人を超える患者さんが来院されており、現在の眼科常勤医師では対応しきれない状況です。  そこで、平成25年1月4日より、初診の患者さんに関して、必ず紹介状をお持ちいただきますようお願い致します。紹介状をお持ちでない患者さんは、まずは他の診療所等を受診していただき、当院での精査を要すると判断された場合には、当院初診予約を診療所にてお取りの上、紹介状をご持参いただき受診下さいますよう、お願い申し上げます。1階外来総合案内に近隣の医療機関の地図をご用意してありますのでご参照下さい。  ご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 病院長     甲能 直幸 眼科診療科長  平形 明人 :引用終了 このような放射能被曝による目の異常を防ぐには、放射能被曝を抑えるのが一番です。外出時にはマスクなどをしたり、食べ物の産地を気をつけたりと、放射能を出来るだけ避けるようにしてください。 日々の積み重ねというのは非常に重要で、アイソトープ研究所が体内に蓄積される放射能情報を公開していますが、このデータを見ると分かるように、毎日10ベクレルの放射能を食べるだけでも膨大な放射能が体に蓄積されてしまうのです。 ☆アイソトープ研究所 URL http://www.jrias.or.jp/index.html ↓1Bqおよび10Bqの放射能を1000日摂取した時の蓄積グラフ 正しい情報を探すブログ このように、1日10ベクレルを500日間食べるだけでも体内に1400ベクレルもの放射能が蓄積されます。今の日本の食品基準値はキロ100ベクレルで、10ベクレルを遥かに超えていますので、出来る限り放射能が多い場所の産地を避けたほうが良でしょう。 マスコミは放射能と白内障の関係について中々報道してくれませんが、このように放射能と白内障には明確な関係があるので、油断をせずにしっかりと放射能対策をしてください。 真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って
三宅雪子の「この人に訊く!」第5回:小沢一郎[2013年3月19日] 三宅雪子の「この人に訊く!」第4回:孫崎 享[2012年11月1日] 孫崎享講演会@甲府「東アジアの平和と対米関係」

2013年3月23日土曜日

再掲載.大変重要な記事.(2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発 ) http://ishtarist.blogspot.jp/2011/06/20113203.html (重要点.その他は,続いて,全記事を,お読みください) 特筆すべきは、ひたちなか市と新宿の値です。MBq/km2 はBq/m2 に換算可能なので、ひたちなか市では1平方メートルあたり20万ベクレル以上のヨウソ131が、25000ベクレル以上のセシウム137が地表に降り積もったと考えられます。新宿では同じく、ヨウソ131が約85000ベクレル、セシウム137が6400ベクレルです。そして、これら大部分が、20日から23日までの3日間に降りそそいでいるのです。 これは、どの程度の値なのでしょうか。 また、一瀬昌嗣・神戸高専准教授(サイエンスメディアセンター 核実験フォールアウトとの比較)によれば、「1963年6月に、日本に降った最大のフォールアウトのセシウム137の放射能は、550Bq/m2」であり、「Cs-137で比べると最も多かった1963年の1年間に東京で1935 Bq/m2、1957年4月~2009年3月の合計では7095 Bq/m2」です。大気圏核実験が頻繁に行われていた(チェルノブイリ事故の影響も含む)過去50年間と、ほとんど同量のCsセシウム137が、たかだか3/21-3/23の2日間で降り積もったことになります。なお、広島原爆の黒い雨のCs-137の土壌沈着量は、最大で493 Bq/m2であったと論じられています。 マーチン・トンデル氏のスウェーデンにおけるチェルノブイリ事故調査によると、1平方メートルあたりのセシウム137の汚染が10万ベクレルで、ガン発生率が11%あがるとの結果が提出されています。http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/tyt2004/tondel.pdf これに照らし合わせると、くだんのフォールアウトによるひたちなか市での発がんリスク増加は、3%弱であると考えることができるでしょう。 ただし、重要なことは、発がんリスクは放射性障害のごく一部にしかすぎず、心疾患、脳溢血、消化器疾患、呼吸器疾患など様々なリスクが確認されており、またもっとも典型的な兆候は、「原爆ぶらぶら病」や「湾岸戦争症候群」に見られるような不定愁訴であることです。発がんリスクはあくまで健康被害の一つの指標にしか過ぎず、内部被曝によって表れる様々な症状を、発がんリスクへと還元するかのような統計は、住民たちの実際の健康障害を著しく低く見せる効果があることに、私たちは留意する必要があります。 (東京電力の隠蔽工作・印象操作について) 今まで、3月20-21日にかけての関東地方のフォールアウトが直前の3号機から放出されたものであるという仮説について、気象やプラントパラメータ、東電・政府の行動など様々な角度から検証してきました。その結果、3号機格納容器内で爆発的事象が発生したことは疑いようがなく、さらにそれが再臨界を伴っていた可能性まで示唆されました。 そうだとすれば、東電・政府はこの極めてシビアな事故を、現在に至るまで隠蔽し続けていたことになります。いかにして、このようなことが可能だったのでしょうか。おそらく、この問いをいま、直截的な形で、メディアや研究者たちに向けることは、さほど生産的なことではないでしょう。ただ、東電がこの事態をどのように隠蔽してきたのか、その印象操作の一端を簡単に見せておくことは、私たちにとって非常に有意義なことだと思います。そのことを通じて、私たちが今後、情報操作に惑わされないような教訓を得ることができるからです。 まず、前節最後に述べた、3号機の煙の話です。21日15:55分-18時までの煙の発生前後で、「3号機の原子炉圧力容器および原子炉格納容器のパラメータ、周辺環境のモニタリング値に大きな変動」はみられない(東電発表)と東電が述べたため、これが異常な事象の兆候である、とは一般に受け止められなかったきらいがあります。 ところが、実際のパラメータを見ればわかるのですが、煙が出始めた時点では、すでに格納容器圧力も圧力容器圧力も、ほとんど大気圧と平衡になっており、それゆえ両方とも破損していたことが確実だったのです。これでは煙がでても、原子炉パラメータに「大きな変動」が見られるはずがありません。当然、東電はこのことを知っていたはずです。 また、東電発表のパラメータを、修正前と修正後を比較すると、データを間引きすることでどのような印象を東電が作ろうとしてきたのかも見て取ることができます。 たとえば、3号機格納容器内CAMS(A)(=放射線量)のグラフですが、修正前は赤の点で断続的にのみ発表されていました。これだけ見ると、順調に放射線量が下がっていったかのように見えます。ところが、修正後のパラメータをグラフにしてみると、そのグラフの直前に放射線量が急増しており、その後18-20日までの間に乱高下していたことがわかるのです。 また、修正後パラメータで設計圧力を大幅に超える11.5MPaを記録した原子炉圧力(A)(図14参照)に至っては、修正前はデータそのものが公表されていませんでした。 このグラフには、3/21未明の原子炉圧力(A)の異常値が表示されていません。 なぜ、このようなことが可能だったのでしょうか。この答えは、3/21未明の異常値が、8.968, 11.571, 10.774と、すべて縦軸(右側)の最大値8MPaを大幅に超えていたことにあります。逆に言えば、東電は、この異常値をグラフに残さないために、わざとグラフの最大値を8MPaに設定したと疑るのは、決して不穏当なことではないでしょう。逆に、最大値をもっと小さく取れば、21日の推移がより具体的に見えることになるでしょう。つまり、8Mpaという最大値は、21日の事態をもっとも小さく見せることができる値です。これは、決して偶然ではない、すなわち、東電は、パラメータを精査せずグラフだけ見た人に、20-21日に特別な緊急事態が起こったという印象を与えないために恣意的な操作を行った、と言って差し支えないと思います。
「2号機が危険だから停電?」について3/23小出裕章先生(文字起こし)【ペイフォワード環境情報教室】 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2852.html 「停電の原因はネズミではなく2号機」という見方があるという事について、 Sawadaさんが小出先生に質問して下さっています。 (2号機が危険?) Sawada: 昨日ですね、福島第一原発の方で停電騒ぎというのがございました。 発表によるとですね、こちらは 「小動物、ネズミのようなものが原因ではないか」と言うのが発表されている中、 皆さん疑心暗鬼になっていろんな事を想定される方がいまして、 あるブログではですね、 2号機が特に危険であるから、それに対する対応を増強していたための停電ではないか?とか、 いろんなお話しが出ています。 小出先生の方ではどう思われますか? 小出: はい、私は今回のようなトラブルというのをもちろん歓迎しませんし、 起きて欲しくないと思ってきましたし、今もそう思っていますが、 今回起きた事故という事に関する限り、東京電力の説明は合理的だと思います。 起きてしまったことも小動物がショートさせてしまったという事は実にあり得る事だと私は思いますし、 それを防ぐ事が出来ないほどの厳しい現場だと皆さんに理解してほしいと思います。 Sawada: そうしますと、特に言われるところで1号機から3号機が、特に何か今危険な状態にあるのではないかと、 「今2号機が特に」であるというような表現が出ますが、 それはどう思われますか? 小出: 特に2号機だけが危険という事はないと思います。 1号機から3号機まで等しく危険です。 どれも原子炉の炉心という部分が溶けて落ちてしまっていますので、 それをとにかく収束させなければいけないという事が最優先でして、 今でも東京電力は間断なく水をとにかく入れ浸すという事をやっている訳です。 それはやり続けなければいけませんし、 ただしやってしまえば汚染水が増えてくるという、 どっちに行っても大変だという、その仕事に追われているという状態です。 2号機だけが危険という事ではないと思います。 Sawada: そんな中、窒素を注入したというニュースがたまに入ると これはまた「危険だからなのじゃないか」という事なのですが、 こちらは一応「爆発を防ぐため」というようなところをよく聞かれますけど、 あの…、「入れたから危険」という事ではないのでしょうか? 小出: 要するに水素爆発というものが2011年3月11日以降、 12日14日15日と次々と1号機3号機4号機で起きたわけで、 ああいう爆発というものはなんとしても防がなければいけない訳ですね。 で、あの時に起きた水素爆発というのは、 燃料が溶け落ちていく過程で、 燃料の被覆管に使っていたジルコニウムという合金が水と反応して発生した水素、 大量に発生するのですが、それが原因だったと私は思っています。 ただし、水素が発生する原因はジルコニウムと水が反応する以外にも、 水が放射線に被曝する事によって分解して水素が出るという、そういう物理現象もありますので、 今現在も水素の発生はゼロではありません。 その水素がどこかでまた爆発するという事は、出来れば望まない訳だし、 何とかして防ぎたいと東京電力も思っているはずで、 そのために窒素も入れているという事だと思います。 やらないよりは、もちろんやった方がいいと思います。 (遮蔽壁.) Sawada: そうなると今は対策というよりは現状に対して対応しているというのが精一杯のところかもしれませんし、 また小出先生からは今までのとおり4号機についてはですね、使用済み燃料について、 プールに入っている部分について早く移動すべきだというようなお話しが一ついただいておりますが、 今1号機から3号機が等しく危険と言われている中で、 またこれも先生が以前から提唱されていますけれども、 遮蔽壁っていうんですかね、地下水との接触を防ぐというところについてですけれども、 こちらについてはどう思われますか? 小出: 残念ながら溶け落ちた炉心がどこにあるか?という事がわからないのです。 私にもわかりませんし、東京電力も知ることが出来ないという状態なのです。 東京電力はコンピューターで計算したところ、 「まだ格納容器の中にとどまっている」というような事を発表した時がありましたけれども、 でも「そのシュミレーションがどこまで正しいか」という事を確かめる事が出来ない訳で、 場合によっては溶け落ちた炉心がすでに地下に溶け落ちて、地下水と接触しているかもしれないのです。 そういう事態が進行していけば、放射性物質の環境への漏出という事が避けられなくなってしまいますので、 私は出来る限り早く、溶けた炉心と地下水が接触しないように、 地下に防壁を張り巡らせる必要があると発言をしてきています。 東京電力の工程表にも、それは含まれてはいるのですけれども、 いまだにほとんど作業は成されないままです。 少しでも早く、私はやって欲しいと願いますし、環境への放射性物質の拡散は防ぐべきだと思います。 ただしそれをやろうとすると、膨大なお金がかかる事になりますし、 さらに私が一番心配なのは、 多数の労働者たちがまた、その作業のために被曝をしていってしまうという事です。 (収束担当大臣だったら.) Sawada: あの、良くみなさんからお聞きになるかもしれませんけれども、 「小出先生が収束担当大臣だったら良かったのに」と言う事が、常にみなさんの願いとしてあると思います。 いろんな制約がある中、多分費用もそうですし、人の問題、被曝の問題、いろいろありますが、 小出先生がもし収束担当大臣になった場合、たとえばそういういろんな制約がある中、 「こういうものをもう少し優先してやっていけたらいいのにな」というのは、 何か先生のお考えってございますか? 小出: もちろん沢山あります。 事故直後に汚染水が次々と溢れて来た時には、 私はとにかくその汚染水が漏れないようにしなければいけないという事を考えまして、 巨大タンカーを福島に走らせて、そのタンカーに汚染水を溜めて それを東京電力の柏崎刈羽原子力発電所に輸送すると、 そうすると柏崎刈羽原子力発電所には廃液処理装置がありますので、 それを使って何がしかの、やはり放射能の補足という事が出来ると思いましたし、 やって欲しいと発言をしました。 もし私が収束の大臣だったとすれば、それをやったと思いますし、 今聞いていただいたように、地下に遮蔽の壁をつくるという作業も、私はやるべきだと思いますし、 私に権限があるなら、やります。 ただし、残念ながらこの事故をどうやって収束したらいいのかという事に関しては、 わからないのです。 人類が遭遇して初めての経験で 4つの原子炉が同時に壊れてしまっていっているという、大変厳しい状況です。 もちろんやらなければいけない事はわかっています。 溶け落ちた炉心が環境に汚染を広げないようにするとか、 今現在も危機にある、4号機の使用済み燃料プールの崩壊を食い止めなければいけないとか、 さまざまに言える事はありますけど、 どれ一つをとっても大変な作業だし、 必ず被ばく作業になってしまうという困難を抱えています。 目の前にある重大な問題一つ一つに向き合って、重大さという事を考えながら、 とにかくこれ以上の悲劇が来ないように出来る事を一つ一つやる事しかないと思います。 Sawada: そうですか。 ありがとうございました。
「停電の原因はネズミではなく2号機」という見方. http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2850.html

2013年3月22日金曜日

大阪市舞洲工場で放射性瓦礫を焼却した後富田林市の大気の放射能が上昇
(汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年) これはチェルノブイリ原発事故から4年後の状態を取材したものです。フクシマとチェ­ルノブイリは違うんだ!という意見もあるでしょう。そりゃ違うでしょう。 しかし、この­番組をご覧になりながら、フクシマとチェルノブイリの、何が同じで何が違うのか、それ­を認識する助けとなるのがこの番組です。 番組は冒頭、事故から4年が経過して、初めて­強制退去を命じられたという原発から300キロはなれた場所に暮らすおばあさんの引っ­越しシーンから始まります。
福島市の大気 恐るべき検査結果 2011年7月公開 (とある原発の溶融貫通(メルトスルー))  http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/813.html 福島市の大気 恐るべき検査結果 2011年7月公開 http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6993300.html 2013年03月22日13:05 とある原発の溶融貫通(メルトスルー) 国がやらないなら週刊現代がやる 本誌が英国研究所と共同で独自検査 本誌は福島市内を走る車のエアフィルターの分析を英国の研究機関に依頼。その結果、高濃度の放射性物質が多種類、検出された。セシウムだけで、事故から100日で積算内部被曝量は530マイクロシーベルト。年間限度被曝量を軽々超える。国はなぜ放っておくのか ■この国はウソをつく. 7月11日、茨城県にある日本原子力研究開発機構に、福島県浪江町周辺に住む妊婦や子供ら20人が集まった。福島第一原発の事故以降、体内にどれぐらいの放射性物質が取り込まれてしまったのかを調べる、「内部被曝検査」を受けるためだ。 当初はこの内部被曝調査は8月以降に行われる予定だったが、住民らの放射線への不安の声が高まったため、予定を繰り上げて早期に検査を実施することになったという。福島第一原発事故から4ヵ月。福島に住む人々は、いったいこれまでどれくらいの量を被曝したのか、どんな放射性物質を吸い込んでしまったのかを心配し始めるようになった。 しかし、全県民を対象とした本格的な調査が始まるのは8月以降で、全員の調査が終わるまでには相当な時間がかかる見込みだ。さらに、「検査」とは言うもののそこには限界が見える。この調査によって調べられるのはヨウ素とセシウムの放射線量だけで、骨に蓄積しやすく、長期間にわたって体に影響を与えるストロンチウムや、肺や骨に吸着されて強い発がん性を帯びるプルトニウムなどの内部被曝については調査されないからだ。つまり、この調査を受けても、自分の体にどんな放射性物質が取り込まれたかは、完全には判明しないということだ。 そもそも福島県全土に、どんな種類の放射性物質が放出されているのか、政府は綿密な調査を行っているとはいえない。たとえばプルトニウムひとつとっても、検出が困難なことも手伝ってか、積極的な調査が進められていない。6月5日、金沢大学の山本政儀教授の独自調査によって、福島第一原発から約1.7km離れた大熊町内の土壌に微量のプルトニウムが検出されたが、政府はこうした調査報告を受けても、プルトニウムの検出に全面的に取り組もうとしない。 いや、調査に乗り出さないだけなら、まだマシかもしれない。6月3日には、原発事故直後に、核燃料が損傷したことを示す「テルル132」という放射性物質が検出されていたにもかかわらず、原子力安全・保安院はこのデータを公表しなかったことが発覚した。 この国の政府は、動こうとしない。それどころか、ウソまでつく---。このことに改めて気づいた自治体や研究機関は、福島県民がどれほどの量を被曝したのか、福島県の各地にはどんな放射性物質が飛散しているのかを知るために、独自調査を開始している。福島県は、今月から毒性の強いプルトニウムやストロンチウムがどこまで飛散しているのか、県全土で土壌の調査を行うことを決めた。 「こうした調査を県が行うこと自体がばかばかしい。しかし、国が乗り出さない以上、住民の不安を解消するためにも、自治体が調査に乗り出すしかない」 とは福島県庁職員の悲痛な声だ。 ■テルル129を検出 こうした自治体の動きに先がけて、本誌は6月より、ある独自の調査を開始していた。イギリスの研究機関の協力を得て、福島の大気中にどんな放射性物質が飛散しており、福島の人たちがそれをどれくらい吸い込んでいるのか、調査・シミュレートしたのである。調査の結果わかったこと―それは、想像以上に福島県は危険な状況にあるということだ。その衝撃の結果を以下に記していこう。 いったい福島の大気中には、どんな放射性物質が漂っているのか。これを調べるために、本誌は乗用車のエンジン部についているエアフィルターを利用した。エアフィルターはエンジンが汚れて動かなくなることがないように、大気中のチリ・埃・ゴミを吸い取る役割がある。もしも大気中に放射性物質が飛び交っていれば、エアフィルターにはこれが多量に付着しているため、このフィルターを調査すれば、どんな放射性物質が飛散しているのかわかる、というわけだ。 実際、大気中のプルトニウムなどの濃度を調べる際、各研究機関も類似のフィルターを使用し、大気を取り込み、これを調査している。 本誌は福島の大気中の放射性物質を調べるために、原発事故以降も福島を走っていた車のエアフィルターを、福島市内の自動車整備工場の協力を得て入手した。排気量700ccの小型車から、1300ccの中型車まで計4台。すべて福島県内のナンバーの車で、福島原発より30~50km離れた地域(主に福島市内)を、3月11日以降100~200km走行している車だ。 6月15日に採取したこれら4つのフィルターをそれぞれ箱に詰めて、イラク戦争における劣化ウラン弾の影響などを調査した、イギリスのAberystwyth(120年超の歴史を誇る、ウェールズの大学都市)にある放射性物質の分析を行う研究所に送り、「どんな放射性物質がフィルターに付着しているのか」「その放射性物質がどれくらい強い値を示しているのか」を調査してもらった。 その調査方法は次の通り。 1 ロシア製ガイガーカウンターで、箱の外から線量を測定する。 2 ドイツ製ガンマ線分光器で、フィルターにどのような放射性物質が付着しているかを調査する。 3 より子細な結果を得るために、もっとも排気量の小さい車のフィルターをオックスフォードの専門研究施設に送り、高分解能ガンマ線分光器で調査を行った。 フィルターを送ってから約3週間後の7月9日、その調査結果が届いた。その結果について以下に記していきたい。 まず、1 ガイガーカウンターによる放射線量測定は、0.12~0.17マイクロシーベルトと、ひどく高い数値ではなかった。しかし、2,3のガンマ線分光器を使った調査によって、フィルターからはセシウム137、セシウム134、ヨウ素131、テルル129mなどが検出された。いずれも健康に重大な害を及ぼす物質で、一定量以上内部被曝すれば、がんや白血病などを引き起こすことになる放射性物質だ。 ここで注目しておきたいのが、フィルターからテルル129mが検出されたという事実だ。 この結果について、欧州放射線リスク委員会の科学委員長であるクリス・バズビー博士が解説する。 「テルルが検出されたというのは、とても興味深いデータですね。なぜならこれは、核分裂によって生じる物質なのですが、半減期が33日ととても短いからです。半減期が短いものが、原発事故より3ヵ月がたった6月に採取したフィルターから検出されたということは、核分裂が今も続いている可能性---つまりは再臨界を起こしている可能性を示唆しています。最初に放出された量がわからないので、これが確かなことかどうかは断言できませんが、再臨界が起きていたのかどうか、政府や東電は調査し、その結果を公表すべきです」 再臨界の証拠のひとつとなるテルルが検出されたのだとしたら、これは大問題。しかし現在のところ、東電も政府も再臨界の可能性についてはほとんどふれていない。 ■安全基準を3倍超えている さて、今回の検査の結果では、人体に極めて有害であるプルトニウムやウラン(強い発ガン性がある)は検出されていない。では、今回の検査結果をもって「プルトニウム、ウランが検出されなかった」と安心できるかと言えば、残念なことにそうではない。 今回のガンマ線分光器を使った検査では、ガンマ線を出さない放射性物質は検出されない。プルトニウムやウランはアルファ線を出すため、これを検出するには別の特殊な検査を実施する必要があり、それには少し時間を要する。今回の記事を作成する時点で、その結果はまだ出ていないため、プルトニウム、ウランの検出結果については、追って詳細をお伝えしたい。 だが、ここで記しておきたいのは、今回の検査で、「アメリシウム241」とみられる放射性物質が検出されたことである。アメリシウムが検出されると、どういうことが言えるのか。立命館大学の安斎育郎名誉教授が説明する。 「原子炉内にあるウラン238が中性子を吸収してプルトニウム239となり、さらに段階を経るとアメリシウム241になります。もしもアメリシウムが本当に出ているなら、プルトニウムが出ている可能性もあると言えるでしょう」 先ほど「みられる」といったのは、アメリシウムもやはりアルファ線を分析するまでは正確な結果がわからないからだ。しかし、今回アメリシウムとみられる物質がフィルターから検出されたことから、プルトニウムとウランが放出されている可能性が十分にあることを、ここで指摘しておきたい。 「福島を走る車のエアフィルターから、有害な放射性物質がいくつも検出されたのは当然のことだと思います」 これらの検出結果に納得するのは、アメリカの原子力エンジニアで、スリーマイル島事故の復旧を手がけた会社の副社長も務めたアーノルド・ガンダーセン氏だ。 「セシウムが検出されたのはもちろんのこと、ストロンチウム(カルシウムと似た性質があり、体内に入ると骨に蓄積。骨のガンや白血病を引き起こすおそれがある)はまず出てくるでしょう。これは福島沖3kmの海底からも検出されていますからね。さらにプルトニウムが検出されることも考えられるでしょう。私の予測では、福島の人は日に40~50種類の放射性微粒子を吸引しています。その放射性物質がどれほどの強さを持っているかで、健康への影響は異なりますが、無害であるはずはない」 さて、今回の調査の目的は、放射性物質の検出だけでなく、もうひとつある。それは、福島県民が6月までの3ヵ月間で、どれだけの量の放射性物質を吸い込んだかというシミュレーションである。次のような方法で、これを算出した。 排気量700ccの小型車のフィルターが取り込んだセシウムの量を測定する。そこから、福島の大気中に、1立方メートルあたりどれぐらいのセシウムが含まれているかを計算(1)。それをもとに、人間の肺がどれぐらいの量を取り込んだのかを計る。成人は一日約24立方メートル分の呼吸をするので、1に24をかけ、6月15日までの日数(97日)を掛けると、これまでどれほどのセシウムを吸引したかがわかるというわけだ(このエンジンと人間の肺を置換して吸引量を計る方法は、放射線を研究する研究者の間では広く知られている)。 この計算の結果、少なくとも6月までの3ヵ月間で、成人は0.38~0.53ミリシーベルト(=380~530マイクロシーベルト)のセシウム134、セシウム137を吸引したことになる、との結果が算出された。子供の場合は成人よりも呼吸量が6割落ちるので、0.1~0.16ミリシーベルトとなる。 前出の安斎育郎教授は、算出されたこの数値について、こう感想を漏らす。 「人間が自然界から受ける放射線量は年間で1.4ミリシーベルト程度ですから、0.53ミリシーベルトということは、この100日間でその3割程度の放射線をセシウムだけで受けてしまったということです。これは意外に高いという印象を受けますね」 この数値が、国際的にみればいかに高いものかは、EURATOMの基準をみれば一目瞭然である。EURATOM(欧州原子力共同体・ヨーロッパ15ヵ国が加盟する、原子力産業の発展を目標とした機関)が定めた基準では、年間の内部被曝量の限度を0.15ミリシーベルトと定めており、これを超えると健康に重大な影響を引き起こすとしている。つまり、EURATOMの基準から言えば、福島の内部被曝量は基準値を「大幅に超えた被曝量」なのである。 「しかも、これはわずか100日での内部被曝量ですから、年間の被曝量はこれをさらに上回ることになります。加えて、半減期の短いヨウ素などの内部被曝量は含まれていません。原発事故当初は、これとは比較にならないぐらいの放射性物質を吸引しているのは間違いない。これは相当控えめに見積もった数字だと言えます。さらにこの上、外部被曝の線量も加算されることになりますから、福島の人が受けている被曝量は、とっくに日本の年間許容被曝線量である1ミリシーベルトを超えている可能性が高い」(バズビー博士) ■首都圏は大丈夫か. さらにバズビー博士はこう続ける。 「それでも日本政府は『年間1ミリシーベルトを超えていても、健康上の問題はない』というかもしれません。しかし、何度も繰り返すように、これは内部被曝の線量です。衣服や皮膚に付着した放射性物質は洗い流せるが、内部被曝の場合は、放射性物質が体内にとどまるため、内側から遺伝子を傷つけ、将来がんや白血病を引き起こす確率が高まる。同じ1ミリシーベルトでも、内部被曝と外部被曝では意味が異なることに注意すべきです」 はたして福島県民が累積でどれほどの放射性物質を体内に取り込んでいるのか、各研究機関による「公式な」結果が出るまで、もうしばらく待たなければならない。しかし、今回のシミュレーション結果から、安心できる数値が検出されるかは、かなり疑わしいだろうことを指摘せざるをえない。さらに恐ろしいことに、もしもプルトニウムが検出されれば、内部被曝の量は飛躍的に増えることになる。 「たとえその量がセシウムの100分の1だったとしても、プルトニウムの線量はとても高く、この100日間だけで24ミリシーベルトとなります。もしも検査によって一定量のプルトニウムが検出されれば、もはや安全かどうかを議論しても、意味がないレベルとなります」(バズビー博士) プルトニウムやウランといったもっとも危険な核種が検出されるかどうかは、現段階ではまだわからない。今月下旬に送られてくる予定の調査の結果を待つほかない。 冒頭で述べたように、福島県が独自調査に乗り出したことからも、多くの国民がプルトニウムやストロンチウムの有無を知りたいと思っている。これらがもし検出されなければ、それにこしたことはない。しかし、万が一にも検出される可能性があるのだとすれば、いまこの瞬間にも、福島県民は内部被曝の危険に晒されているといえる。はたしてなんの対策も施されないままで良いのだろうか。今の段階から新たな避難措置を講じておくべきなのではないか。しかし現在のところ、政府内でそんな声が上がる気配は微塵もない。 さらに、福島だけでなく、3000万人が暮らす首都圏はどうなのか。原発事故以降、福島由来の放射性物質が各地に飛散しているのは周知の通り。では、首都圏に住む人々はどのくらいの量の放射性物質を吸引したのだろうか。また、プルトニウムをはじめとする危険な放射性物質は首都圏には本当に飛来していないのだろうか。本誌は引き続き、これらについての独自調査を行い、その結果を誌面で公表していく。 (取材協力/飯塚真紀子・在米ジャーナリスト、調査協力/クリス・バズビー博士) 「週刊現代」2011年7月30日号より http://gendai.ismedia.jp/articles/-/13228
菅谷昭さん講演録「チェルノブイリのように、数年以上経って深刻な健康被害が出てからでは遅すぎる。福島の子どもたちを疎開させるべきだと思います」 もともと私は甲状腺の専門医で、信州大学に勤務していました。チェルノブイリの医療支援を始めたのは、事故から5年後の1991年。松本市に事務局があるNPO、日本チェルノブイリ連帯基金の活動に参加し、汚染地域の子どもたちの甲状腺がん検診などを行なうため、たびたびベラルーシ共和国を訪れました。その後、96年に大学を辞めてベラルーシに移り住むことを決意、首都ミンスクや汚染度の高いゴメリ州で甲状腺がんの手術など医療支援を続けました。ベラルーシには5年半ほど滞在したことになります。  しかし、そのときの経験がまさか日本で生かされるとは思っていませんでした。日本はアメリカ、フランスに次ぐ3番目の原発大国。仮に事故が起きても対応できると言われていました。それが、福島第一原発事故によって、日本の原子力災害対策の未熟さが露呈したわけです。私たちは、常に被ばくの危険性と隣り合わせの日々を強いられるようになりました。  被ばくによる人体への影響は、今も科学的に十分解明されていないことが多くあります。大量の放射線を一気に浴びる「高線量被ばく」は、すぐに皮膚がただれたり、潰瘍ができたりして被害が目に見えますが、放射線を少しずつ長期間にわたって浴び続ける「低線量被ばく」はなかなか症状が表れません。ICRP(国際放射線防護委員会)は、年間100ミリシーベルト以下の被ばくを低線量被ばくと定めていますが、症状が表れるまで数年かかるため、被ばくとの因果関係を調査しにくいのです。しかし、すでにチェルノブイリ被災地で起きた事実は、今後、私たちがとるべき行動を示しています。  チェルノブイリ原発は、ベラルーシとの国境沿い、ロシア西部にも近いウクライナの北端に位置します。爆発事故によって、広島の原子爆弾600発分もの放射性物質が空中に放出され、近隣の国や地域はもちろん、北半球全体を汚染しました。放射性物質は風に乗って100キロ、200キロ先まで飛びますから、チェルノブイリから遠く離れた場所でも高度に汚染される「ホットスポット」ができました。  福島原発の事故によって、東京などにもホットスポットができたことは大きな話題となりました。広範囲にわたって放射性物質が広がり、大変な被害を受けたと思われる方は多いでしょう。しかし、外国からは被害者というより加害者として見られているのをご存じでしょうか。放射性物質は海にも流れ、世界中に被害が及んでいるからです。原発は、良い悪いの問題以前に、ひとたび事故が起きると被害がボーダレスであることを忘れてはいけません。 (事故後26年経つ今も人が住めないチェルノブイリ原発の30キロ圏内。)  爆発事故が起きてほどなくして(注)、チェルノブイリ原発は「石棺」という対策がとられました。放射性物質を遮断するために、鉛やコンクリートで全体を覆ったのです。しかし、原発の30キロ圏内は今でも線量が高く、人が住むことができない居住禁止区域に指定されています。一応、除染作業はされているのですが、私から言わせれば"減染"に過ぎません。放射性物質は化学的に中和などできませんから、どんなに除染しても消えないのです。森林地帯に至っては、技術的に無理があるため、手をつけられないままの状態になっています。全ての木を切り倒して、根を抜いて、表土を全部除染することなど到底できませんからね。  私は、ベラルーシに滞在していたとき、その30キロ圏内に入ったことがありました。非常に自然が豊かなところで、川が流れ、森が茂り、緑のじゅうたんが広がる大平原もあります。しかし、人影はなく、廃墟となった小中学校が残されたままでした。福島の光景を「ゴーストタウン」といって辞任に追い込まれた大臣がいましたが、ベラルーシの光景も似た印象を持つ方が多いと思います。  それでも、なかには「故郷を離れたくない」といって居住禁止区域に住み続けている高齢者もいます。いったんは避難したものの、再び戻ってきて野菜を育て、家畜を飼って暮しているのです。日用雑貨などは、定期的にやって来る移動販売車で購入しています。  ある日、その地域で子どもの姿を見かけたことがありました。あれ? と思って話を聞くと、ここに住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんから食料をもらいに来たと言います。彼らの両親の車には、豚肉や鶏肉、卵、トマト、キュウリなどが山ほど積まれていました。汚染度の高い地域で作られた作物ですから、当然、安全な食べ物とは言えません。それを食べる子どもたちは、被ばくのリスクが高まってしまいます。経済状況の苦しいベラルーシでは、生活のために苦渋の選択をせざるを得ない現実があるのです。 (注)チェルノブイリ原発を覆う石棺は、1986年11月に完成した。 (事故から5年目に甲状腺がんが一気に増えた。)  子どもたちの被ばくリスクを高めた要因は、チェルノブイリ事故直後の旧ソ連政府の対応も大きく関係しています。旧ソ連政府は、近隣の住民たちに事故の情報を一切与えませんでした。原子炉が爆発した86年4月26日の5日後、5月1日はメーデーで、国で一番大きなお祭りです。大人も子どもも、放射性物質が降り注いでいるとはまったく知らず、外に出てお祭りを楽しんでいました。  その結果、他にも原因はありますが、子どもたちの甲状腺がんが増えてしまいました。これは、IAEA(国際原子力機関)が唯一認めているチェルノブイリ原発事故の内部被ばくによる健康被害です。IAEAは原発推進の組織ですから、なかなか被ばくの被害を認めません。科学的、統計学的な根拠がないというのです。しかし、子どもの甲状腺がんに関しては、事故後10年目に認めました。あまりに数が増えて、認めざるをえなかったのです。  甲状腺は、のど仏の下にあるチョウが羽を広げたような形の臓器で、ホルモンを合成しています。ホルモンはヨウ素を元に作られますが、ヨウ素には安全なヨウ素と、危険な放射性ヨウ素があります。甲状腺はこれらを見分けられませんから、放射性ヨウ素もそのまま取り込んでしまうんですね。放射性ヨウ素は甲状腺に蓄積して放射線を発し、細胞のなかのDNAを傷つけてがんになってしまうのです。  本来、子どもの甲状腺がんは非常に珍しく、小児人口100万人に1〜2人が普通ですが、チェルノブイリ事故後のベラルーシでは、徐々に増加していきました。最初は年に1〜2人増える程度でしたが、5年目になると一気に28人になり、そのあとはうなぎのぼりで95年は90人になりました。医学的には、遅発性とか晩発性疾患と言いますが、被ばくから症状が表れるまでタイムラグがあることは、注意すべきポイントです。長期間にわたって継続したケアが必要になるからです。  ベラルーシの子どもたちは、今でも年に1回、甲状腺の検査を受けています。幼いうちは何の検査かわかりませんが、成長するにしたがって「自分はチェルノブイリの事故で汚染された」と理解し、精神的な苦痛も伴うようになります。いじめや差別もありますし、「私は子どもを産めない」と悩む子もいるのです。従いまして体だけでなく、精神面に関しても十分なケアをしなくてはなりません。 (「チェルノブイリ・エイズ」に苦しむ人々。)  現在のベラルーシはいわゆる独裁国家で、原発を建設しようという動きがあるようです。すでに情報統制も行なわれていて、チェルノブイリのことは口にしてはいけないと規制されています。しかし、現地の医師たちのなかには低線量被ばくの健康被害の治療にあたり、その深刻さを目の当たりにしています。  私たちの知人の医師が、そっと教えてくれたことをお話しましょう。軽度から中等度の汚染地域では、「チェルノブイリ・エイズ」と呼ばれる症状が増加しているそうです。医学上の病名ではありませんが、汚染地域の居住者には、いわゆるエイズ(後天性免疫不全症候群)と同じように、身体の抵抗力が落ちている人が増えているのです。  たとえば、ちょっとした風邪が治りにくかったり、すぐに感染症にかかったり……。最近では、小児の貧血も増えているそうですが、おそらく血液を造る骨髄などがダメージを受けているのでしょう。ぜんそくや皮膚炎などアレルギー体質が増えているという話もありました。免疫力が落ちるわけですから、呼吸で細菌やウィルスなどの異物を吸い込んだり、また皮膚に何かが付着したりしたときの正常な反応ができなくなっているのかもしれません。  さらに、未熟児や早産、死産、先天性異常など出産に関わる影響も、この10年で増えてきています。日本では考えられないことですが、現在ベラルーシでは妊娠中の検査が厳しく言われています。もし検査をして異常が見つかったら、半ば強制的な妊娠中絶になるそうです。ベラルーシの経済状況では、障害のある子どもを守る福祉制度が十分でないからでしょう。もっとも、最近は中絶を勧めても産みたいという女性が増えているそうです。  未熟児で産まれた子は、成長してからも大変です。各臓器が未発達のまま産まれるわけですから、その後、さまざまな健康障害が発生するのです。明確な根拠はありませんが、たとえば異常な疲労性があります。とにかく疲れやすくて、集中力が続かない子どもたちが増えているのです。子どもたちの体力が落ちて授業について来られないために、学校の授業時間を短縮するケースがあるほどです。  ただし、これらの症状と低線量被ばくの因果関係は、科学的に証明されていません。世界中のどこにも、客観的な統計に耐えうるデータがないのです。チェルノブイリ事故が起きて26年、これからデータが集積されていけば何かわかることもあるかもしれませんが、それを待っていては福島の子どもたちがどうなるかわかりません。今は、現地で報告されている事実を大切にして、福島の子どもたちを低線量被ばくから守る必要があるのではと、私は思っています。 (低線量被ばくを避ける3つのポイント。)  低線量被ばくは、影響が表れるまで時間がかかるだけに、日頃の自己管理が大切です。もう、みなさんもご存知のことと思いますが、被ばくには外部被ばくと内部被ばくの2種類があります。それぞれの影響を最小限にとどめるには、3つの注意点があります。まず外部被ばくからご説明しましょう。 ①距離……放射線を発している線源から、できるだけ遠くに離れることです。たとえば雨樋など、放射性物質がたまりやすい場所には近づかないようにしましょう。 ②時間……空間線量の高いところに長時間いないこと。 ③遮蔽……線源に近づく場合には、鉛版などで放射線被ばくを防ぐこと。  いずれも、自分で自分の身を守る術として、常に意識しておきたいポイントです。  次に内部被ばくへの対策ですが、こちらも注意点は3つ。経呼吸器、経皮膚、経口という、放射性物質が体内に入るルートを遮断することです。 ①経呼吸器……呼吸とともに放射性物質を吸い込んでしまうこと。マスクをしたり、ハンカチで鼻を抑えたりして遮断しましょう。 ②経皮膚……粘膜や傷口から放射性物質が入るルートです。雨や雪の日には必ず傘をさし、雨水に濡れたらシャワーを浴びるなどの対応が必要です。また、長袖のシャツを着たり、帽子をかぶることなども心がけてください。 ③経口……文字通り放射性物質が口から体内に入ること。つまり食事のことですが、汚染されていない食品を選ぶことが何より大切です。  いったん体内に取り込まれた放射性セシウムは、しばらく蓄積し続けます。以前、日本の病院で研修を受けていたベラルーシの女性医師がいたのですが、彼女は現地では低線量汚染地帯にあたる町に住んでいました。医学的知識がありますから、外部被ばくにも内部被ばくにも注意を払っていたと言います。もちろん、食べ物も気をつけていました。  ところが日本に滞在中、ホールボディーカウンターで体内の放射性物質を測ってもらったところ、セシウムが高く検出されました。本人は「きっと大丈夫」と思っていましたから、結果が出たときは大きなショックを受けていました。どんなに気をつけていても、汚染地に住むかぎり、セシウムなどの蓄積を完全に防ぐことは難しいのです。 (福島の計画的避難区域は、チェルノブイリの居住禁止区域に相当。)  2011年8月末、文部科学省はセシウム137の土壌汚染マップを公表しました。インターネットで誰でも見られるものです。警戒区域に指定された浪江町、双葉町などの汚染度は3000キロベクレル/㎡。計画的避難区域の飯舘村は1000〜3000キロベクレル。避難指示解除準備区域(2012年3月時点)の川内村周辺は600〜1000キロベクレル。区域指定されていない福島市や二本松市、郡山市などは60〜300キロベクレルとなっています。しかし、通常、国際的に使われているチェルノブイリ基準を参考にして比べると、やや気になる点があります。  チェルノブイリ基準では、約1500キロベクレルで居住禁止区域にあたります。約500〜1500キロベクレルは厳戒管理区域。ここは、移住あるいは農業や食生活について国の管理と制限を受ける地域です。その次が約200〜500キロベクレル、そして約50〜200キロベクレルと段階がありますが、どちらも汚染地域と言われています。  つまり、チェルノブイリ基準でみれば、飯舘村の一部はベラルーシでは居住禁止区域にあたり、川内村は厳戒管理区域にあたるのです。大変残念なことではありますが、汚染の程度は想像以上に厳しい状況にあると言わざるを得ません。  私は、本音をいえば福島の子どもたちを集団疎開させたほうがいいと思っています。申し訳ないけれど、ある一定期間はきれいな空気のところに住まわせて、安全なものを食べさせ、体内に取り込まれた放射性物質が排泄されるのを待つのです。すでに自主避難している子もいますが、可能であるならば、原則としてすべての子どもを移住させるような対策を、政府が考えてほしいものです。  経済的な問題はあるでしょうが、チェルノブイリのように、数年以上経って深刻な健康被害が出てからでは遅すぎます。国策として、学校単位で子どもたちを疎開させるべきだと思います。  放射性物質は目に見えないし、臭いもしない。でも、空気や土壌、水までも汚染する本当にやっかいなものです。私たち日本人は、常に生活のなかに放射性物質がある状況になったことを、真正面から受け止めなくてはなりません。客観的事実をもとに、原子力災害を勉強して賢くなるしかないのです。そのための一つの材料として、チェルノブイリの経験が生かされることを願っています。

2013年3月20日水曜日

山下俊一氏らによる原発事故後の子どもの甲状腺結節のがん化についての追跡調査に対する見解: 松崎道幸. http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/130320Matsuzaki-report.pdf 北海道の松崎道幸医師より: 「昨年山下チームの発表した論文の解説と私の見解をまとめました。 原発事故後のこどもの甲状腺結節がどれほどがん化するかについての追跡調査です。 福島の事態を解釈するうえで参考になると考えました。」 (甲状腺結節の予後についての論文解説と見解.) http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/130320Matsuzaki-report.pdf 福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上である可能性: 福島県県民健康管理調査結果に対する見解(2013年2月16日) 福島県甲状腺検査、35%が「5ミリ以下の結節、20ミリ以下の嚢胞」-ゴメリ以上の甲状腺異常の可能性 (2012年4月28日) 甲状腺結節の予後についての論文解説と見解. 1. 原発事故後のこどもの甲状腺結節が将来どれほどがんになるかを検討した 論文が2012年に山下チームから発表されました。 2. 福島中通より土壌汚染の少ないジトミル地区での調査です。 3. 事故の5~14年後に甲状腺結節ありと診断されたこどもでは、事故の24年後に40人に1人が甲状腺がんと診断されました。疑い例もほぼ同数みつかりました。 4.事故の1年後までに福島では約8万人のこどもから770人の結節が見つかっています。 5.現時点での結節の有り無しにかかわらず、長期間、定期的な甲状腺検診をしっかり行う必要があります. 松崎道幸 matsuzak@maple.ocn.ne.jp (北海道反核医師歯科医師の会・医学博士) 2013年3月20日. 言葉の意味. 結節=細胞のかたまり(良性あるいは悪性) のう胞=液体の入った袋両方の成分があるとき⇒「結節」と判定. ~ 7年目に甲状腺超音波検査を行った結果、ジトミル地域では 1万1千人に1人甲状腺がんが発見されています。 【出典】 ItoM, Yamashita S et al. Childhood thyroid diseases around Chernobyl evaluated by ultrasound examination and fine needle aspiration cytology. Thyroid. 1995 Oct;5(5):365-8. 【背景まとめ】ジトミル地域. 1.土壌汚染度は福島中通より少ない。 2.事故時10歳以下だったこどもに事故の5~7年後に超音波検査を行 うと, 3.1万1千人から1人甲状腺がんが見つかった地域。 【本題】この調査の目的. 1.事故の4~14年後に甲状腺結節を持っていた子供が24年後にどうなっているか(がん化率など) 2.事故の4~14年後に甲状腺結節を持っていなかったこどもが事故の24年後にどうなっているか(結節出現、がん化率など) 1.1991~2000年期に結節が発見されたこどもに対して、2009~2010年に電話あるいは通院先のクリニックで再検査要請。承諾者が160名になるまで要請継続。 2.結節なし群から、前記の結節あり群と性、年齢、居住地域をマッチさせて同様に再検査要請。 3.再検査は超音波検査と結節の穿刺細胞診。 4.事故時からジトミル地域に居住を続けている者を再検査対象とした。 結果(1) 結節なし群は10年後も結節なしのままだった (被ばくの4~14年後の時点で甲状腺結節なしなら、その10年後も結節なしだった) 結果(2) 結節あり群では、結節は大きくなり、数が増えた. 結果(3) 1.)160名の結節あり群から4名(2.5%)甲状腺がん発生。 2).疑い例5名を合わせると5.6%にがんかその疑い. まとめ. チェルノブイリ原発事故で被ばくした子どもの甲状腺結節(のう胞でなくしこり)を追跡すると, •事故の24年後に、結節のあるこどもの •2.5%が甲状腺がんとなった。 •がんの疑いの残る者も同率にあり. 結節あり群は結節なし群に比べて有意に甲状腺がんが多く発生していた(事故の24年後までの追跡) 結節なし群と結節あり群の甲状腺がん+疑い例が多く発生していた(事故の24年後までの追跡) 原発事故1年後の福島の子どもの甲状腺結節の頻度.770名/79404名.(2012年現在) 甲状腺検査の実施状況(平成24年度)及び検査結果(平成23年度・24年度)について. http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240911siryou2.pdf 松崎考察. •原発事故から10年の時点で甲状腺に結節がある場合、その10~15年後に20人から40人に1人が甲状腺がんとなる可能性があるかもしれない. •この調査は、検診前に甲状腺がんを発症したこどもを除外していることに留意が必要。 この調査結果を福島のこどもに当てはめると 1.事故の5~14年後の時点で、甲状腺に結節がある場合、その10~15年後2.5%が甲状腺がんを発症し、同数が疑いありの状態となる可能性。 2.現時点(2013年)で甲状腺に結節のあるこどもさんでは、甲状腺検診をしっかり行うことが大事。 3.現時点(2013年)で甲状腺に結節のないこどもさんも、結節が発生しないかどうかしっかり検診を行うことが大事. 以上. .

2013年3月19日火曜日

福島原発を密閉しないと、東日本は放射能で使い物にならなくなる.

2013年3月18日月曜日

(ドイツZDFテレビ(フクシマ)最悪事故から2年、除染・甲状腺がん ) ドイツZDFがフクシマ2周年で無責任な除染と子供の甲状腺癌の隠蔽を報道/お母さんたちの知識にはびっくり・日本語字幕付き動画公表. http://tkajimura.blogspot.jp/2013/03/zdf.html この部分だけのビデオには出てきませんが、上記オリジナルでは司会の女性が「核汚染のゴミを遊園地の真下に埋めたり、川に投げ捨てたりしている。こんな無責任なことが許されるのでしょうか」と述べています。 今では日本でも人気のあるハイノ記者は、郡山市のお幼児を抱える母さんたちの集まり「安心・安全・アクションin郡山(通称→3a/スリーエイ・野口時子代表)」 を訪ねて、声を聴いています。そこで汚染食品の汚染測定をしている彼女らの知識の豊富さに「物理の専門家なのか」と驚いています。  わたしもここを訪ねたことがあり、「エートス・プロジェクト批判」関連で以下の写真を付けて→簡単に紹介しましたが 、ここにあるようにお母さんたちは、全くの白紙から子供を守るために写真にあるように世界的な知識人の最高の知見も聴き、非常に勉強して放射線防御のエキスパートになっているのです。 また、子供の甲状腺癌発生については、「フクシマとは関連があるとは出来ない」とする無責任な公式見解も丁寧に紹介し、北海道がんセンターの西尾正道院長の批判も紹介しています。 このような日本各地の市民測定所の活動ぶりは世界中のメディアが注目(日本だけは例外)しています。最近では韓国のソウルで最初の測定所が立ち上がっています。 「フクシマとは関連しない」などという日本の政府見解が世界的原発ロビーの代弁であることはだれでも知っており、信用されるわけは無いのです。 (チェルノブイリから27年:) カタストロフの4年後以来、子供と成人の甲状腺癌と白血病は常在している。綿密な計算によれば、チェルブイリの放射線の影響の結果、ヨーロッパ全体で160万人の死者がでている(原註1)。80万人のリクイダートールのうち12万5000人がもう生存していない(原註2)。数十万人が重病である。乳児死亡率は向上している。先天的奇形は世代を経るごとに増加している。 (フクシマから2年:) 福島県の子供の35%以上に甲状腺に嚢胞と結節が診断されているが(原註4)、平常ではこの年齢では非常に稀である(原註5)。 甲状腺癌は2014/15年から懸念され、白血病はわずかに遅れてからだ。日本では、カタストロフから9ヶ月後の2011年12月には乳児死亡率が増加し、出生率がはっきりと減少した(原註6。訳注2)。 フクシマ後には世界中でまだ約430基の原子力発電が稼働している。これらは核兵器への門を開くものだ。次の超最悪事故(訳注3)発生は時間の問題である。住民を保護することはできない。どの非常事態計画も中途半端なものである。被曝に対しては医師の援助も医薬品も存在しない。予防だけが可能である。 フクシマはドイツにおいては根本的な考えの革新へと導いた:原子炉8基は即座に停止された。残りの9基も続いて早期に廃炉にされるべきである!       (エネルギー転換. グローバルに考え、ローカルに行動しよう)  ひとびとは再生可能エネルギーの供給を自らの手中にしている。 男女市民、都市発電公社、エネルギー共同組合、手工業や中小企業は、数年のうちに再生可能エネルギー源からの分散型発電を実現できる。100%までできる。彼らは巨大エネルギーコンツェルンと政党内のそのロビーから阻止されたりしない。この「地域のエネルギー自治」の実現への鍵は、風力と太陽光電力を天候に依存させないための、分散型蓄電設備のネットワークである。諸政党もこのことをもはや認識し、そのためにいくらかはすべきである: 今や 、巨大コンツェルンのための過剰な「送電アウトバーン」(訳注4)に膨大な経費をつぎ込む浪費に代えて、再生エネルギー法を通して、地方と地域のエネルギー貯蔵を促進する時である。 地域的エネルギー自治は、高価なエネルギー輸入を回避し、あらゆる地域の繁栄を促進し、資源と交易路を巡っての戦争の防止することの助けとなる。=これこそがエネルギー転換の「平和政策的次元」である。  以上は2328名の男女医師とIPPNWの支援者によって署名された。
『チェルノブイリの長い影~チェルノブイリ核事故後の健康被害』. (PDF掲載) http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/cherno10.pdf/$File/cherno10.pdf

2013年3月17日日曜日

ドイッチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)2013年3月11日付.(医師団がWHOの隠蔽行為を非難) http://donpuchi.blogspot.de/2013/03/who.html Ärzte werfen WHO Vertuschung vor 本文はこちら:http://www.dw.de/%C3%A4rzte-werfen-who-vertuschung-vor/a-16653046 フクシマ原発事故後、日本でのガン発生数が増加している、と核戦争を防止する国際医師の会は語る。しかし世界保健機関は先日、警戒の解除を宣言したばかりだ。 最初の兆候を与えたのは出生の空白である。日本では2011年末には、統計から期待される数よりも出生件数が約4000人分少なかった、と語るのは核戦争を防止する国際医師の会(IPPNW)のメンバーで小児科医であるヴィンフリット・アイゼンベルク氏(Winfrid Eisenberg)だ。「被ばくが原因でたくさんの胎児が胎内で死んでしまったと予測されます。胎児は放射線に一番弱いのです」。エイゼンベルク医師はフクシマ事故の、ことに子供たちにとっての結果がどれほど劇的なものであるか、語る。事故後充分にヨー素剤が配られなかったため、福島県の児童の3分の1で甲状腺に結節やのう胞が見つかっている、と彼は言う。このような変形は成人にはあまり害がないことが多いが、子供たちにとっては甲状腺がんの前兆である場合が多いという。「これから数年のうちにもっとガンの発生件数が増加するものと考えられます」。 WHO:「福島県外では危険性は高まっていない」 WHO世界保健機関ですら、福島の事故原発周辺の高線量地域ではガンの発生率が高まっていることを認めた。しかし、日本のそれ以外の土地に対しては警戒を解いている。WHOの代表は「この地方以外ではガンの発生率が高まるとは思われない」と声明を出したのだ。しかし「この報告は、事故の結果を過小評価するために行われている」と、エイゼンベルク氏は考えている。IPPNWでは、直接被害を受けた地域以外でも危険性がどれだけ高いか算出した。原発事故を原因として、日本では6万から12万の人間がガンになる可能性がある、という。それに加わるのが直接、事故の被害の後始末に携わる1万8千人の労働者で、彼らの発病率はきわめて高い。「日本はとても広い面積で被害を受けているのです」と結論付けるのはIPPNWの医師、ヘンリク・パウリッツ(Henrik Paulitz)氏だ。 (原子力機関と「不利な契約」でさるぐつわをはめられている?) 原子力に反対している人たちは、WHOがもともと偏向的だと考えている。それは、WHOが国際原子力機関と協定を交わしているからである。この協定で、どちらの団体も、「どちらかの側が実質的な利害を持つ、または持つ可能性があるテーマに関しては、必ず相手側に助言を求める義務がある」。原子力批判者はこれで、WHOの放射線のリスクに関する報告に対して、原子力機関が実質的に拒否権をもっているのと同じだ、と解釈している。IPPNWのメンバーであるエイゼンベルク氏はこれを「さるぐつわ契約」と呼んでいる。WHOは、この契約が自分たちの組織の独立性を制限するものではないとしている。 IPPNWは冷戦中にソビエト連邦とアメリカの医師たちによって設立され、原子力兵器の廃棄、紛争防止、原子力エネルギーからの撤退を求めて運動している。昨年、IPPNWでは原発事故を招いたのは津波ではなく、地震だったということを結論付ける技術的研究を発表した。だからこそ、この執筆者たちは次の結論を述べている:「原発は、地震が起きるほかの地域でも極めて危険である」と。
ドイッチェ・ヴェレ. ドイツのグリーンピースのメンバーで原子核物理学者のハインツ・シュミタル(Heinz Smital)氏のインタビュー. http://donpuchi.blogspot.de/ フクシマの原発事故から2年、ドイツのグリーンピースが新たに放射能測定を行った。線量はまだとても高い。核物理学者のハインツ・シュミタル氏がドイッチェ・ヴェレとのインタビューに応じ、福島近辺での危険での生活がいかに危険か、語った。 (シュミタルさん、先日福島とその近辺で放射能測定をなさいましたが、どのような結果に達しましたか?) シュミタル:放射能は今もまだとても高いです。福島市には約30万人の住民がいますが、ここには子供たちが遊ぶ公園でもまだ強く汚染されているものがあります。測定値は地面で測ると、原発事故前の200倍です。住民が揃って避難したゴーストタウンで、かなり大がかりに除染作業が行われましたが、そこでは放射線量が下がっていないことを私たちは確かめました。放射線はしっかり地面に入り込んでいるのです。除染作業で20%から50%はよくなったかもしれませんが、それでも線量は高く、とても人が普通に住めるような状況ではありません。 (それでも住民がそこに帰還することになっているようですが。) そうなのです。私たちは、この住民が避難した地域に集中して、そこでかなりのエネルギーを使って放射能を森や道路から減らすように努力するその試み自体を批判しています。これだけの手間をかけるなら、すでに住民が住んでいる場所でおこなうべきです。そこには今も住民が住んでいるのですから! そこでこそ、放射線量は低くなるべきです!  それで人々たちもずいぶん助かることでしょう。人々が放射線量の高い地域に帰って、普通の生活が可能だ、ということには非常に懸念があります。 (福島の人々はどのように反応しているのですか?) 私たちはいろいろな人たちとそこで話をしました。そして日本人がとても土地に対し深い結びつきを抱いていることを学びました。彼らはそこで何世代にもわたって暮らしてきたのです。でも、日本人はまた同時に、とても強い。彼らは泣き言はいいませんが、しかしとても苦しんでいます。できれば前の生活を取り戻したいと誰もが思っている、しかしそれができないのです。 (住民たちは官庁から充分に健康に関するリスクについて説明を受けていますか?) ここでは健康に対する危険性はかなり軽視されています、それは克服できない課題だからでもあります。その地方全体、山々、川、海岸をすべて除染することなどできません。今試みられていることは、住民たちに、高度な放射線を受け入れさせることです。そして彼らを不安にさせないために、影響はない、と言っているのです。そういう意味において、原発事故の被害者たちは、再び被害者になろうとしているのです、放射線量に高い場所に住むことを余儀なくさせられる、ということにおいてです。 (では、日本政府がこれらの人々たちに充分なことをしてないというお考えですか?) 総合的に見て、人々は見捨てられています。賠償金をもらうために、何十ページもの申込書に記入しなければならないのを、私は見ました。ほとんどの人たちは、その形式上の手間があまりにかかりすぎるため、あきらめてしまうのです。粘って闘い続ける力も彼らにはありません。私は、弁護士を雇ってこの2年間に1万5千通の手紙を書いたという男性に会いました。しかし、他の人たちにはほとんど、こうした力はありません。それをうまく利用しているのが東電で、こうして賠償金の支払を節約しているのです。 (福島で普通の生活が可能になるまで、あとどれだけかかるのでしょうか?) チェルノブイリでの原発事故後の経験があります。何十年もたった今でも、線量はほとんど減っていません。線量は、主に自然の放射性崩壊で減少します。ということは、放射線は30年後に半減するということです。福島地方はこれから数十年はまだ高線量が続くとみなさなければなりません。これほどの規模の事故を制御しようとするのが、いかに見込みのないことか、これでわかります。原子力というものがどれだけ恐ろしいものかということもこれでわかります。ドイツが原子力から撤退したことは正しいことであり、原子力には世界中で終止符を打たなければならないこともです。 (ハインツ・シュミタル(Heinz Smital)氏は原子核物理学者で、ドイツ・グリーンピースの原子力専門家である。)
菅谷市長インタビュー(1)子どもだけでも避難させたほうがいい. http://niwayamayuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-a9b4.html 【政府、今だ汚染の深刻さ理解せず】 松本市長 菅谷昭氏 聞き手 編集局長 島田一 ――福島の原発事故から1年。この間の政府の対応を振り返って…。 菅谷 今年1月、日本政府は原発事故の放射能汚染問題や健康被害の情報を得るために、チェルノブイリ原発事故を経験したウクライナ共和国と協定締結方針を定め、続いて2月には隣国のベラルーシ共和国とも協定を結んだ。私としては、「やっと、か」という思いだ。(略)結局、政府はいざという時の対応が全く出来ていなかったということだ。 ――まだまだ伏せられている情報がたくさんある…。 菅谷 汚染マップなどが一般公開されなければ、国民は情報を得ることが出来ず、正確な判断が出来ない。中でも私が心配しているのはストロンチウムについての情報だが、仮に政府がその情報を持っていて、敢えて表に出さないのであれば、それは隠蔽だ。(略)そもそも日本では、放射能汚染基準として世界中が採用しているチェルノブイリ基準を採用していない。これも驚くことだ。さらに、「シーベルト」という単位と「ベクレル」という単位を平行して使っているということも、色々な判断を行う際に混乱を招いている一つの原因だと思う。出来れば「ベクレル/平方メートル」で統一すべきだ。(略) ――国に現場の声を拾う姿勢があまりにも乏しい…。 菅谷 (略)目下、出てくる情報は予想を遥かに超えて汚染が酷い。8月末に文部科学省が一般公開したセシウムの汚染マップはそれだけを見ても普通の人ではわからないが、今回私が特別に作成したチェルノブイリ事故10年目の放射能汚染図と比較すればいかに酷いかが分かるだろう。今回の事故で放出された放射性物質はチェノブイル事故の時の10分の1~2程度と言われていたが、この図を見ると、むしろ福島の方が汚染度合いは高い。事故当初に米国が80Km圏内を避難区域としたのも当たっていたと言える。(略)私は、この図で青色に塗られた地域に関しては、せめて子どもたちだけでも避難させたほうが良いと思う。
被爆二世の長男を白血病で亡くした広島の被爆者、名越操さんの手記 より: 「史樹を抱いて 化石になりたい」 http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/750.html 日本では広島および長崎から、数多くの原爆文学が生まれてきた。 その中には一般によく知られているものもあれば、そうでないものもある。 ここで紹介する手記は、知る人は知っているというたぐいのものである。 名越操(1930-1986)という女性の名前を記憶している人がいるだろうか。 広島の被爆者であったこの女性から、戦後1960年に、次男の史樹くんが誕生した。 しかし史樹くんは、七歳で白血病にて死亡。 両親は、この子の思い出を手記に残した。 『ぼく生きたかった 被爆二世 史樹ちゃんの死』 竹内淑郎・編/宇野書店1968年 『ぼく生きたかった』    名越謙蔵・操(文)/矢野洋子(絵)/      労働教育センター1982年、1983年2刷 「名越史樹(なごやふみき)  お母さんは原爆症に苦しんでいましたが、昭和35年8月、元気な産声をあげて生れました。まるまる太った赤ちゃんでした。-略-昭和43年2月22日夜明け。被爆後23年後めにあらわれたそれはヒロシマの死でした。」 この中に次の短い詩がある。この短い詩の中に、操さんのすべての思いが凝縮されている。 「もしもわたしのこの腕から 史樹が逝ってしまうなら 史樹が逝ってしまうなら 史樹を抱いて 化石になりたい」 その後、名越操さん自身も、被爆の症状が出てきて、操さん自身も1986年にガンで死亡。 親子二世代で、被爆の体験を生きた。 操さんは、長男の死後にもその思いをさらに手記にまとめた。 『「ヒロシマの母の記」史樹の死を生きて』     名越操・著/平和文化1985年 操さんの壮烈な生きざまは、多くの人の心に残った。 http://blog.goo.ne.jp/ryuzou42/e/7cb559426442f13a92acd9d5c149a363 ------------------------------------------------------------- 一九六八年二月二十二日、一人の被爆二世の少年が広島市内の病院で、わずか七歳の生涯を閉じた。名越史樹 (なごや・ふみき)君。白血病を発症し二年八カ月に及ぶ闘病の末だった。  両親は手記「ぼく生きたかった」をまとめた。健康不安とともに生きる二世の存在を世に知らしめる一冊となった。朗読劇にもなり、今も各地で語り継がれる。  史樹君の兄の由樹さん(51)=広島市西区=は現在、安佐南区の総合病院で医療事務の仕事を続けている。 弟の入院当時は市内の祖母宅に預けられていたという。「不思議と、弟が重病だった印象はない。両親が家で弟の話をすることもほとんどなかった」。原爆がもたらす健康不安を社会に告発した両親は、同時に、同じ二世の 兄を気遣ったのだろう。家庭では違う顔を見せていた。  母の操さん(八六年に五十六歳で死去)は市立第一高等女学校(市女、現舟入高)四年の時、爆心地から二・ 三キロ離れた牛田町(東区)の自宅で被爆した。戦後は労組書記を務め、市民団体が発行する被爆手記集の編集 に携わった。高校教師だった夫の謙蔵さん(二〇〇四年に七十五歳で死去)とともに、被爆者運動や反核運動に 奔走しているさなか、史樹君は白血病を発症した。  「子を亡くした親の悲しみを伝え、書き残すことに執念を燃やし、命を削った。しんの強い人でした」。市女 の二年後輩で、被爆手記集の編集を一緒にこなした広島県被団協(金子一士理事長)副理事長の矢野美耶古さん (75)が思い出す。  「史樹君の母」として操さんはいつも、同世代の母親たちの輪の中心にいた。矢野さんが長男を仮死状態で産んだ体験をあっけらかんと話すと、操さんは「何てのんきなの」。以来、矢野さんの手を引き、平和集会へと連 れ出した。  そんな操さんが、被爆二世の遺伝的影響を調べる原爆傷害調査委員会(ABCC)への心情を吐露した文章がある。史樹君の死の二年前、「白血病のわが子」と題し、被爆二世支援団体の小冊子に寄せた。 「ABCCや病院では被爆とは関係ないといいます。しかし、被爆者は、みんな心では関係があると思っているのです。二世、 三世、四世と、この犠牲はいつまで続くかわかりません」  由樹さんは三人の子の父親になった。「子どもが少し寝込んだだけでも『史樹のようになりゃせんか』とぴりぴりする」と打ち明ける。 http://www.chugoku-np.co.jp/kika  

2013年3月16日土曜日

切り捨てられる被災者。ドイツの国営放送「DW」が報じた2年目のフクシマ. http://news-log.jp/archives/7394/2 原発事故から2年、DWの告発. 第二公共テレビ『ZDF』、週刊誌『シュピーゲル』、『南ドイツ新聞』……。ドイツ・メディアの原発報道に共通するのは、被害者の立場、健康・環境への影響を重視した視点といえる。 その中でも国営国際放送『DW(ドイチェ・ヴェレ)』は、簡潔で要点を突く報道で知られている。 原発事故から2年、DWはドイツ・グリーンピースの専門家ハインツ・スミタール氏にインタビューし、福島では現在、日本政府による被害者切り捨てが進められていると厳しく批判している。 (1)最近の福島の線量について ●高濃度汚染地域の人々が避難している福島市も高濃度放射能で汚染され、地表の線量は事故前の200倍もある。 ●除染効果は良くても20%~50%除去できる程度で、放射能は簡単にはなくならない。 ●除染をするのであれば、福島市、郡山市など人口密集地で集中して行われるべきだ。 (2)人々の帰還の可能性について ●日本の人たちは何世代も同じ土地に住み、土地との結びつきが強い。今までの生活に戻りたいとの思いは理解できる。しかし、残念だが危険すぎて住むのは不可能だ。 (3)日本政府による情報提供について. ●(政府は)人々の健康への危険性を過小評価して発表している。山や川がある広い土地から放射能を完全に除去するのは不可能であり、その中で内部被曝を防ぐことも不可能だ。 ●それなのに政府は、人々に高い線量でも受け入れる(住む)よう働きかけている。政府が“放射線の健康への害はないから心配することはない”、と言っているのはそのためだ。 ●今、原発事故・放射能災害の被害者は、危険な放射能下に住むのを促される形で(政府・体制によって)二重の被害者にされつつある。 切り捨てられる被災者……。ドイツの国営放送「DW」が報じた2年目のフクシマ(大貫 康雄) 2013年3月16日avatar記事を全て見る この記事を共有 (4)人々のための政府の対策は十分ではないというのか? ●全体的にみて、被害者の人たちは見放され・切り捨てられようとしている。 ●東京電力に対する賠償請求のための書類を見ても分厚く、まるで本のようだ(これに書き込んでいくのは大変だ)。 ●大半の人々はトンデモナイ官僚主義に対抗する気力を失い、諦めかけている。中には、この2年間に1万5千通の手紙を書き、弁護士を雇う人もいる。しかし大半の人たちは闘いに苦しめられ困難な状況の中で、そうした精神力も出せないでいる。こうした状況に被害者を追い込むことによって、原子力村(nuclear power operator)は被害者に賠償を支払うことなく、利益を得ることになる。 (5)福島の復興について ●チェルノブイリ事故のその後を知る限り、放射能汚染は数十年先でも大幅な減少は考えられない。放射能汚染は主に放射性物質の自然崩壊によってしか減少しない。 今後数十年、福島地域は高い放射線量に苦慮することになる。圧倒的に深刻な事態(the magnitude of the catastrophe)に対応できる希望は残念ながらない。原子力がいかに危険なものか、そして原子力はドイツからも、世界からもなくすのがいかに重要か誰にも判るだろう。 DWは故・高木仁三郎氏が創設したCNIC(市民原子力情報室)など多くの日本国民が、政府計測の原発周辺の被曝量などの正確さに疑念を抱いていることを例を挙げながら報じている。 ●例えば、政府が設置した線量計の周辺は初めに除染されていること(そのため線量が周辺よりも低く計測される)。 ●CNICは、政府は線量計設置箇所だけでなく、あらゆる箇所で線量を計測し公表するべきだという。また、農地の汚染は継続した計測が重要である。何故なら放射能が地下に沈みこんでジャガイモや根菜類に影響が及ぶのに5年かかるからだという。 加えてDWは、手間暇がかかるが政府は東日本の広い地域の農産物の汚染情報を出来るだけ正確に、今後数十年間、国民に提供する必要があるとの専門家の見方を報じている。 いまさら言うまでもないが、東日本大震災と原発事故・放射能災害は日本で起きた大事件で被害者は日本国民である。主権国家の基本的義務は国民の生命・健康、財産の保護だ。 被害者の救済、被害者の立場に立ち、政府の活動を監視・報道するは、報道の基本であり、日本マスコミの一大使命であるはずだ。しかし日本のテレビ・新聞の一面や主要ニュースで被害者の実態や声を知る機会は余りない。 例えば『NHK』夜9時の「ニュース・ウォッチ9」。これを見ているとスポーツや娯楽を始め様々な“話題”は結構長く紹介しているが、原発事故・放射能災害については時々思い出して報道するような感じだ。それも被災者・被災地産の農産物を購入するなど、人々の善意を期待するものが多く、肝心の被害者・被災地の悲痛な現状、放射能被害の正確な情報、事故収束への状況などは殆ど取り上げない。 スポーツや娯楽を取り上げるなというのではない。ことさら政府を批判せよというのではない。しかし、この番組はNHKの看板番組の一つであり、であるからにはNHKの鼎の軽重が問われる番組だ。 NHKのメンツにかけても、また担当者自身の実績のためにも大きな問題と真正面に取り組むべきだろう。何故、NHKのETV特集などが優れた番組を出しているのに、それが出来ないのだろう。 原発事故・放射能災害は繰り返しでもよい。毎日取り上げて然るべき問題である。それとも今のNHK報道は、私などのニュース価値とは異なってしまったのだろうか。ドイツのメディアからは“フクシマの被害者の立場にたつ報道”という報道の基本に従う確固たる姿勢が感じられてならない。 東日本大震災と原発事故・放射能災害から満2年のドイツ・メディアの報道を長く紹介したのは、そうしたドイツのメディアのニュース価値に共感したゆえんである。 【NLオリジナル】
IPPNWドイツ支部.WHOのフクシマ健康被害報告を批判. (注:PDF) http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/japanisch/WHO_Fukushima_Report2013_Criticism_jp.pdf WHOのフクシマ原発事故健康リスク評価に対する批判的分析. 2013年2月28日、世界保健機関WHOはフクシマ原発事故の被曝による「健康リスク評価」 に関する報告書を発表した。報告書は、「日本国内外の一般公衆では予測されるリスクは低く、通常 のガン発症率を超えるような目立ったガン発症率の上昇は予想されない」iと結論付けた。以下に挙げ るIPPNW(各戦争防止国際医師会議)ドイツ支部のアレックス・ローゼン博士の分析は報告書に 対する主な批判点を挙げ、なぜ報告書が実際の健康影響に関する中立な科学的評価ではなく、将来の 決定と勧告に有効となる基盤としても見なすべきものではないのかを示している。一番重要な点は以 下の通りである。 (報告書は間違った推定を基盤にしている) 今回の報告書はWHOが2012年5月に公表した予備的線量推定iiをベースにしているが、この 推定は以下のいくつかの理由から独立系の研究者から激しく批判されたiii。 • 放射性物質の総放出量(ソースターム)を過小評価した • 避難前、避難中における20キロメートル内地域に居住していた公衆の被曝を無視した • 内部被曝線量の計算に使用された食品試料の量が不十分で、試料の選択が偏っていた • 報告書の作成責任のある原子力科学者に不透明な利害関係があった 健康リスクの計算はそれがベースにしている推定が正確でない限り、正確ではない。中立性が欠け る、試料選択に偏りがある、重要な要因が曲解、無視されているという理由からその有効性に疑問の あるデータに依存する評価は、科学界では健康に関して勧告する基盤としては認められない。 (報告書は福島県外の住民の健康リスクを無視している) 放射性物質が日本の多くの地域に放出され、汚染された食品が福島県外に出回っていたにも関わら ず、福島県内の14の最も影響を受けたと見られる地域だけが健康リスク評価の対象として考慮され た。それによって、日本のそれ以外の地域の住民に関する測定可能な健康影響が否認された。チェル ノブイリの経験から、比較的被曝線量の少ないたくさんの住民においては、ガン発症の絶対数で被曝 線量の高い少数の住民と同じ結果が出る可能性があることがわかっている。 (放射性物質の放出が続いていることが評価では考慮されていない) WHOの報告書はフクシマの原発事故を単発の事故として取扱い、2011年3月の初期のメルト ダウン後もセシウム137やヨウ素131のような放射性物質が漏れて、流出、放出され続けている ことを考慮していない。報告書の執筆者は、放射性核種が土壌に入り込むことによって「遮蔽効果」 があると推定し、チェルノブイリ事故後に見られたように、地下水や食品供給チェーンからの放射性 セシウム137によって内部被曝量が増加し続けていることを考慮していない。 (報告書は胎児の放射線感受性が高くなっていることを無視している) 報告書の執筆者はこどもと比較すると胎児の放射線感受性が高いことをほとんど考慮せずに、放射 線によって周産期死亡率や先天性異常が増加している可能性を除外した。胎児はヒトの中でも最も感 受性の高い形態で、へその緒から胎児の体内に入るヨウ素131とセシウム137によって内部被曝 する傾向がある。胎児と母乳で育ったこどもの高い放射線感受性を考慮せずに、放射線の影響を受け た公衆の中でも最も弱い胎児の特殊な健康リスクを無視しているので、WHOの報告書では現実の健 康リスクを著しく過小評価した。WHOの報告書は先天性奇形と周産期死亡などの催奇形効果を無視 している。 (最新の臨床所見を考慮しなかった.) 報告書によると、フクシマ原発事故の結果だとする「臨床条件が認められなかった」という。しか し報告書では、すでにフクシマのこどもたちに甲状腺ガンが3例見つかったこと、甲状腺にのう胞と しこり(結節)が増えていることも、すでに報告されているようにフクシマ原発のメルトダウンによ って乳児の死亡率が増加したことも述べられていない。因果関係を立証するのは難しく、これら現象 の範囲と可能な原因を調査するためには更なる調査が必要なのは明らかだが、これらの現象が報告書 でまったく無視されているのは、報告書の中立性に疑いを持たせる。 執筆者の中立性に疑いを持たなければならない 今回のWHO報告書は再び、利害関係のあるのが明らかな科学者によって多くの部分が作成された。 報告書は科学者同士の査読という通常の科学的なプロセスを経ておらず、放射線の健康影響を批判的 に見る科学者が専門家パネルには招かれていなかった。生涯の多くを英国の原子力産業のために働い てきた科学者が乳児とこどもの放射線影響に関する専門知識を提供することに責任を持っていた。 (結論.) フクシマ原発事故に関するWHOの「健康リスク評価」は、医師や将来の勧告を行う意思決定者が 利用できるような科学的に中立で信頼できるデータを提供しない。福島と日本の人々に関する真の健 康リスクは今後、原子力産業や原子力規制機関とのなれ合いや影響の疑いのない独立した科学研究者 によって評価されなければならない。WHOは放射線に関する健康リスクを評価するに当たってはそ の独立性を取り戻し、特殊な産業界の利益ではなく、人々の健康の関心だけに専心することの正当性 を再確認しなければならない i WHO.「予備的線量推定をベースとした2011年の東日本震災と津波後の原発事故による健康リスク評価」 „Health risk assessment from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan earthquake and tsunami, based on a preliminary dose estimation“, 2013年2月28日. www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/fukushima_report/en/index.html ii WHO. 「2011年の東日本震災と津波後の原発事故による予備的線量推定」„Preliminary dose estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami“, 2012年5月23日. whqlibdoc.who.int/publications/2012/9789241503662_eng.pdf iii A.ローゼン(Rosen, A). 「WHOのフクシマ原発事故に関する報告書の分析」„Analysis of WHO report on Fukushima catastrophe“, 2012年8月3日. www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/english/ippnw_analy

2013年3月15日金曜日

「汚染された生を拒否する日本の方々への手紙」というフランスからの連帯。貴女は避難をどう考えますか?(木下黄太さんから.) http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/cdd463e5f5e1a28070c30b59706fa28a この手紙がフランスから届いたときに、ある意味、僕は感動しました。これは、原発事故の災害を語るのみならず、「避難・移住」という壁に立ちあたっている日本の人々に宛てられていて、福島の皆さんは当然のこととして、「東京も含めた汚染地帯での状況を語ること、そしてそこからの脱走を呼びかけることは重要な争点」という認識でこの手紙が書かれております。日本と同じく、ある意味、原発先進国であるフランスから、このような重要な連帯の手紙がきていることは、全国でこの放射能汚染を回避するために、闘っている皆さんにとっても、大きな励ましとなりますし、しかも、その汚染地(東京も含んだ)からの脱走をよびかけることの大切さも、伝えてくれています。こうした知性が、西ヨーロッパから連帯してくれることに、僕は大きな喜びを持ちますし、皆さんにもお伝えしたいと思います。  これを読んで、貴女は避難をどう考えますか?貴女は「汚染された生」を拒否するのですか?拒否しないのですか?貴女が問われ続けるのです。        「汚染された生を拒否する日本の方々への手紙」   福島の災害により、フランスにおいても反核運動が少しだけ活気を取り戻しました。私たちも参加したノルマンディーでの二つの重要な結集を思い出しましょう。2011 年11 月にはヴァローニュに800 人が集まり、ラ・アーグ「再処理」工場から出発する核廃棄物運搬列車を妨害しました。その数ヶ月後にはシュフレンヌ(Chesfrene)で、原子力発電所からの送電を行う超高圧送電線の建設に反対するため組織された別の集まりがありました。弱々しくも再生しつつある闘争への貢献を願って、私たちは2012 年の春に一冊の本を出しました。この本の関心はこの災害の社会管理、そして不可視性を組織する国家の論理にあります。あえて挑発的に『フクシマを忘れる(Oublier Fukushima)』と題されたこの本は、1986 年4 月26日のチェルノブイリ原子力発電所事故との多くの類似点を証明しました。    この本の一部の日本語訳をみなさまへお届けします。1996 年から2001 年の間にベラルーシで実現された「汚染地帯の復興」を目指すところのエートスおよびCORE 計画についての詳細を述べたものです。その計画とは主にフランス人専門家を中心として行われた、事故後に避難が行われなかった汚染された村における社会的容認の実験です。フランス人たちは住民に「放射能との共生を学ぶ」ための数多くの「慎重な振舞い」を日常に適用するよう求めたのです。その方法は、添付のテキストに記述されているように、住人の健康の改善にはまったく寄与していません。住人たちは病気を罹患し続け、死亡率は上昇を続けています。復興プログラムのもたらした主な効果とは、親たちに罪悪感を植え付けることです。専門家の忠告を十分に守らなかったから、と親たちは子どもの癌の責任を感じています。彼ら彼女らの多くは汚染された地帯を離れることができなかったのです。「汚染地帯の復興」は、汚染農地での生産の継続と生産品の流通を可能としましたが、汚染の減少には何の役にもたっていません。   福島での災害が始まってから1 年半が経過し、チェルノブイリの時と同じフランス人専門家たちが日本人を助けるつもりでいます。福島におけるエートス計画で、彼らは放射線汚染の問題への実践的な解決案を提供する振りをしています。汚染地帯の住民の「意志」を尊重する、という口実で専門家たちは放射線防護と除染の教えを説いて回りながら、人々が汚染地帯に留まることを奨励するのです。2011 年12 月に災害の「収束宣言」を出し、住民の帰郷が可能であると発表した日本国家およびIAEA のプロパガンダを彼らは追随しています。こういった放射線防護の専門家たちは、日本政府に放射線防御基準を年間20mSv まで上げるよう事故の一ヶ月後に忠告したICRP などの国際組織にも参加しているのです。それによって福島県内の学校が素早く再開できた一方で、数十万人を対象とする避難への保証が行われることはないのです。ICPR メンバーとしてこの同じフランス人専門家たちは、経済効率の原則を優先し放射線防御基準の撤廃を目的とする「ALARA(As low as raisonnably achievable)ドクトリン」を普及させているのです。中でもジャック・ロシャールという人物がもっとも有名です。   フランスにいる私たちは、災害によって汚染された地帯に住む人々の身の上についてほとんど何も知りません。私たちのところにまで辿り着く情報とは公的なソースのもので、すなわち核の専門家によってゆがめられたものなのです。影響を被っている人々による直接の証言はごくわずかです。ですがそのような証言こそが、フランスを支配する圧倒的な核の容認にわずかでも亀裂を入れるために必要なのです。日本人でない私たちも、汚染地帯にとどまる「意志」なるものが家族的、文化的、そしてとりわけ経済的な制約から生まれているだろうことは容易に理解できます。日本国家はごくわずかの人々だけを移住させ、避難民認定のシステムや補償金の支給は恣意的で不透明であるように思えます。経済的な手段がなければ避難の問題が困難なものとなることは容易に想像がつきます。別の土地での生活の再開には多くのお金がかかり、特に不動産ローンなどがあれば経済的な負担は大変なものです。さらに日本の他の地域で避難民を受け入れることも難しいことであるようです。誰も選んだ人などいない状況において、家族、カップル、友情が避難の問題を巡って引き裂かれています。すべてを専門家に任せてしまいたい、という誘惑は大きく、その専門家たちにとっては住民の不安こそがビジネスの基盤なのです。土地から引き離される苦悩、他所の土地に遺棄される恐怖、留まることへの大きな望みに応えるため専門家たちは、すでにベラルーシでそうしたように、シニカルにも偽の実践的解決策を提案します。そして彼らは立ち去ることが裏切りである、との考えを住民に植え付けるのです。その間にも子どもたちは鼻血を流し、甲状腺には問題が出てきています。癌の発症率が爆発的に増加するのも時間の問題でしょう。汚染地帯にとどまることは問題を悪化させるだけです。子どもたちの首の周りに取り付けられた線量計は子どもたちを放射線から守りません。国家にとっては「原子力危機」が過ぎ去り、「社会的信頼」が回復し、経済が弱まらず、歴史上最悪の事故によって原子力産業が損なわれないことがすべてなのです。  広島、長崎、キシュテム、スリーマイルアイランド、チェルノブイリ、福島…歴史は繰り返します。勝ち誇る資本主義と原子力社会の発展を、災害が養うことをやめるのはいつのことになるのでしょうか?もしも日本の一部が、日常生活をほんの少し変えれば汚染地帯での生命/生活は可能であることの「生きた」証拠となってしまったら、原子力施設の建設、放射性物質の運搬、核廃棄物の埋設場に対して残りの世界は何を言い、何をすることができるでしょうか?疑いなく、何もできなくなってしまうのです。東京も含めた汚染地帯での状況を語ること、そしてそこからの脱走を呼びかけることは重要な争点なのです。避難を集団的に要求し、国際的なものへとすることが政治的に必要であるとわれわれには思われます。それなくしては、フクシマの災厄と汚染地帯で生き残っている人々は、原子力にとってかつてない最大の広告となってしまうのです。避難が裏切りと見られることが少なくなればなるほど、国家の支配から解放される連帯を想像しやすくなります。福島で生産された品物の購入は連帯行動などではありません。ヒエラルキーも、国家に期待することも、産業が提案する最新ガジェットもなしに、避難の必要性を要求すること、それに正しく貢献すること、集団的に組織すること。それが連帯なのです。    この手紙は原子力およびそれが生み出す世界に対抗する闘争に参加する数十名の男女がフランス全土から集った会議において提案され議論されたものです。この手紙は反原子力を闘い、日本の汚染地帯における生を少し変更して受け入れてしまうことを拒否する人々への招待状です。共通の闘いを導くための議論、出会いへの招待です。あなたたちの反逆する声を国 境を越えてフランスまで届けることは、急いでなされなければならないように思えます。フランスにおける原子力の運命は日本のそれに極めて近いのです。 万国のヒバクシャよ、団結せよ! アルカディ・フィリンヌは『フクシマを忘れる』を共同執筆した三人の筆名です。 連絡先はこちら:arkadifiline@yahoo.fr (英語かフランス語かドイツ語) 「なお、この手紙のフランス語の原文は僕のFacebookのウォールhttp://www.facebook.com/kouta.kinositaにのせてあります。」 --------------------------------------------------------------------------------------------------                  「復興のモルモット」 以下の論考は1996年からベラルーシで実施されたフランスの「汚染地帯復興」プログラム「エートス」についてのものである。創始者の一人ジャック・ロシャールは2011年3月28日に「福島原子力発電所事故によって汚染された地域の事故後管理」を謳う日本政府のワーキング・グループに参加した。ロシャールはエートスの経験の再現を提案した。そして「日本版エートス」開始のために活動することになる幾人かの日本の市民の間に興奮を呼び起こしたのである。 核の宣教団 「チェルノブイリ事故の影響下で生きるということは、生を学び直す、異なる生き方をする、存在の新たな構成要素として放射能を日常生活に受け入れる 、ということなのです。」--フランス語によるエートス紹介文  ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの一部に広がる汚染地域には1000万以上の人々が居住している。原発から数百キロ圏内まででは重化学物質が高濃度汚染地域を生み出した一方、軽量分子はヨーロッパ中を汚染することになる放射線雲を作った。 ベラルーシは原子力産業にとっての恭しい実験場である。最初にそのことを理解したのはフランス人専門家たちで、1996年には「汚染地帯における社会管理」という高貴な性質の研究所に投資を開始した。事情通の原子力高官は一人で二人分の価値がある。「甚大なトラブルに備えておく必要がある」と、放射線分野防護評価研究所(CEPN)長のジャック・ロシャールはこともなげに要約する。実験結果はあらかじめ分かりきっている。馬鹿げた日常の様相に溶け込み、恐怖は消失する。悪夢は明白な事実の外貌を覆い隠さなくてはならない。かくして核の汚染は容認され、近代科学が押し付ける不確実な危険性のリストに加わるに過ぎない。  1996年から1998年にかけてエートス・プログラムのパイオニアたちの第一波がオルマニー村を包囲した。同村はチェルノブイリからおよそ200kmの距離にある。フランスの核産業全般が生み出す危険な製品を受容させる任務を負った組織であるCEPNが主導権を握る。フランス電力(EDF)、フランス原子力庁(CEA)、コジェマ社(訳注:現アレバ社)、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の従業員によって構成されているCEPNは詳細な報告書を作成し、国家的リスク管理手段を作り出した。それはとりわけ核施設が発電所の労働者と近隣地域住民を相手に試みたものである。公然の目的はある種の原子力文化とでも言うべきもの、つまり社会的受容の一形式の達成を普及させることである。ベラルーシにおいてCEPNは1990年以降この役割を担い、汚染の少ない地域への人々の移住を最小限に抑えることに貢献してきた。移住が少ないということは国にとって安上がりとなるということ、さらに原子力ロビーにとっては可視化を最小限に抑えられるということを忘れてはならない。1996年にCEPNは現地での活動を開始するためにショック・チームを収集した。「リスクについてのコミュニケーション」を扱う民間企業であるMutadis Consultantも墓場の役割を演じた。Mutadisは産業施設周辺で起こる諍いを骨抜きにする豊かな経験を誇っている。ウルトラ生産性至上主義であるフランスの穀物ロビーの尖兵であるINRAもチームに参加し、復興プログラムにおけるもっとも実入りのいい部分を担った。それには「大地の成熟と再生のための育成プログラム(FERT)」という田園的な名前がつけられている。それまでコルホーズとして集団所有されてきた農地の民営化をFERTは2001年以来受 け持ち、貸付けに頼ることの人気を高め、産業レベルの量の殺虫剤を畑にばらまき、何よりも汚染食品を流通させた。こういったことすべては現地の同業者であるベラルーシ土壌科学研究所(Brissa)との協力関係のもと行われた。汚染拡散の際にはヨーロッパ中すべての者が汚染食品を消費することになる、という流儀についてベラルーシの経験はフランスの生産至上主義農産物ロビーを教化しなくてはならない。事の始めから、ヨーロッパの科学者および専門家たちは現地の自治体およびベラルーシ国家当局と緊密な関係にあり、お互いに原子力の否認主義という強固な経験に基づいていたのだ。20年来継続している移住の拒否という共通の基盤の上で、科学者および政治屋の見解は研究の方向性について一致している。災害の不可視化、長期にわたって断末魔の苦しみを生きながらえさせること…。要するに、チェルノブイリ事故の結果としての汚染地帯の数百万におよぶ住民の健康被害を否認しなくてはならないのだ。ほどなくして、介入の現場はオルマニー村にとどまらず(もっとも汚染の激しい地域にはほど遠い)ストリン地域全般におよぶことになる。5つの村、住民9万人。2001年11月には盛大な国際セミナーの開催によってエートス2が終了する。ストリンでのそのセミナーにはフランスの人道主義および文化的NGOの数々が過剰に参加した。それらNGOのミッションは専門家の指示を現地で拒否する事であった。西側の人間は存在感を強め続けている。参加者150名は「チェルノブイリ事故による汚染地域での生活条件を向上させるための協同(CORE)」プロジェクト立ち上げの必要性について同意した。COREプロジェクトは2003年から2008年にかけて、エートスのチームと密接な関係にある四つの地域をカバーすることになる。 社会的信頼の回復  これらプログラムとともにフランスの原子力産業は、ベラルーシの村人たちが彼らを殺していく条件において普通に生きていくことへの支援を宣言する。居住不可能であることが知られている土地を「回復させる」ということは、具体的に何を意味する のか?それは災害がもたらした現実を受容させることであり、それ以上でも以下でもない。要は、苦痛に満ちた環境で生きることは、専門家の指示を子細にわたって守るという条件さえ守れば可能である、ということだ…。「(プロジェクトは)住民との 信頼の絆を回復させることなのです。(…)『ヨーロッパの専門家の先生方、私たちはここで生活できるのでしょうか?』という質問には、私たちはこう答えるでしょう。『私たちはその質問に答えるためにここに来たのではありません。私たちはここで生 きたいと望む人々を助け、生活条件を改善するためにともに努力するためにここに来たのです。』」( Mutadis Concultantディレクター、G・エリアール・デュブルイユ)苦痛を心理化してしまえば、いつもうまくいくのだ。「放射能汚染は住民の深い不安の要因であり、健康に害を及ぼす可能性がある。」(COREからの抜粋)  古くからある放射能恐怖症は以後かつての礼賛者によって見捨てられ、「情報被曝」のコンセプトが取って代わった。白血病、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、甲状腺癌、乳癌、心臓病、静脈不全、免疫不全、子宮内で被曝した子供たちの精神発達の停止、白内障、突然変異、先天性奇形、神経システム形成異常の原因はそれゆえ情報の欠如による不安なのである。これら厄介な心身疾患を治療するには、「汚染環境に対する住民の信頼を回復」すれば十分なのである。 この身振りとは一体何なのか?  これら否認論的プログラムは原子力国家の継続を試すための絶好のタイミングで行われることになった。ベラルーシの村々で参加型民主主義と市民の協議体制を説いて回り、災害に毅然と立ち向かう必要性を議論し、彼らがしたことは未来および過去の犠牲者による、彼ら自身の苦悩の管理へのいんちき臭い参加を組織したことである。重要なことは、かくも長期に渡って収奪されていた自己の存在を自らの手中に収めた、という気に村民たちがなった、ということである。実験の要は、モルモットたちとの協議体制が新しいタイプの受容を可能とするであろう、ということでありこれは原子力のケースにおける最近の傾向である。これら偽りの人道主義は村人たちによる馬鹿馬鹿しい「慎重な振る舞い」の採用に基礎をおいている。母胎から死までをプログラムする、日常を支配する振る舞いの措置に村人たちが順応しなければ、彼らは自発的かつ個人的に自身の苦痛の責任を背負うこととなるのである。その生の様式により、瀕死のベラルーシ人たちは近親者の死を目にする元凶にさえなりうるのである。 権力のリレーを組織する. 専門家たちは民主主義を口にするだけである。ベラルーシ人たちにとってはまったくもって抽象概念にすぎず、「私は今年死んでしまうのでしょうか?こんな高額な薬には手が出ないのですがどうしたらいいのですか?あらら、肺を一つ失くしてしまった…」といった健康への懸念はこれら宣教師たちの唱える「新たなガバナンス」なるものにとってはまったく無用なものとされる。専門家たちはコルホーズの農民たちを軽蔑している。こいつら田舎者ときたら食うことと養生のことしか頭にない。「協議体制」は必要だが、誰とでも、というわけにはいかない。初期においてはいくつかの職業のみがターゲットにされた。具体的には、キーマンとなる80名のボランティアたち(教師、医師、看護士、レントゲン技師、コルホーズの部隊)に専門家の使う道具が委ねられることとなり、彼らは様々なポンコツ放射線測定機器および紋切り型の文句の使い方を学ぶことになる。社会管理の熱心な執行人となる通常の権力のリレーによりかかるのだが、その秘められた利害は実は別のところにあるのである。 測定なしでは、世界は未知のままである 「孤立して行動し結果だけを伝える専門家が通常行う仕事をわれわれはしていません(…)われわれは彼らの手に測定機器を委ねたのです。」(G. Hériard Dubreuil)汚染測定の訓練を受けた専門家たちは以後人々、とりわけ家庭の主婦に指示と測定機器を普及させることとなる。それゆえ最先端のテクノクラートの隠語は、ついにはもっとも伝統的な社会構造に適用される。自宅、菜園、畑、森林、フライパン、皿、自分と子どもたちの身体などのベクレルを数えること。こうしたことが各家庭で反射的に行われなくてはならないのだ。苦悩の様態を細かく知るために、各自がカードを手にすることとなる。 「現代的なエコロジー文化を住民に広めることが不可欠である」(VladimirPachkevitch、ストリン地区実行委員長) 「チェルノブイリの効能の一つは、事物と生に新たな次元、更なる美点を加えたことである。それは新たなことば、新たな表現、程度の差はあれ理解可能な新たな単位が言語に加わったことにそれは見て取れる。」(ジャック・ロシャール、CEPNディレク ターおよびエートスのコーディネーター) 家庭を巻き込むことにより、彼らの自責への道が開かれる。測定が神聖不可侵なる「共和国の規定値」を超過する場合は、子どもたちが死に続ける場合は、慎重な身振りを実行すべく母親たちの善意が不足していた、ということになるのだ。木製フライパン、ほこり、肉、牛乳、菜園の野菜。母親たちは毎日測定することになっているのだ。 制御の幻想.  モルモットたちは真の健康管理の文化を取り入れなくてはならない。それは彼らの日常生活から無くなることがない、毒にも薬にもならないことが明らかである測定から身を引くことを不可能とする。数値化された制御の幻想にはいくつかの利点がある。原子力施設が引き起こした厄介事を被る地元民に安心させる目安を与えると同時に、モルモットたちが要求する専門家による鑑定に応えるのだ。なんらかの基準に届かない範囲では、放射能汚染の安らかな常態を脅かすものは存在しない。それゆえ、基準の設定は怒りを骨抜きにする特権的な道具であり、それ以前は黙ってくたばるより他なかった市民参加の意志を結晶させるのである。 シニシズムと善意. 「(こどもたちは)汚染地域住民の権利と義務を理解しなくてはならない」ユーリ・イバノフ、ブレスト大学、エートス・メンバー 「放射能との共存を人々に、とりわけ子どもたちと若者たちに教示しなくてはならない。」 ウラジミール・ツァルコ、チェルノブイリ委員会委員長 「ジャガイモ畑を耕すための技術文化を発展させる初歩を人々は身につけ始めている、と言うことができるでしょう。もっとも重要な結果とは、われわれが住民に提案した測定の経済効果なのです。」セルゲイ・タラシク、ベラルーシ土壌科学研究所、 エートス・メンバー. 「汚染された土地であっても、クリーンな土地と同じように生産できるのです。」  ウラジミール・ツァルコ、チェルノブイリ委員会委員長 「ストリン地区につきましては、カリ化合物とリン酸塩の肥料を812トン提供しました。これは復興対策の一環です。」 Valery Chevtchouk、チェルノブイリ委員会副委員長 「市場の条件において成功裏に発達する現代的な経済主体のための条件を創出しなくてはならない。つまり、目下のところ萌芽状態にあり、生産収益性の高い農業経済が必要とする中小企業のことである。最終的には現代的なエコロジー文化を住民に広めることが不可欠である。汚染地帯において最新の放射線防御規則を遵守する必要性は、住民それぞれの日常生活に入り込まなくてはならないのである。」Vladimir Pachkevitch、ストリン地区実行委員長 「マリヤは中学校の数学教師で牛乳グループに参加しています。彼女は畑での遠足を企画しています。生徒たちは場所ごとに牧草のサンプルを採取し、採取場所に数字を振って印をつけます。放射線を測定するため、サンプルを測定所に持っていきます。生徒たちが収集したデータから数学の学習が行われます。20以上の演習が行われました。」 2001年11月のストリンでのセミナー議事録からの抜粋 「子どもたちと一緒に、私たちの測定のデータを使って一日に食品から摂取するベクレル数を計算しました。」ナタリア・ボルトバ、Retchisaの学校の教師 「ミーシャは高校で物理と情報技術を教えています。彼は、距離に従って放射線が低下する現象を生徒たちと一緒に学習しようと提案しました。フライパンの灰を例に使いました。『フライパンで一日に生み出される灰を使って、村で一年で生み出される 灰の量を計算。毎月、毎年、家庭毎そして村全体で生み出される灰の質量。その灰を収集し、村の外に保管するのに必要なトラックの運搬頻度の計算。』」 2001年11月のストリンでのセミナー議事録からの抜粋 「つねに警戒し、意欲的であるためには多くの自由な時間が必要です。でも私たちには時間が不足しています。それに私たちの収入に目をやると士気は削がれてしまいます。私たちのわずかな予算で全員を食べさせ、放射線医学の文化、ビタミン摂取、健康であること、ホールボディーカウンターの適切な測定といったすべてを適切に行うことはできないのです。」 Anna Doulskaïa、農業 「たとえば、木を切ったりコケモモの実を探すために1.5から2μSvの空間線量の森を45分で通過しなくてはならないとしても、それは問題とはならない。ただし、何日間も森の中で過ごすようなことは避けなければならない。(…)『時間の管理』を前面に 出すために『禁止』の側面は『消された』のが見て取れる。汚染地帯に行く必要がないのなら、なぜわざわざ行くのか?」2001年11月のストリンでのセミナー議事録からの抜粋 ==================================================  実は関西経済連合会が、首都機能のバックアップ体制構築を関西にという提言をきのう政府に出しています。中枢分散、京都御所などの単語が飛び交います。 神戸新聞より。 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201303/0005814725.shtml  関西経済連合会の沖原隆宗副会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ会長)は14日、内閣府を訪れ、首都中枢機能のバックアップ体制を構築するための提言書を、古屋圭司国土強靱化担当相に提出した。  提言では、首都直下地震などに備え、中枢機能を地方に分散する必要性を強調。首都圏からの距離や省庁の地方組織の集積、京都御所の存在などから「関西が果たすべき役割は大きい」とした。  沖原副会長は「関西がバックアップ機能を担うためにも、リニア中央新幹線の早期の大阪延伸をはじめ物流、インフラの整備を」と訴えた。  ================================================== 「関東・南東北の被曝エリア(東京全域を含む大半のエリア)にいる皆さんは、放射性物質の少ないエリア、できれば愛知県から西のエリアに、移住するべきです。妊婦、子供、未成年、妊娠可能な女性は優先して移住すべきです。他の皆さんも極力移住してください。被曝から二年近く経過しています。初期被曝は深刻で、慢性被曝の影響がさらに危険です。食物、飲料のみならず、吸気による被曝も軽視できません。回避する方法は限定的です。あなたやあなたの家族の命が何よりも大切です。一刻も早く移住してください。」 健康被害と思われる症状が、深刻化しています。報告相談はまずメールを。 僕のメールアドレスnagaikenji20070927@yahoo.co.jp(コピーして貼り付けて下さい) 講演など、何か業務的な依頼をされたい方も原則このメール⇒電話でお話しする順番です。 事故発生当時の行動記録や数値データなどを細かく教えてください。問い合わせの内容も書いてください。 健康被害の状態を皆で共有化し、事態の推移をあきらかにしていく作業が最も必要です。 甲状腺の検査、甲状腺のエコー検査、さらにふつうの血液検査のうち、 血液像の検査(白血球、特に好中球)や異型リンパ球の確認、大人の女性はサイログロブリンの 数値も確認した方が良いと思います。
【2013年3月10日・生活の党本部】小沢一郎代表 富山野々上公民館演説 .

2013年3月14日木曜日

ここ最近でセシウム・ストロンチウムが検出された食品. http://blog.livedoor.jp/pippiksw1226/archives/24253426.html 2013年03月07日 放射能・原発: ここ最近でセシウム・ストロンチウムが 検出された食品をまとめました。 国の基準は100Bq/kgという高い数値です。 (本来100Bq/kgはドラム缶に入れられ、 厳重に保管される低レベル放射性廃棄物) 100Bq/kg以下なら下記のような食品の値でも バンバン流通しています。 (下記の検査では非流通品もあります) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平成25年3月5日発表 厚生労働省 食品中の放射性物質の検査結果について(第593報) 一部抜粋 自治体から入手した放射性物質の検査結果. ※基準値超過なし ●北海道 日高沖 マダラ 21Bq/kg ●岩手県 奥州市  牛肉 15 Bq/kg ●岩手県 雫石町 牛肉 11 Bq/kg ●栃木県 那須塩原市 那珂川 ウグイ 23Bq/kg (そのほか8検体から検出) ●千葉県 富津市 原木しいたけ 61Bq/kg (そのほか7検体から検出) ●金沢市の群馬県産牛肉  80 Bq/kg 検査結果(PDF:214KB) 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果   ※基準値超過(45件) ●福島県 南相馬市 イノシシ肉 56,000 Bq/kg (47検体すべてから検出) 検査結果(PDF:52KB) 平成25年3月6日 食品中の放射性物質の検査結果について(第594報) 一部抜粋 ※基準値超過なし ●茨城県 北茨城市 コモンカスベ 87 Bq/kg、マダラ 44Bq/kg、 ヒガンフグ 40Bq/kg、マコガレイ 37Bq/kg ●茨城県 鹿嶋市沖 スズキ 34Bq/kg ●茨城県 ひたちなか市沖 イシガレイ 28Bq/kg ●茨城県 日立市沖 ウスメバル 15Bq/kg 検査結果(PDF:216KB) ※基準値超過(12件) 福島県産アイナメ(2)(420、170 Bq/kg) 福島県産クロソイ(580 Bq/kg) 福島県産コモンカスベ(2)(330、170 Bq/kg) 福島県産ババガレイ(ナメタガレイ)(160 Bq/kg) 福島県産ヒラメ(230 Bq/kg) 福島県産イシガレイ(390 Bq/kg) 福島県産ウミタナゴ(120 Bq/kg) 福島県産シロメバル(2)(180、240 Bq/kg) 福島県産マコガレイ(290 Bq/kg) 検査結果(PDF:94KB) 平成25年3月7日 食品中の放射性物質の検査結果について(第595報) 一部抜粋 ※基準値超過(2件) ●千葉県 千葉市 原木シイタケ 130 Bqkg ●千葉県 君津市 原木シイタケ 150 Bq/kg ●千葉県 富津市 原木シイタケ 90 Bq/kg ●千葉県 館山市 原木シイタケ 27 Bq/kg ●岩手県 雫石町 原乳 0.99 Bq/kg ●相模原市流通品 茨城県 大洗町 サツマイモ 2 Bq/kg 検査結果(PDF:146KB) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 静岡県島田市産の「深蒸し煎茶」から20Bq/kg検出 セシウム134 7.5 Bq/kg セシウム137 12.4 Bq/kg 合計 約20Bq/kg 検出 チダイズムさんより ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 福島県郡山市の食品検査結果 福島県郡山市 市民持ち込み検査結果. 検査期間:平成25年2月1日(金)~平成25年2月28日(木) 一部抜粋 ●双葉郡川内村のイノシシ肉 589Bq/kg (他、郡山市4検体から検出) ●梅干し 20.2Bq/kg (他4検体から検出) ●キウィ 40.1Bq/kg (他9検体から検出)  ●キジ肉 41.3Bq/kg (他1検体から検出) ●銀杏 35.3Bq/kg (他1検体から検出) ●コウタケ 3440Bq/kg (採取地は不明)  ●シイタケ 149Bq/kg (他1検体から検出)  ●鹿肉 67.3Bq/kg ●凍み大根 46.8Bq/kg (他1検体から検出) ●ジャム(桑の実) 60.9Bq/kg ●大豆 91.8Bq/kg (他7検体から検出) ●ナツメ 48.5Bq/kg ●白菜 15.5Bq/kg ●冬菜 28Bq/kg ●ホウレンソウ 17.9Bq/kg ●干し柿 88.7Bq/kg (他28検体から検出) ●干し大根 32.7Bq/kg ●ミョウガ 46.3Bq/kg ●ゆず 73.6Bq/kg (他2検体から検出) ●ラズベリー 14Bq/kg ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ やはり魚介類はストロンチウムも 気を付けたほうがよさそうです ☆食品ではないものもあります。 魚介類からストロンチウム90を検出. 平成25年3月1日発表 環境省 平成24年度水生生物放射性物質モニタリング調査結果 (夏期調査)(お知らせ) 阿武隈川  ●コクチバス セシウム540Bq/kg ストロンチウム0.34Bq/kg ●アユ(天然遡上) セシウム85Bq/kg ストロンチウム0.21Bq/kg はやま湖(真野ダム) ●ナマズ セシウム1980Bq/kg ストロンチウム0.49Bq/kg  ●コクチバス セシウム4300Bq/kg ストロンチウム2.1Bq/kg 秋元湖 ●ウチダザリガミ セシウム156Bq/kg ストロンチウム10Bq/kg  ●コクチバス セシウム310Bq/kg ストロンチウム1.2Bq/kg ●ギンブナ セシウム128Bq/kg ストロンチウム1.6Bq/kg 猪苗代湖 ●ウグイ セシウム159Bq/kg ストロンチウム0.29Bq/kg ●コクチバス セシウム178Bq/kg ストロンチウム0.43Bq/kg ●ニゴイ セシウム77Bq/kg ストロンチウム0.4Bq/kg いわき市沖 ●ヒラメ セシウム26Bq/kg ストロンチウム0.17Bq/kg ●マコガレイ セシウム52Bq/kg ストロンチウム0.25Bq/kg 相馬市沖 ●マガキ(貝殻) セシウム29Bq/kg ストロンチウム0.74Bq/kg  ●アサリ(貝殻) セシウム4.7Bq/kg ストロンチウム3.1Bq/kg  阿武隈川河口沖 ●ブリ セシウム12Bq/kg ストロンチウム0.02Bq/kg   ●ヒラメ セシウム16Bq/kg ストロンチウム0.055Bq/kg 環境省の平成24年度水生生物放射性物質モニタリング調査結果 ストロンチウム90 wikipedia ●半減期は28.79年。 ●高レベル放射性廃棄物やいわゆる死の灰中に多量に含まれる。 ●より透過性の高いβ線を放射し危険性も高い。その透過力は1cm厚さの水を通す程度であり、体内に取り込まれると充分に細胞を損傷し得る。 ●ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が類似するため、動物体内では摂取されると一部は排泄されるものの大部分が骨に取り込まれて体内で90Srおよびその娘核種の90Yがβ線を放出し続ける。 ●半減期が比較的長いため放射線を長期間に亘って出し続けることになる。特に内部被曝による骨腫瘍の危険性がある ●1954年にビキニ環礁で行われた水爆実験では多量の放射能が放出され、130km以上離れた場所で操業していた第五福竜丸が死の灰を浴び、乗組員や水揚げされたマグロから検出されたストロンチウム90が脚光を浴びた。
「放射線と健康」アーネスト・スターングラス博士.『人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために』 http://fujiwaratoshikazu.com/2011disaster/index.html
「冷却装置の喪失は福島第二、女川、東海原発でも起きていた」アーニー・ガンダーセン氏 2012年9月27日. http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/600.html 「もっと深刻になっていたかも知れない」 http://www.fairewinds.org/content/it-could-have-been-worse 以下要約です。 ディーゼル発電装置を高所に設置すれば事故は防げたというのは間違いだ。 2011年3月11日、地震の45分後に大津波が福島第一、第二、女川、東海原発を襲った。 1週間後、私は、福島第一原発を爆発させたのは地震でもディーゼル発電機を流し去った津波でもないと CNNで発言した。衛星ビデオでは水際の取水ポンプがメチャクチャになっていた。 これらのポンプは比較的頑強に設計されているが、瓦礫の山になった。 車のエンジン前部に水冷ポンプがあるが、これが壊れるとエンジンは死ぬ。 同じことが福島第一で起きた。 ディーゼル発電機が100フィート高所にあろうと関係はない。 取水ポンプが破壊された。これが福島第一の事故の原因である。 究極の冷却装置の喪失である。 海から取水し原子炉とディーゼル発電機を冷却しなければならない。 たとえ水浸しにならなくても、ディーゼル発電機は動かなかっただろう。 究極の冷却装置の喪失は、1-4号機のみならず、5,6号機、そして福島第二、女川、 東海原発でも起きていた。 これら4つの原発には合計14基の原子炉と37台のディーゼル発電機があった。 そのうち福島第一の1-4号機の9台が津波で破壊された。 だがそのほかの15台もやられた。これらのディーゼルは水没しなかった。 この事実にはマスコミも原子力業界も触れようとしない。 海際の取水ポンプが破壊されたのだ。1-4号機のみならず、その他の各原発でも 少なくとも1台が水冷できず破壊された。 チームH20プロジェクトの報告書(私どものウェブサイトに掲載)にあるグラフの中で、 ピンク色は浸水で破壊されたディーゼル。福島第一のディーゼルがそうだ。 福島第二もやられている。さらに15台がオレンジ色で示されている。 これは浸水はなかったが水冷できず破壊されたことを示す。 37台中24台が津波でさらわれた。 教訓は、ディーゼルをどこにおこうと関係がないということだ。 取水ポンプは水際に設置せざるを得ない。 原子力産業はこのことについて口を閉ざしている。 彼らはディーゼル発電機を移動させる、より強固にする、水没しないようにすると言っているが、 水際にある取水ポンプを守らない限り意味はない。 もう一つマスコミや原子力産業が話したくないことは、千人もの作業員が福島第一にいたときに この事故が起きたことだ。第二にも千人いた。 もし地震・津波が12時間後に起きていたら、週末で百人ずつしか勤務していなかっただろう。 道路はズタズタで、すぐに応援にかけつけることもできなかったはずだ。 両原発での千人ものヒーローの活躍がなければさらにひどいことになっていただろう。 もし夜だったらどれだけ悲惨になっていたかわからない。 女川、東海の10基でメルトダウンやその他のトラブルが生じていただろう。 福島第二も数日間は危機的状況であった。女川も1日以上トラブルがあった。東海もだ。 4つの原発の14基の原子炉が3月11日に危機的状況にあったのだ。 複数の原子炉の事故のために新たにレベル8を設けるべきだという提案があるが賛成だ。 福島第一はチェルノブイリよりも放射能の放出量が多いと思うが、ほぼ同じだとしても、 それは論点ではない。問題は、複数の原発・原子炉が事故を起こしたことだ。 教訓は2つある。 一つは、取水ポンプを移動するか、浸水しても問題のない潜水ポンプに交換すること。 もう一つは、IAEAがレベル8を設定することだ。 国際社会がすばやく対応していれば、福島の事故、そして日本人の被曝を最小限にとどめることが できただろう。

2013年3月13日水曜日

福島原発事故によるキセノン133の放出量は16700ペタBqでチェルノブイリの2.5倍!! http://ameblo.jp/kennkou1/entry-11489715571.html オーストリア気象庁が福島原発事故のデータを解析した結果、福島原発事故によるキセノン133の放出量は16700ペタBqということが判明しました。 この1万6700ペタBqという数字はチェルノブイリ事故の時に観測された値の2.5倍に匹敵する数値で、マスコミなどが報道している数値よりも遥かに高い数値となります。 ☆オーストラリア気象庁 福島原発事故によるキセノン放出データ URL http://www.zamg.at/docs/aktuell/20111021_fukushima_review.pdf 引用: A new study by an international team of researchers estimates the emissions of the radioactive noble gas Xenon‐133 and the aerosol‐bound nuclide Caesium‐137 from the Japanese NPP Fukushima Daiichi by combining a large set of measurements from Japan and worldwide, atmospheric transport model calculations, and available information and reasonable approximations on radionuclide inventories and accident events at the Fukushima Daiichi NPP. The main result of the investigation is that the emissions from the power plant started earlier,lasted longer and are therefore higher than assumed in most studies conducted before. Regarding the radioactive noble gas Xenon‐133, the results indicate an emission of 16700 Peta‐Becquerel (1 Becquerel is one radioactive decay per second, 1 Peta‐Becquerel equals 1015 Bq). This is the largest civilian noble gas release in history, exceeding the Chernobyl noble gas release by a factor of 2.5. There is strong evidence that emissions started already on 11 March 2011 at 6:00 UTC, which is immediately after the big earthquake. Xenon‐133 is neither ingested nor retained in the inhalation process and therefore of less health concern, but it is important for understanding the accident events. :引用終了 さらにこの報告書には「3月11日15時には既に環境中に漏れ出ていた」と書かれています。3月11日の3時といえば地震が発生した直後で、この時点から放射能が漏れていたとは私も初耳でした。これが事実だとするのならば、更なる調査が必要だと言えるでしょう。東電は自分の責任逃れしか考えていないので、東電や原子力村とは関わりのない組織による真相解明が待たれます。 ☆東日本の放射能汚染地図 URL http://twitpic.com/a6b89y