2012年11月20日火曜日

 (ふくしま集団疎開裁判」 【報告】国連から派遣された「人権の砦」(特別報告者)に対し、国政の最大課題について日本の国会が機能不全に陥っている事実を提出. http://fukusima-sokai.blogspot.de/2012/11/blog-post_19.html 国連の人権理事会は、福島第一原発事故による子どもをはじめとする住民の命・健康に関する人権侵害を調査するため、健康に対する権利の専門家である特別報告者アナンド・グローバー (Anand Grover) 氏を日本に派遣することを決め、担当のグローバー氏は今月15日に来日して、現在、調査中です。 特別報告者アナンド・グローバーについて->こちら 国連の人権理事会(ジュネーブ)は、つい先ごろ(今月2日)、国連では「福島住民の健康の権利守れ」 という次の内容の勧告を盛り込んだ作業部会の報告書を採択しました。 Take all necessary measures to protect the right to health and life of residents living in the area of Fukushima from radioactive hazards and ensure that the Special Rapporteur on the Right to Health can meet with affected and evacuated people and civil society groups (訳) 放射能の危険から福島の人々の命と健康に関する権利を守るために、必要なあらゆる措置を取ること、 そして、(来日する)健康の権利に関する特別報告者が、日本において、被ばくした市民、避難した市民、市民運動のグループたちと面談する機会を保障すること これは、福島の人権問題が国連の文書に初めて登場した画期的な瞬間でした。なぜなら、それまで、国連に登場する文書は、福島原発事故によって、原子力の安全性が損なわれので遺憾だ、国際原子力機関(IAEA)を支援する(甚大な被害を蒙った福島の被害者の人たちを支援するとは一言も言わない)と言うだけで、今後、核テロ防止のための取組みを行なうとしか述べていないから、あたかも福島原発事故で犠牲者は一人もいなかったかのような記述だからです(例えば2012年国連事務総長の報告書にたった1箇所登場する福島問題〔15頁81→(*)〕)。 しかし、グローバー氏は国際原子力機関(IAEA)から派遣されたのではなく、人権理事会から派遣された人物です。 先ごろ、私たちはグローバー氏と面談し、10月30日にジュネーブの国連でスピーチした福島の現状報告に関する資料を改めて提供すると同時に、日本国家の人権侵害状況を最も端的に物語る事実、つまり解散された日本の衆議院や参議院が、いま、国政の最大の課題である福島問題を全く顧みない機能不全の状態にあることを次のとおり、報告しました(提出したのは英語版)。 98%の国会議員は福島の子どもたちを今すぐ救うという緊急の課題にまともに向き合うことすらできないでいます。命に対する無気力、無関心、無感動の三無主義こそ、今、日本国家の最も根深い病理が端的に現れています(御用マスコミがもてはやす第三極と言われる人たちも、子どもたちの集団避難を語ろうとしない限り、根は同じです)。 もっとも、これは厳密には民主主義の危機ではありません。他人任せの間接民主主義の限界が明らかになっただけです。であれば、民主主義の原点に立ち返って、直接民主主義によって、世直しをするだけのことです。時代は、私たち一人一人に向かって、文字通り、勇気をふるって自ら主権者になれと要求しているのです。                                (文責 柳原敏夫)   ****************************                                  2012.11.16 本日、衆議院が解散されました。いま、国政の最大の課題は原発事故による福島の人々の人権侵害とその救済、とりわけ福島の子どもたちの救済です。なぜなら、福島原発事故は日本の歴史上、最大の人災なのですから。 そこで、私たちは、10月1日、全国会議員宛てに、この国政の最大課題について次の2つの質問状を出しました。 1、チェルノブイリ避難基準で強制移住地域(空間線量が年5mSv以上)に該当する地域に住む子どもたちは、直ちに疎開させるべきかどうか。 2、チェルノブイリ避難基準で移住権利地域(空間線量が年1mSv以上)に該当する地域に住む子どもたちは、直ちに疎開させるべきかどうか。 これに対し、本日11月16日までの間に、以下の回答が寄せられました。 -->  回答結果の一覧 全国会議員721名のうち回答者は16名。回答率は2%強。 質問1について、イエスと回答した者は13名。 ノーはゼロ。 その他が3名。 質問2について、イエスと回答した者は12名。 ノーは1名。 その他が3名。 回答者の殆どが「子ども達を避難させるべきだ」というものでした。 ここから、回答しなかった議員は、「子ども達を避難させるべきだ」と回答できなかったために、回答をしなかったのではないかと推定されます。 しかし、そもそも国会議員は主権者である市民の信託により国政を担当する者です。そうであれば、我々市民が現在の国政の最大の課題と考える「福島の子どもたちの救済」についてどう考えるのか、我々市民に説明する責任があります。ましてや、今回の問題は国が加害者として引き起こした問題です。加害者としても説明責任があります。 にもかかわらず、今回のアンケートで回答をしなかった98%の国会議員は、説明責任を全く果たしておらず、これだけで国会議員失格と言われても仕方ありません。 福島問題で日本国が重大な人権侵害を侵していることは、このアンケートからだけでも自明です。 (*)2012年国連事務総長の報告書15頁

0 件のコメント: