2012年4月2日月曜日

(バンダジェフスキー(元ゴメリ大学長)会見〜内部被ばくに警鐘 ) チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシ住民の健康被害を研究してきたユーリー・バンダジェフスキー元ゴメリ医科大学長が19日、東京都内で会見し、福島第一原発事故の影響­で高い線量が計測されている汚染地域では、全住民を対象に内部被ばく調査を徹底するよう訴えた。   バンダジェフスキー博士は、チェルノブイリ原発事故の影響を調べるために、被曝した人体や動物の病理解剖を行い、体内臓器のセシウム137などの放射性同位元素を測定する­研究を行ったことで知られ、セシウム137が、心臓をはじめとする重要臓器に影響し、子どもの突然死などを引き起こしていると指摘してきた。   博士によると、心筋細胞は分裂しないためセシウムが心臓に蓄積しやすく、心電図の検査で、異常とセシウム蓄積量の因果関係が確認できるとしている。「幼児は体重1キログラ­ム当たり20~30ベクレルでも心臓のリズムを壊してしまう。50ベクレル以上だと突然死の可能性が高くなる。」とデータを示しながら解説した。また妊娠中、胎盤に1キロ­グラム当たり200ベクレル以上のセシウムがあると、コチゾールと呼ばれる重要なホルモンの濃度が下がり、新生児は肺が発達せず突然死につながりうる」としている。   また、セシウムは、個々人が遺伝上抱えていながら、表面には発現していなかった因子に働き、出生前、あるいは大人になってから、障害を誘引する働きをすると解説。わずかな­、セシウムであっても、人体に取り込むべきではないとの考えを示した。博士によると、原発事故後のベラルーシでは出生率が減る一方で、死亡率があがっており、原発から30­キロの地区では若い世代を中心に、人口1000人当たり約30人が死亡した年があり、出生率を大きく上回ったという。   博士は、日本国内で現在進められている震災がれきの広域処理に関して、「わずかな汚染であっても、セシウムを含んでいる汚染物質を、クリーンな地域に拡散することは理解で­きない」と日本政府の方針について強く否定。日本政府が十分の情報の公開を行っていないことについても、疑問を呈した。   博士は、1999年、賄賂収賄の容疑で逮捕され、無罪を主張したものの、2001年懲役8年の実刑判決を受けた。しかし、政治的意図による冤罪だとして、海外の多くの人権­保護団体がベラルーシ政府に抗議。国際的な人権保護団体であるアムネスティ・インターナショナルなども声明を出して支援をし、刑期は5年間に短縮された。

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