2013年4月18日木曜日

自立できない人間や町が原発に賛成する~小出裕章氏インタビュー. http://kasakoblog.exblog.jp/19993956 「福島の事故が起きる前から、 原発が安全だと思っている人はほとんどいないはず。 それは推進派も同じ。 原発を誘致した町の人たちだって、 原発が危険なことぐらいよくわかっている。 ただ今後の町の発展を考えた時に、 原発なしでも発展できると考える町や人は原発に反対し、 原発がないと発展できないと考える町や人は原発に賛成する。 原発なしで自立できるかできないか。 そこが大きな違いではないか」 (京都大学原子炉実験所・小出裕章助教) かつて原発計画があったにもかかわらず、 住民の反対運動によって原発を断念させた町を取材している。 今でこそ福島原発事故が起きたからこそ、 誰もが原発は危険なものだと認識しているはずだ。 しかし福島原発事故が起きる前、 場所によってはチェルノブイリ原発事故が起きる前から、 原発反対運動を展開し、過疎地にもかかわらず、 金の誘惑にも負けずに電力会社を追いやった町がある。 なぜそんなことができたのか? 私は不思議に思って取材をしている。 今から30~40年も前といえば、 原発は輝かしい未来のエネルギーであったはずだ。 ましてや原発計画が持ち込まれた町は、 ほとんどがあまり産業のない場所だ。 だから福島や新潟や福井などは原発を受け入れた。 しかし和歌山、徳島、三重などは断固として拒み、 ことごとく原発計画を闇に葬り去った。 一体その違いはどこにあったのか? 原発を断念させた町の1つ、和歌山県日高町で、 家から800mのところに原発計画が持ち上がり、 断固として反対運動を続けた、 漁師で民宿「波満の家」を経営する濱一己さんに話を聞いたところ、 数十年前から原発の危険性を訴えていた、 小出先生や今中先生などの教えがあったからだという。 濱さんの民宿に2泊して取材・撮影をした後、 関西国際空港そばにある京都大学原子炉実験所をたずねた。 そして小出先生に聞いてみた。 原発を断念させた町と誘致した町の違いは何かと? その答えが上述のものだった。 私には1つ驚いたことがある。 原発推進派も原発を誘致した町や人も、 危険性を認識していたということだ。 私はてっきり推進派は、 政府や電力会社のカルト教団的なやり口に騙され、 安全だと信じきっていたのだと思っていたのだが、 一軒一軒ビラを配るなどして住民運動に加わった小出先生によれば、 推進派だって危険性はある程度は認識していたはずだという。 ではどこに違いがあったのか。 ズバリ、原発なしでも発展できるかどうか、 自立できるかどうかの問題だという。 この答えに得心がいったのは、 実はまったく同じことを原発に反対した住民たちが、 1月に取材した時に言っていたからだ。 和歌山日高町の濱さんも、 「原発なしでも経済的に自立できる人は原発に反対し、 原発がないと経済的に自立できない人は原発に賛成する」と言っていた。 徳島県海部郡美波町の小さな漁村・伊座利では、 すぐお隣の町に蒲生田原発計画が持ち上がり反対した。 伊座利漁業協同組合の組合長、吉野清さんも、 同じような話をしてくれた。 「行政に頼っては真の町の発展なんかできん。 手弁当で自分たちで知恵を出し合って、 自ら町のために活動しなくちゃ、 永続的に町を発展させることはできない。 お上の棚からぼた餅なんかに期待しても、 一時的に町は潤ったとしても長続きはしない」 原発は麻薬に似ている。 弱い人間をシャブ漬けにし、一度手を出したら最後、 次から次へと増設しないとあぶく銭は入ってこないため、 住民自ら増設を希望するようになる。 電力需要なんか関係ない。 原発を次から次へと作らないと、 シャブが切れて町は死んでしまうからだ。 原発に限った話ではない。 景気が悪いのをすべて政府のせいにして、 景気対策をせがむ国民は、 自立心のない麻薬に頼るシャブ漬け患者だ。 景気対策という名の一時的にハイになれる、 公共事業という麻薬をせびり、 麻薬を大盤振る舞いしてくれる自民党を選ぶ。 もちろん、その麻薬代は国民自ら働いた金で買われるわけで、 金がつきれば国民自ら借金し、麻薬を買う。 景気対策が切れたら景気が悪くなってしまうから、 また政治家に選挙をちらつかせて麻薬をくれとせがむ。 これを繰り返した結果、衰退しきった今の日本がある。 福島でとんでもない事故が起きた。 推進派だろうが賛成派だろうが何だろうが、 よほどのバカでない限り原発が危険なことぐらいわかっている。 それでも欲してしまうのは自立心がないからだ。 311の教訓は、もういい加減、 原発麻薬に頼っても破滅しかないということではなかったか。 福島の死の町を見れば明らかだ。 しかし未だに原発麻薬の甘い汁を吸おうと、 危険なことは百も承知で再稼働しようとしている人たちがいる。 引き続き、福島原発事故が起きる数十年前から、 原発麻薬に手を出さなかった人たちの取材を続け、 ブログで随所随所を報告しながら、 映画を製作していきたいと思う。 ・「原発のウソ」小出裕章著

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