2012年6月3日日曜日

http://alcyone-sapporo.blogspot.de/2012/06/blog-post_9979.html 〔被曝による遺伝子損傷〕チェルノブイリ作業員は突然変異の異常が7倍) http://isinokai.blogspot.jp/2012/03/4-83-1988-unscear-84-600000-sv-40.html チェルノブイリ原子炉事故のあと1週間ほどで多くのドイツ人がウクライナ各地から旧西ドイツに避難帰国した。彼らの染色体を分析したところ、驚くべきことに染色体異常(奇形の原因となる)が明らかに増えていた。なかでも無動原体の染色体異常は2動原体異常のおよそ2倍もあった。まれな環状染色体も見つかったこの検査を受けた人々の多くは会社の仕事でウクライナに出張し、チェルノブイリから約400キロメ-トル遠方に住んでいた。 (略) J.ポフル・リュ-リングらはチェルノブイリ事故の影響としてオ-ストリアのザルツブルグに住む人々のリンパ球を用いた染色体損傷の研究結果を報告した。 1987年、チェルノブイリ事故の結果、人が被ばくした放射線量は以前と比べて15%から68%の幅で増加していた。実際の放射線レベルは、中央値が年間 0.9ミリグレイから、事故後には年間2ミリグレイに増えたが、リンパ球の染色体損傷はチェルノブイリ事故後6倍に増加していた。さらに高濃度で放射能汚染された場合は染色体損傷の頻度は減少していた。このポフル・リュ-リングが示した容量/効果曲線は、他の研究者たちの報告と一致していた。 (略) ベルリンでの調査に続いてスペルリング教授はドイツ国内の40の人類遺伝研究機関で国家的サ-ベイ(調査)を開始した。1986年から28,737例の出生前染色体分析をしたところ、393例で常染色体数が増加していた。そして、そのうち237例は21トリソミ-だった。チェルノブイリ事故の数日後に受胎した胎児では、この頻度がもっとも高かった。そして、放射能汚染がよりひどかった南部ドイツではそれが顕著であった。 ☆小児がん科医として、フクシマの子どもたちの命を思いやる (スイス国際放送。2011年6月15日) http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=30358134 swissinfo.ch: ところで、染色体の損傷や切断は少量の放射線でも起こるのでしょうか? リドルフィ: 公式には、今の段階では分からないと言われ、年間50ミリシーベルトから100ミリシーベルト被曝すると、がんになる可能性が高まるが、それ以下では分からないと言われてきた。 ところが、ドイツでは原発周辺に住む5歳以下の子どもを対象に、小児がん及び白血病発生率と原発との因果関係についての調査が国の依頼で行われた。 2007年に出た結果によれば「原発に近ければ近いほど小児がん及び白血病発生率が高い」。それは即ち少量の放射線が染色体に影響を与えるということの証明だ。 5歳以下の子どもは大人より、2、3倍も放射線の被害を受けやすく、胎児はなおさらだ。それは成長のために細胞分裂が絶えず行われており、染色体が不安定な状態にあるからだ。 (略) ただ、この調査以外には、長期に少量の放射線量を浴びるケースの研究はわずかしか存在しない。長期間で経費もかかる非常に困難な調査だからだ。しかし、少ない調査結果とはいえ、現在多くの医学者、科学者が放射線は少量でも危険だ、特に子どもの場合は特別に危険度が高まると言っている。 swissinfo.ch: 遺伝的な問題の質問です。イギリスにあるセラフィールド ( Sellafield ) の使用済核燃料の再処理工場に勤務する父親の子どもには白血病のリスクが高いという報告がありますが、それはなぜでしょう。 リドルフィ: それは、父親の睾丸に放射線があたり、精子の染色体が異常になり、たとえ母親の卵子が正常でも生まれてくる子どもは、いわば全身の細胞の染色体に父親の染色体の異常を受け継ぐため、白血病になる可能性があるからだ。 また、この2世代目がたとえ白血病などを起こさなくても、全身の細胞ということは、その子の卵子や精子まで染色体異常を受け継ぐため、第3世代、第4世代まで染色体異常は受け継がれる。 さらに、現在小児医学では、多くの脳や神経系の病気が染色体異常によって起こることも分かってきている。 このため、今フクシマの原発事故現場で働いている人たちのことを考えると胸が締め付けられる思いだ。 swissinfo.ch: では、例えば被爆によって子どもが白血病にかかっても、その子が完治して大人になった場合、その子孫は大丈夫なのでしょうか。 リドルフィ: 小児白血病が化学療法で完治した場合、白血病細胞はすべて死ぬため、その子が大人になり子孫を作っても、子孫が白血病になることはない。要するに異常染色体が受け継がれなければ大丈夫だ。 swissinfo.ch: 例えば福島の子どもが白血病にかかったとしても、現在白血病はほぼ8割が完治しますね。 リドルフィ: 確かに8割が進んだ化学療法などで完治する。しかし問題なのは完治に至るまでの長い苦しみの期間だ。白血病のタイプによって治療期間は異なり、短期で集中治療するか、もしくは、1週間に1回の治療を2年から2年半続けることになる。 また、治っても再発する恐れと戦わなくてはならない。さらに多くの母親が何もしてやれない無力感や、子どもの死と直面する苦しみに耐えなくてはならない。 ある母親は、3歳の息子が白血病だと分かると動揺し、治療を始める前にまず神父を訪ね「子どもの葬儀も大人のそれと同じか」と聞いた。同じだと分かったときようやく納得して「治療を始めてくれ」と言った。 家族の抱える苦悩は大きい。祖母や祖父など全員を巻き込む苦しみだ。30年間こうした子どもや家族と過ごしてきて、今、フクシマの子どもたちを思う。

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