2013年5月23日木曜日

核戦争反対国際医師団体.IPPNWドイツ支部.(福島第一原発事故による健康被害) http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/japanisch/Health_consequences_Fukushima_jp.pdf ヘンリーク・パウリッツ博士、ヴィンフリード・エイゼンベルク博士、ラインホルド・ティール博士. *日本の食品はフクシマ原発事故によって、2011年から放射性物質で何倍にも汚染されている。 まとめ 日本の福島第一原発では2011年3月11日、地震と安全性の欠陥から多量 の核分裂物質、核崩壊物質が長期に渡って放出されるという原発の大惨事が起こ った。大気中に放出された放射性物質の約20%が日本の土壌を汚染し、セシウ ム137とセシウム134の汚染度はそれぞれ約17,000ベクレル/m2に上 る。 原発事故による最初の健康被害は事故からまだ2年しか経っていないが、現在 すでに科学的に立証できる。チェルノブイリ事故の時と同じように、原発事故9 ヶ月後に出生数が減少したのが確認できるのだ。2011年12月に日本全国で、 出生するはずの子どもの数が4,362人『不足した』。そのうち福島県では出 生児が209人減少した。さらに日本では、乳児の死亡率も上昇した。0歳児が 統計的に予想されるよりも75人多く死亡したのだ。 福島県だけで55,592人のこどもにのう胞やしこり(結節)が甲状腺に見 つかった。大人にのう胞やしこり(結節)があるのとは異なり、それはこどもの 場合はガンの前兆といわなければならない。それは、福島県ではじめて甲状腺ガ ンと診断されたこどもがでたことからもわかる。 (表1.1: すでに発生したか、これから予想されるフクシマ原発事故による健康被害一覧)           数(人)               出典 ①出生児の減少、2011年のデータから. 4,362 人.(ケアブライン、2013年) ②乳児死亡者の増加、2011年のデータから. 75 人.(ケアブライン、2013年) ➂福島県のこどもの甲状腺ののう胞としこり.結節)55,592人.( 福島県、2013年) ④外部被曝によって予想される発ガン件数 .18,950人 -41,303人.(IPPNW、2013年) ⑤食品摂取によって予想される発ガン件数 .18,633 人(IPPNW、2013年) ⑥011年に事故原発で働いていた東電作業員予想される発ガン件数.17,715人(IPPNW、2013年) 今回公表したスタディでは、外部被曝によって予想される発ガン件数を3つに わけて推定した。推定は、まず科学専門雑誌等で公表された日本の47都道府県 の土壌汚染をベースに行い、次に平均総土壌汚染をベースして行い、最後に20 12年秋の空間線量の測定値をベースに行った。建物の遮蔽効果も考慮して医師 団体IPPNWが推計した結果、集団の生涯線量はそれぞれのケースで94,7 49人・シーベルト、206,516人・シーベルト、118,171人・シー ベルトとなった。 欧州放射線リスク委員会(ECRR)のガン死亡率(0,1/シーベルト)と ガン罹患率(0,2/シーベルト)に関するリスク係数を使って推計すると、日 本で外部被曝によってガンの発症が予想される件数は上記3つのケースでそれぞ れ18,950件、41,303件、28,418件となる。 汚染食品によって予想される発ガンを推定するため、日本の厚労省が公表した 133,832件の測定結果を使った。ただ、厚労省のデータでは実際の測定値 ではなく基準値を下回った測定値だけが公表されているので、厚労省のデータの 多くは使うことができなかった。 測定値17,000件余りに関しては、それぞれ測定した都道府県がわかった。 その測定値から、「福島周辺地域」(福島県、宮城県、栃木県、茨城県)におけ る食品汚染の平均値は放射性セシウムの合算値で180.8ベクレル/kgとなっ た。その他の東日本地方では108.1ベクレル/kg、西日本地方では71.8 ベクレル/kgであった。基盤にしたデータが代表的なものかどうか、それを判断 するデータの基盤がはっきりしないので、事故翌年においては食品が平均で上記 セシウム合算値の半分しか汚染されていなかったと、保守的に推定した。 推定される日本生産食品の年間摂取量が30,753,745トンなので、そ れを人口の割合に応じて上記の3つの地方に割り当てた。さらに生物学的半減期 を短く推定して5年とした。 その結果、医師団体IPPNWの計算では集団の生涯線量は全体で93,16 6人・シーベルトとなった。それに従うと、食品の汚染によって18,633件 のガンの発症が予想される。 世界保健機関WHOの最新の報告書でも使用されているリクス係数0.1/シ ーベルトは、多分リスクを過小評価している。最新のスタディの多くがリスクは 約二倍大きくなると指摘しているので、推計したガン発症件数はさらに二倍にし なければならないと思う。ここでリスク係数を0,2/シーベルトとした発症件 数をベースにすると、外部被曝による発ガン件数は37,899から82,60 6件、食品汚染による発ガン件数は37,266件と予想される。 (表1.2:新しい知見に従うリスク係数を使った場合の外部被曝と内部被曝によって予想される発ガン件数(罹患数))                      (数 )            (出典) ➀外部被曝によって予想される発ガン件数 .37,899 人‒から82,606 人.(IPPNW 、2013年) ②食品摂取によって予想される発ガン件数. 37,266人. (IPPNW 、2013年) 2011年に事故原発現場で働いていた東電の作業員に対して、IPPNWは チェルノブイリ事故の経験を基準にして17,000件を超える重いガンが発症 すると予想する。 このスタディで行った量的な推計の中には、不確定なものがある。出発点とな っている公表データの一部に不正確なものがあり、推計するに当たって一部でさ らに推定しなければならないものがあったからだ。しかしIPPNWは、量的な 評価でフクシマ原発事故の大きさを明らかにすることが必要だと思っている。 世界中には、たくさんの原子力発電所が地震の危険のある場所に設置されてい る。これらの原子力発電所は多くの場合、地震に対する保護が日本の原子力発電 所以上にかなり悪い状態になっている。そのため、(フクシマの場合よりも)弱 い地震が起こっても世界中で原発の大惨事となる可能性がある。アジアにおいて も、アメリカにおいても、さらにヨーロッパにおいても.

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