2012年3月2日金曜日

【放射能汚染・こどもたちの真のガン発生割合】 「このままでは福島の子供たちは、原子力業界労働者の10倍の被ばくをさせられてしまう」 –( 15カ国40万人の原子力産業労働者への調査結果から) - 2007年には職業がら低線量放射線被ばくをせざるを得ない人々を対象にした、これまでで最大規模の研究が出版されました。 この研究は15カ国の40万人に上る原子力業界の労働者を対象に行われました。研究では放射線被ばくとがん死亡率との間に、明らかな因果関係を発見したのです。 調査対象となった原子力業界労働者の平均雇用期間は10.5年であり、この間の平均被ばく線量は19.4ミリシーベルトで、これを一年あたりに割ると1.85ミリシーベルトになります。 これを20ミリシーベルトの被ばくは問題ないとされてしまった福島の子供たちは、これら大人の原子力業界労働者の10倍の被ばくをすることになります。 (日本では2012年4月からやっと、子供たちに対しては新たな基準が用いられる予定ですが、事故発生から丸一年以上、子供たちは20ミリシーベルト基準を適用されてしまっています。) さらに正確な一年間の被ばく線量を計算するため、このデータは国別の平均雇用年数とその間の累計被ばく線量がわかるようになっています。 これらのデータから計算すると、すべての集団の年間の被ばく線量の平均値は1.95ミリシーベルトとなり、年間を通し2ミリシーベルトに達しない値であることがわかります。 また、同一の性質を持つ集団ごとに年間平均被ばく線量を計算すると、少ないものでは0.45~0.5ミリシーベルトになります。 これらの結果から、原子力産業に従事する労働者の年間被ばく線量は最大でも、福島の子供たちが浴びても構わない、とされる放射線量の10分の1にとどまっていることがわかります。 そしてこの平均10.5年間の低線量の被ばくが、ガン発生リスクと相関関係を持っていたのです。 正確を期することにしましょう。 平均すれば原子力産業労働者の就労期間平均は10.5年になっていますが、90%の労働者が全就労期間を通じて50ミリシーベルト未満の被ばくをしていました。 そこで50ミリシーベルトを10.5年で割ると、年間5ミリシーベルトの値が出てきます。 それでも福島で許容される被ばく線量の4分の1です。 さらに15か国の各国の原子力産業労働者の被ばくの影響について正確を期すために、研究者たちは以下のやり方も行いました。 すなわち全体から1か国ずつ各国のデータを除外して再計算し、前述した数値を下回る平均値が出てくるかどうかを確認したのです。 この副次的分析による発がん可能性の値は、科学アカデミーの設定をすべて上回りましたが、 互換性があることもわかりました。 BEIR VIIのリスクモデルについてはすでにお話した通りです。 したがってどの国のデータを取り上げても、特に偏った結果が出ているものはありませんでした。 この研究の執筆者たちは、労働者の間では喫煙の習慣が一般的だったため、喫煙もまた発がん性を高める一つの要因となる可能性についても検討しました。 しかしながら喫煙の習慣が放射線被ばくによる発がん性の値を高めてしまう、相互関連性は非常に低いものであることが証明されています。ですからここで行われた調査結果に、喫煙習慣とガン発生との間の相関関係の可能性は当てはまらないと考えられます。 それでは復習しましょう。 15か国で51人の科学者が参加して実施された調査研究は、原子力産業労働者に対してこれまで行われた中で最大のものです。 この調査は原子力産業労働者の発がん率が高いことを証明しました。 原子力産業労働者全体の年間被ばく線量の平均は2ミリシーベルトですが、多くの労働者は年間5ミリシーベルト以下の被ばくをしています。 そして日本が設定した許容被ばく線量は20ミリシーベルトであり、この線量は原子力産業労働者平均被ばく線量の10倍、そして大半の原子力産業労働者が一年間に被爆する量の4倍以上です。 〈つづく〉 http://fairewinds.com/content/cancer-risk-young-children-near-fukushima-daiichi-underestimated

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